英国のEU離脱で株価は下がったけど今って投資の始めどき?
株価が下がったけど今って投資の始めどき?
時々 投資の記事を書いたり、SNSでも投資の話題に触れたりするせいか、たまにこういう質問を頂く事があります。
日経平均株価は堅調だけどリーマンショック以来6年半ぶりにノーポジションに戻しました。
まぁタイトルの通りですがw 今の株式市場は、 東証1部の時価総額がバブル期当時の時価総額を越えたり 日経平均株…
www.empowerments.jp
(投資したいなら、僕なんかに聞かなくても 今すぐにでも始めれば良いのに。。。)
そう思いつつも「待ってればそのウチ下がるので貯金しといた方が良いですよ」って答えるようにしてました。
だって、この質問の意図は「もっと下がったら嫌なんだけと、そこんとこどうなの?」でしょ?w
そう思ってるなら、もう下がりようが無いくらいに下がるのを待った方が良いですからね。
ところが ここに来て、英国のEU離脱(正確には離脱の是非を問う国民投票の結果で離脱が過半数となった)を受けて、株価が大幅に下落しちゃった訳ですよ。
で思ったのが、前述の「そのうち株は下がるので~」とお答えした皆さんのこと。
安易に投資を始めなきゃ良いけど~って心配になった次第です。
そこで今日は、今が投資の始めどきなのかどうか真面目にお答えしたいと思います。
目次
本来、投資を始めるのにベストなタイミングって有りません
株初心者向けの書籍やサイトの影響か、 株で儲けるには
安く買って高く売る
というのが常識だと思われちゃってます。
でもね。
本来、投資を始めるのにベストなタイミングってのは有りません。
なぜなら、
株は上がっても下がっても儲けれる
から。
実際、日経平均株価は2016年に入ってから約20%ほど下がってます(19,033.71円 →15,000円台)。
これに対して、僕の2016年以降の運用成績は6月現在の時点で既に確定ベースで 10% 以上の運用利回りを達成しています。
※実際の利回りは伏せますが、個人目標を年間運用利回り10%以上に設定してるのでw(これに加えて現在の持ち株は全て含み益)
今から株を始めたい方に送る3つの質問
全体的に株が下がってても儲けれるって何それ?じゃあ今すぐ始めたいわ~って方も居ると思います。
そんなあなたが、これから株で大やけどを追わないための「3つの質問」をご用意しましたので、ぜひ答えて見て下さい。
3つとも正解できた方は、今すぐ投資を始めても良いかもしれません。
それでは張りきってどうぞ!w
Q1. 6/9以降、株価が大きく下がった。それはなぜ?
最初の質問はこれです。
上の画像を見て頂くとお解りの通り、日経平均株価は6/9辺りから下げ始めていますよね。
この期間中に なぜ株価が下がったのか解りますか?
実は、ある程度長く投資をしている人にとってはこの下落はかなりの精度で予測できた内容でした(のハズw)。
実は長年 投資をしていると年に何度かは、こういった「ほぼ当たる予測」ができる場面というのに遭遇します。
こういった場面で「なぜ上がるのか」「なぜ下がるのか」が予測できれば、投資の運用成績はかなり良くなるのは当然ですよね?
A1. 3つの重要なイベントが要因でした。
6/9辺りから株価が大きく下がった原因ですが、「英国のEU離脱投票があって離脱すると経済にマイナスの影響を及ぼすから」では20点くらいですかねw
実は、6月半ば以降には市場に大きな影響を及ぼしそうな3つの重要なイベントが控えていました。
- 6/14-15 に米国の連邦公開市場委員会(FOMC)開催。
→ 【争点】米国で利上げがあれば、短期的には円安・株高となる可能性が高い。
→ 【結果】利上げは見送り(ただし市場の事前予想通り)
. - 6/16 日銀金融政策決定会合 開催。
→ 【争点】日銀が追加緩和(円安・株高誘導)を実施するかどうか。
→ 【結果】追加緩和は無し(追加緩和の期待があっただけに株価の反動も大きかった)
. - 6/23 英国のEU離脱投票(開票は日本時間6/24の朝から)
→ 【争点】英国の国民投票でEUからの離脱か残留かの是非を問う。
→ 【結果】投票結果は離脱(事前予想は残留だっただけに株価の反動も大きかった)
といった具合(さすがに英国のEU離脱は予想外でしたw)。
ここで特に注目して頂きたいのが「株価はイベント前から下がり始めている」点です。
大きなイベントの結果を受けて株価が上下するのは確かですが、今回の日経平均株価はイベントの前から下がり始めていますよね。
これは一体なぜでしょう?
これについては後で解説しますので、少し考えてみて下さいw
Q2. 株価は短期的に下がりそう。けど持ち株は売りたくない。どうする?
