お金を借りたい時に使える!公的融資制度一覧
国は、個人向けに数多くの公的融資制度を設けています。
これは福祉制度の一環ですから、利子の心配もほとんどありません。少なくとも、民間の業者などから借り入れるよりもずっと低金利なんです。
こういった便利で、素晴らしい制度が用意されているにも関わらず、その存在を知らない方は多いようです。
確かに、厚生労働省のサイトなどを見ると難しいことが書かれていて、分かりづらい部分もあります。しかし「分からない」という理由だけで、せっかくの救済・福祉制度を利用しないのは、もったいないですよね?
このページが「公的融資制度の窓口」となるよう、皆さんに分かりやすく解説して参ります!
絶対に覚えておきたい公的貸付制度4つ
1.生活福祉資金貸付の「総合支援資金」について
「総合支援資金」は、生活上の困窮を解消するための貸し付けとなります。生活の立て直し&経済的自立が目的ということですね。
低所得者世帯は、民間からお金を借りることができないケースも。そんな方々の最後の砦として「総合支援資金」は設けられています。必要な資金を他から借りることが困難な方が対象なので、生活苦を抱える方は、今すぐ利用を検討すべきです。
なお「総合支援資金」ので借りられるのは、以下の3つとなります。
1.生活支援資金…最長1年の生活資金を貸し付けます。
2.住宅入居費…入居に必要な費用(敷金・礼金)などを貸し付けます。
3.一時生活再建費…就職・転職に際する「技能習得」、債務整理に必要な費用を貸し付けます。「生活支援資金」に似ていますが、一時的に必要な費用を貸してくれる点が少々異なります。
2.生活福祉資金貸付の「教育支援資金」&「児童扶養手当」について
低所得者世帯が抱える「生活の困窮」は、お子さんの扶養や教育に深刻な悪影響を及ぼすことも。そういった事態を避けるための制度もあります。
1つ目の制度は「教育支援資金」。4つの支援資金から構成される「生活福祉資金貸付」の1つです。教育支援資金には「教育支援費」「就学支度費」の2つが用意されています。
それぞれ、進学(高校、専門高校、大学など)に際しての「就学」「入学」に必要な費用や経費を貸し付けてくれます。こちらは無利子で利用可能です。
2つ目の制度は「児童扶養手当」。こちらは「ひとり親家庭」のお子さんの生活安定・自立促進を支援する制度です。2010年8月より、母子家庭のみならず、父子家庭にも支給されるようになったので、ぜひ利用を検討しましょう。なお「児童扶養手当」は給付手当なので、貸付金ではありません。つまり、返済不要です!
3.福祉資金の「緊急小口資金」について
4つの支援資金から構成される「生活福祉資金貸付」。その中の1つである「福祉資金」に含まれる貸し付け制度が3つ目の「緊急小口資金」です。
「緊急小口資金」は、その名の通り、早急にお金が必要な際に受けられる貸し付け。10万円までの範囲内で、なおかつ無利子で借り入れることができます。
4.求職者支援制度の「資金融資制度」について
国の「求職者支援制度」の1つに「職業訓練受講給付金」があります。しかし、こちらの給付金を受けても生活費が足りず、満足に職業訓練を受講できないケースも。
そんな時に利用できる制度が4つ目の「資金融資制度」です。こちらは、ろうきん(労働金庫)の審査を受けてから利用できる融資制度の1つですね。
基本的には月5万円、同居配偶者などがいる方は月10 万円の上限で、貸し付けを受けられます。返済義務があり、就職したからといって返済義務が無くなるわけではない点にはご注意ください。
詳しくは最寄りのハローワークに問い合わせましょう。
求職者支援制度の「職業訓練受講給付金」とは?
求職者が安定した職業・収入を得るには「職業訓練」によるスキルアップがベターな方法です。けれど、雇用保険が受給できない方では、職業訓練中の経済状況が厳しくなることでしょう。そんなときに受給できるのが「職業訓練受講給付金」。求職者支援制度の1つです。
具体的な給付金(手当)は以下の2つです。
1. 職業訓練受講手当…月額10万円を給付
2. 通所手当…訓練がおこなわれる施設までの交通費を給付
なお「職業訓練受講給付金」は、「資金融資制度」と異なり返済の必要がありません。
「職業訓練受講給付金」…返済の必要なし。
「資金融資制度」…返済の必要あり。「職業訓練受講給付金」の対象者が利用できる。
と覚えておきましょう!
