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【セウォル号沈没】
捜査への不信拡大、船に「軍用の鉄骨100トン積載」と判明 韓国政府幕引き、遺族抵抗
2014年4月に304人の死者・行方不明者を出した韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、船に軍基地建設用の鉄骨が積まれていたが、検察が明らかにしていなかったことが28日までに分かり、捜査への不信が拡大している。
原因解明には船体引き揚げが必要だが、朴槿恵政権は遺族の求めでつくられた官民合同の特別調査委員会に今月末で調査をやめるよう指示した。遺族や調査委、野党は政府の幕引きに激しく抵抗している。
調査委によると、検察の発表より100トン以上重い410トンの鉄骨が積まれていたことが最近判明。一部は当時建設中だった済州島の海軍基地に搬入予定だった。
セウォル号は沈没前夜、他の船が濃霧で仁川港にとどまる中、唯一出港し、済州島に向かった。軍への納入遅れを避けようと無理に出航した可能性も指摘され、これを検察が隠そうとしたとの臆測が出ている。軍の鉄骨が何トンあったかは公表されていない。(共同)