Q1でも少し触れましたが「ほぼ当たる予測」が可能な場面というのに遭遇することがあります。
(今回のケースは「短期的に株価は下がりそう」という場面ですね)
ところが、これに反して「株価は下がりそうだけど、今の持ち株は売りたくない」という事も多々あります。
例えば、
- かなり安いところで買っていて、まだまだ上昇の余地があるから
- もう少しで配当の権利が確定するから
といった具合。
こんな時にはどう対処すれば良いか知っていますか?
A2. 方法は主に3つあります。
短期的に株価は下がりそうだけど、持ち株は売りたくないという場合に、値下がりリスクを回避(リスクヘッジ)する方法がいくつかあります。
例えば、次の3つ。
- ポジション(立て玉)調整・・・持ち株の一部だけ売るなど投資資金量を調整する方法。
→ 持ち株を半分に減らすと、値下がりのダメージは半分に減るよねって話。
. - ヘッジ売り・・・持ち株を信用売りすることで値上がりしても値下がりしても値動きを相殺する方法。
→ これは「信用売り」が理解できてないと難しいですかね。。。あと信用売りの手数料(貸株料)が取られまする。
. - インバース(ベア)型ETF買い・・・日経平均が下がると値上がりするETFを利用して値下がりのダメージを吸収する方法。
→ 手持ちの株が指数の連動性が低い株の場合は効果が薄いことも。。。
それぞれメリット・デメリットがありますが、その時々の持ち株に応じて使い分ける事が出来れば、値下がりのダメージを軽減できるので運用生成はかなり改善します。
(予測精度が低いと逆に運用成績は下がりますけどねw)
Q3. 株価が下がる時に儲けれないの?
ここまでの説明を聞くと「短期的に株価は下がりそうだと分かるんなら、それで儲けれるんじゃね?」って思いますよね?
正解です。
では、どうすれば株価が下がる時に儲けられるんでしょう?
A3.もちろん可能です。ただし。。。
答えはもうお解りですね。
A2でも触れた、
- 信用売り
- インバース(ベア)型ETF買い
を使えば、株価が下がることでも利益を出す事が可能です。
売りのタイミングは想像以上に難しい
ただし、投資の格言に「上げ100日、下げ3日」というのがあるように、下げる時は短期間に一気に下げた後 すぐに反転しますので、上手くタイミングを計れるようになるには知識と経験が必要になります。
信用売りはマイナススタート
加えて、信用売りの場合は手数料(貸株料)分のマイナスからスタートすることになりますので、予想が外れた時のダメージも手数料分が上乗せされるというデメリットがあります(利益が出た場合も手数料分だけ儲けが減ります)w
ETFは購買余力を消費する
また、インバース(ベア)型ETFの場合は現物の買付余力(どれだけ株を買えるか)を消費するので、手持ちの株を目一杯買っているとETFが買えないという事態も起こり得ます。
(まぁ信用取引で買えば良いんですけど)
といったデメリットを踏まえた上でもいけると思える瞬間以外では手を出さない方が無難ですw
捕捉. 3つの質問は密接に関係している
以上、3つの質問に正解する事はできましたか?
株をある程度やってる人には当たり前の話ですが、上の3つの質問は密接に絡んでいてA1でも触れた「大きなイベントのの前から下がり始めている理由」とも繋がってきます。
市場に大きな影響を及ぼしそうなイベントが控えている場面では、
- 無駄にリスクは取りたくない人・・・イベント前にリスク回避(ポジション調整、或いはヘッジ売り)に走る。
- 下げ予想で利益を取りたい人・・・利益を取るためにイベント前に信用売り。
この2つの流れでイベント前から株価は下がり始めるという訳です。
(もちろん動かないこともありますけどね)
最後に
以上の内容は、市場に参加している人達の思惑で需要と供給の関係が変わり、その需給関係によって株価は動くという事でもあります。
ここが理解できていれば不用意に株を買う事も減りますし、値下がりリスクを押さえることで全体の運用成績をかなり改善する事が可能となります。
もちろん投資で儲けるためにはそれ以外にも沢山学ぶことがありますが、それでも投資を始めたいという方は「始め時かどうか」なんて考えずに今すぐチャレンジしてみると良いんじゃないでしょうか。
(なんせ株価が上がっても下がっても儲けるチャンスはあるので)
ただし、英国のEU離脱を受けて 今後の値動きを予測するのがかなり難しい状況ですし、かなり乱高下するのは間違いないので初心者には厳しい相場になると思われます。
加えて、
- 欧州問題の長期化(欧州金融機関の財務問題も含む)
- 中国の債務超過と成長の減速(既にマイナス成長の噂も)
- 米国の利上げ懸念(先伸ばしも含めて)
などなど世界経済に対するリスクは積み上がるばかりですので、それなりの覚悟を持って臨んで下さい。
(できれば値動きに飛び付くのは辞めて、しばらく色々なイベントとそれに伴う市場の値動きを眺めてみることをおすすめします。)
最後に1つ。
値段だけを見て動くのが最大のリスクである
以上、参考になれば幸いです。