【デザイナー伝授!】Photoshopで人物写真を補正する時に使えるテクニックまとめ 2015年6月19日 / Photoshop デザイナー Tweet Photoshopといえば画像の作成や加工に欠かせませんが、写真のレタッチ 機能の高さは特に秀逸なところです。 この写真のレタッチのなかでも、「人物写真」を補正するときに使える テクニックを補正箇所ごとにご紹介します。 目次1 補正を行う際に必要な共通テクニック1.1 補正箇所だけを選択範囲にする「クイックマスク」1.2 補正箇所の選択範囲をコピーしたレイヤーを作成する1.3 髪の毛など微細な選択範囲の[境界線の調整]2 ホクロ、シミ、シワの除去に使えるテクニック2.1 [スポット修復ブラシ]による補正2.2 [修復ブラシ]による補正3 肌の補正に使えるテクニック3.1 肌をなめらかに(1)ぼかし+ノイズ3.2 肌をなめらかに(2)ハイパス+階調の反転3.3 肌をなめらかに(3)HDRトーン4 肌の色を変えるテクニック4.1 「自然な彩度」で肌の色を明るく(色白)する4.2 [露光量]+[レンズフィルター]で日焼け肌(褐色)にする5 陰影を調整するテクニック5.1 [色域指定]で影を強調する6 口元の補正に使えるテクニック6.1 [自然な彩度]で歯を白くする6.2 [ぼかし]+[修復ブラシ]で唇の縦ジワを抑える7 目元の補正に使えるテクニック7.1 [オーバーレイ]で目に自然な光を追加する7.2 [カラーバランス]で瞳の色を変える8 輪郭・鼻の補正に使えるテクニック8.1 [ゆがみ]で輪郭を補正する8.2 [ゆがみ]+[覆い焼きツール/焼き込みツール]で鼻を高くする9 髪の補正に使えるテクニック9.1 [スクリーン]で髪にツヤを与える9.2 [色相・彩度]で髪の色を変える10 体型を補正するテクニック10.1 [パペットワープ]で足を長くする10.2 [パペットワープ]でウエストを細くする11 服を補正・加工するテクニック11.1 [色相・彩度]で服の色を変える12 まとめ 補正を行う際に必要な共通テクニック 補正箇所だけを選択範囲にする「クイックマスク」 人のパーツを選択する際、多くの場合、直線や曲線のようなはっきりとした ラインでは範囲を囲い切れません。 このような複雑なパーツを選択する際にはクイックマスクが便利です。 [手順] 1.ツールボックスの[クイックマスクモードで編集]をクリックします。 2.ツールボックスの[ブラシツール]をクリックします。 ブラシの色は初期設定の黒と白にしてください。 3.補正したい箇所をブラシの黒でドラッグします。 塗った部分が赤くなります。塗りすぎた場合は白で戻します。 4.必要範囲を塗ってしまったら再度[クイックマスクモードで編集] をクリックし、解除します。 5.解除すると選択範囲が表示されますが黒で塗らなかった部分が 選択範囲になっていますので、[選択範囲]→[選択範囲を反転] (Shift+Ctrl+I)で選択範囲を反転します。 補正箇所の選択範囲をコピーしたレイヤーを作成する 補正は度合いの加減が難しく、大幅に変えてしまうと不自然になる 場合もあります。原型を残しておくためレイヤーで作業しておきましょう。 また元画像と重ね合わせてブレンドする使い方もでき、補正の幅が 広がります。 [手順] 1.補修箇所を[クイックマスク]ツールなどを使用して選択範囲にします。 2.[レイヤー]→[新規]→[選択範囲をコピーしたレイヤー](Ctrl+J)で 選択範囲のコピーレイヤーを作成します。 髪の毛など微細な選択範囲の[境界線の調整] 人のパーツで選択範囲の指定が複雑なものといえばやはり「髪の毛」 ですよね。肌を選択する場合にも前髪や生え際など髪と接する部分を上手く 選択する方法です。 [手順] 1.補修箇所を[クイックマスク]ツールなどを使用して選択範囲にします。 2.[自動選択ツール](選択系のツールならどれでもOK)で[境界線を調整]を クリック、ダイアログを起動します。 3.表示モードのプルダウンを「オーバーレイ」にし、オプションバーで ブラシサイズを調整します。 4.肌と髪の毛が接するところをドラッグし、赤色をなじませ[OK]を クリックすれば髪の毛部分がギザギザにならない選択範囲ができます。 ホクロ、シミ、シワの除去に使えるテクニック ホクロやシミなどを自然に除去するテクニックです。 [スポット修復ブラシ]による補正 凹凸の無い小さなホクロや写真のゴミ等を除去であれば、 ツールボックスの[スポット修復ブラシ]で簡単に除去できます。 [手順] 1.修正したい画像のレイヤーを複製します。 2.ツールボックスの[スポット修復ブラシ]を選択します。 2.オプションバーでブラシサイズをホクロなどの除去したい箇所より 少し大きくします。 3.ブラシで複製レイヤーの除去したい箇所をクリックします。 すべて除去したらレイヤーを結合します。 [修復ブラシ]による補正 ホクロやシミ、シワを除去します。スポット修復ブラシよりも少し広範囲の 補正ができます。 [手順] 1.修正したい画像のレイヤーを複製します。 2.ツールボックスの[修復ブラシ]を選択します。 2.Altを押しながらサンプルにする部分(ホクロなどの無い部分の肌)を ドラッグします。 