返済する必要のなし!給付金も覚えておこう
「公的貸付制度」のコーナーでも、いくつかの「給付金」をご紹介しました。「公的貸付制度」はあくまでも「貸し付け」なので、返済する必要があります。
しかし「給付金」については返済する必要はありません。
その意味でも「給付金」は、より福祉支援の目的に適った制度と言えるでしょう。
現在、低所得な方々がやむを得ず、高金利で民間業者からお金を借りてしまうケースがあります。月々の支払いがなおも家計を圧迫するだけでなく、これにより就業や職業訓練の機会が奪われるケースもあるのです。給付金をきちんと把握し、適切に利用することは極めて大切と言えます。
絶対に覚えておきたい給付金5つ
1.出産手当金
出産のために会社をお休みしても、給料が出ない会社は多いですよね。「出産手当金」は、産休中の収入減をカバーする目的で、健康保険から支給されるお金です。出産前後を安心して過ごすためにも、ぜひ受給したいですね。
具体的には、1日につき「標準報酬日額の2/3」に当たる金額を貰うことができます。また、給料が出ている場合でも、出産手当金より金額少ない場合は「給与との差額」を貰うことが可能です!
なお、支払いの日数範囲(期間)は「産前42日〜産後56日」となります。出産が予定日よりも遅れた場合には「遅れた分の日数」も支給されますよ。
2.出産育児一時金
少子化対策が叫ばれる昨今。赤ちゃんを安心して育てる環境&支援が不可欠となっています。赤ちゃんを育てるのはもちろん、実は出産時にもかなりのお金が必要。1人あたり数十万円の費用がかるのですね。
「出産育児一時金」は、分娩費用の負担を軽減する制度。赤ちゃん1人あたりの出産で42万円が支給されます。「健康保険への加入&妊娠85日以上での出産」が受給条件ですから、ほぼ全ての方が利用できることでしょう。
「出産育児一時金」は有名なので、制度を知らないママさんのほうが少ないかと思いますが、ママともで知らない方がいたら教えてあげてください。
3.育児休業給付
「育児休業」(育児休暇=育休)が、広く認知されたのはごく最近のこと。まだまだ、充分に「育児休業」される方は少ないようで、この点は、諸外国に比べても日本がまだまだ遅れている点といえそうです。
「育児休業給付金」は、育児休業中の家計を支えるための制度で、雇用保険の1つ。赤ちゃんが1歳になるまで(保育園入所ができないケースなどでは1歳6カ月まで)、お金が支給されます。
具体的な支給額としては「育休スタートから180日目(半年)まで」で月給の67%、「育休スタートから181日目以降」で月給の50%となります。
なお「育児休業給付金」は、ママだけで無くご主人の育休でも支給OK。さらに、ご夫婦で同時に育休をとる「パパ・ママ育休プラス」では、お子さんが1歳2カ月まで制度を利用することが可能です。
4.葬祭費給付金
葬儀には何かとお金がかかりますが、健康保険に加入している方はぜひとも「葬祭費給付金」を利用すべきです。
「葬祭費給付金」は、埋葬をおこなった人に対して「埋葬料」(もしくは家族埋葬料)が支給される制度。具体的には5万円の支給を受けることができますよ。
霊柩車、霊柩運搬、霊前供物、火葬、お坊さんへの謝礼なども支給対象と認められるため、ぜひ支給を申請してください。
5.介護休業給付
高齢化社会の到来は「介護」という新たな問題をクローズアップさせました。実際に、ご家族の介護を目的とした「介護休業」を取る方も増えているようです。
「介護休業制度」は、通算93日間の介護休業が取得できる制度。さらに、介護休業後に「介護休業給付金」を申請すれば、「休業開始時賃金日額×支給日数×40%」を受け取ることも可能です。ただし、会社から休業前給与の80%以上を貰っている場合には、申請できません。
6.臨時福祉給付金
2014年の消費税引き上げは記憶に新しいところ。正直、家計が不安…という方も多いことでしょう。「臨時福祉給付金」はその対応策で、主に低所得者の方を対象に3千円を支給。支給は1回のみですが、対象となる方はぜひとも受け取っておきたいですね。
なお、具体的な対象者は「2016年度分の住民税が課税されていない方」です。申請受付の期間や方法は、各市町村によって異なるので、気になる方はお住まいの役所にある「福祉課」などに問い合わせてみましょう。
7.高齢者向け給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)
経済政策をおこなってもその恩恵が及ばないケースも多いですが「高齢者」は特にその典型と言えます。
「高齢者向け給付金」はその対応策で、支給条件に当てはまる方に、対象者1人につき3万円を支給。支給は1回のみですが、対象となる皆様は忘れずに受け取りましょう。
なお支給条件は「2015年度分の住民税が課税されていない方」「2017年3月31日までに65歳以上になる方(昭和27年4月1日以前に生まれ)」の2点。