3.ブラシで複製レイヤーの除去したい箇所をドラッグします。 すべて除去したらレイヤーを結合します。 <こんな使い方も> 除去ではなく、逆にシミやホクロなどをサンプル箇所にすればシミや ホクロを別の場所に増やす逆レタッチもできます。 肌の補正に使えるテクニック 肌の質感を残しながら、人の肌を補正するテクニックです。 肌をなめらかに(1)ぼかし+ノイズ 肌全体をツルっとなめらかにします。 補正力は強いですが、不自然にならないようぼかしの度合いをプレビュー で確認しながら行います。 [手順] 1.補修箇所を[クイックマスクモード]などを使用して選択範囲にします。 鼻や目などそのまま残す部分は除きます。 2.選択範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J) 3.[フィルター]→[ぼかし(ガウス)]で選択範囲をぼかします。 4.なめらかになりすぎるので[フィルター]→[ノイズ]→[ノイズを加える] で、ノイズを加え完成です。 肌をなめらかに(2)ハイパス+階調の反転 広範囲なシミそばかすやザラつきを隠します。 ソフトで自然な仕上がりなので、色の濃いシミなどは修復ブラシで除去して 行うとより効果的です。 [手順] 1.加工を行う画像のレイヤーを複製します。 2.複製したレイヤーを[フィルター]→[その他]→[ハイパス]とし、ハイパス フィルタを掛け、このレイヤーのモードを[オーバーレイ]にします。 3.[イメージ]→[色調補正]→[階調の反転](Ctrl+I)で階調を反転します。 4.レイヤーにAltを押しながらマスクを追加します。 (Altを押しながら[マスクを追加]ボタンをクリック) 5.追加したマスク上の補修箇所(肌)を白のブラシ(不透明度40~60程度) でドラッグします。 肌をなめらかに(3)HDRトーン 毛穴や細かいザラつきなどを自然にぼかして、柔らかくソフトな肌にします。 肌の色味はそのままですので、自然に肌をきれいに見せます。 [手順] 1.[イメージ]→[色調補正]→[HDRトーン]をクリックし、HDRトーンダイアログを 起動します。 2.初期設定は彩度とディテールを高くする(精度を上げくっきり見せる)設定に なっていますので彩度を元のイメージ通り0%に、ディテールはマイナス以下の 数値まで下げます。元のイメージより色味を強く感じる場合は自然な彩度の数値を 下げて調整します。 肌の色を変えるテクニック シーンや服装などによって、場に映える肌の色は違います。 実際にメイクや日焼けをせずに色白に見せたり、褐色に見せる方法です。 「自然な彩度」で肌の色を明るく(色白)する 明るい色白の肌にします。 [手順] 1.人物の肌の部分だけを選択します。 選択範囲を作る際に目は除いておきます。 2.[レイヤー]→[新規]→[選択範囲をコピーしたレイヤー](Ctrel+J)で 選択範囲のみをコピーしたレイヤーを作成し、レイヤーのモードを スクリーンにします。 3.[イメージ]→[色調補正]→[自然な彩度]で自然な彩度の数値を下げます。 4.唇の血色が悪く感じる場合は[焼き込みツール]で唇をドラッグし、色味を足して 完成です。 [露光量]+[レンズフィルター]で日焼け肌(褐色)にする 日に焼けたような褐色の肌にします。 [手順] 1.補正する画像のレイヤーを複製します。 2.複製したレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[露光量]でダイアログを 起動し、ガンマの数値を下げます。(図例では0.7) 3.人物の肌部分だけを選択範囲にします。 目は除いておきます。唇はメイクの色味や地肌かによって選択範囲に含むか どうかを判断してください。目安として濃い色の口紅をつけている場合などは 唇は除き、ノーメイクの場合や肌の色に近い色の口紅やグロスのみの場合は 唇も範囲に含んだ方が自然ですが、イメージと狙った効果で判断して下さい。 図例では肌色と近いため選択範囲に含みました。 3.[イメージ]→[色調補正]→[レンズフィルター]でダイアログを起動し、 「輝度を保持」のチェックを外し、任意の褐色を重ねます。 4.唇に[覆い焼きツール]でハイライトを入れ、完成です。 陰影を調整するテクニック [色域指定]で影を強調する 影の部分だけを強調し、自然なコントラストを付けます。 中間色に変化がないので画像全体のコントラストを上げるよりも自然です。 [手順] 1.人物の部分だけを選択範囲に指定します。 2.[選択範囲]→[色域指定]で色域指定ダイアログを起動します。 [選択]項目を「シャドウ」にし、OKをクリックします。 3.[イメージ]→[色調補正]で明るさを下げます。 4.境界がくっきり出すぎた部分を[ぼかしツール]でぼかして完成です 口元の補正に使えるテクニック [自然な彩度]で歯を白くする 歯の黄ばみを取り、歯を白くします。 [手順] 1.歯の部分のみを選択範囲にします。 2.歯を選択した範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J) 3.作成したレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[自然な彩度]で自然な 彩度の数値を下げます。 4.よりツヤを出したい場合は[覆い焼きツール]で光沢部分にハイライトを 足し完成です。 [ぼかし]+[修復ブラシ]で唇の縦ジワを抑える 唇の縦ジワを抑え、ふっくらとした唇にします。 [手順] 1.唇の部分だけを[クイックマスク]ツールなどで選択範囲にします。 2.唇を選択した範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J) 3.作成したレイヤーで[フィルター]→[ぼかし(ガウス)]をクリックし ダイアログを起動します。唇の立体感を失わない程度に数値を調整します。 4.光沢や陰影部分を足して立体感を出す場合は、[修復ブラシ]で光沢や陰影を Altでサンプル元にし、足したい箇所をドラッグします。 目元の補正に使えるテクニック [オーバーレイ]で目に自然な光を追加する アイキャッチの無い画像に光を追加します。 [手順] 1.瞳の部分だけを[クイックマスク]ツールなどで選択範囲にします。 2.瞳を選択した範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J) 3.[スポイトツール]で画像の白目部分の色を抽出し、瞳レイヤーの 光を入れたい箇所に[ブラシツール]の描画モード[オーバーレイ]で ペイントします。不透明度を低くし、明るさの段階によって塗り 重ねる(明るいところは何度か塗り重ねて明るくし段階をつける) と自然に仕上がります。 [カラーバランス]で瞳の色を変える カラーコンタクトを入れたように瞳の色を変えます。 [手順] 1.瞳の部分だけを[クイックマスク]ツールなどで選択範囲にします。 2.瞳を選択した範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J) 3.作成したレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[白黒]で一旦瞳を モノクロにします。 4.[イメージ]→[色調補正]→[カラーバランス]で好きな色味に変更 します。 5.かなり鮮やかな瞳になっているので、[イメージ]→[色調補正]→ [色相・彩度]で彩度、明度を落として調整します。 輪郭・鼻の補正に使えるテクニック [ゆがみ]で輪郭を補正する 輪郭を補正します。皮膚のたるみなどにも有効です。 [手順] 1.補正する画像のレイヤーを複製します。 2.複製したレイヤーで[フィルター]→[ゆがみ](Shift+Ctrl+X)で ダイアログを起動します。 3.ダイアログが起動したらブラシが表示されますので、ブラシで変形したい 箇所を変形したい位置へドラッグします。一気にやると極端に変形して しまうので少しずつ行うことがポイントです。 [ゆがみ]+[覆い焼きツール/焼き込みツール]で鼻を高くする 鼻の形を補正し、高く見せます。 [手順] 1.補正する画像のレイヤーを複製します。 2.複製したレイヤーで[フィルター]→[ゆがみ](Shift+Ctrl+X)で ダイアログを起動します。 3.ダイアログが起動したらブラシが表示されますので、ブラシで変形したい 箇所を変形したい位置へドラッグします。ブラシを小さめにして少しずつ 行うことがポイントです。 4.[覆い焼きツール]で鼻のトップのハイライトを[焼き込みカラー]で 鼻周りの影をドラッグし陰影をつけるとより高さが強調できます。 どちらもやりすぎるとメイクのようになってしまうので不透明度を低くし (図例は30%)軽く足すと自然に仕上がります。 髪の補正に使えるテクニック [スクリーン]で髪にツヤを与える 髪に光沢を足し、ツヤのある髪にします。 [手順] 1.髪の毛部分だけを選択範囲にします。 2.選択範囲をコピーしたレイヤーを作ります。(Ctrl+J) 3.コピーしたレイヤーのモードを「スクリーン」にします。 4.Altを押しながらレイヤーマスクを追加します。 5.追加したレイヤーマスクをクリックし、ブラシの白で 光沢を入れたい部分をドラッグします。 (図例では通常モード・不透明度30%のブラシを使用) 最初に大きめのブラシで光沢を入れる全体を描き、少しブラシの 場所を小さくしてさらに上から重ねれば、より明るい光を入れる ことが出来、光沢に段階をつけることが出来ます。 [色相・彩度]で髪の色を変える ヘアカラーをしたように、髪の毛だけを色を変えます。 [手順] 1.髪の毛だけを選択範囲にします。 [クイック選択ツール]などで大まかに選択し、[境界線を調整]ダイアログで 細部を調整すると選択しやすいです。 出力する際に出力先を[新規レイヤー(レイヤーマスクあり)]にしておくと 髪の毛部分だけのレイヤーが作成できます。 2.髪の毛部分のレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[色相・彩度]を起動 します。[色彩の統一]にチェックを入れ、任意の髪の色に変更します。 3.選択範囲に顔周りの影などを含んでしまう場合があるので、不要な部分は [消しゴム]でレイヤーから除いて完成です。 体型を補正するテクニック 足を長くする、ウエストを細くするなど体型の悩みをカバーする テクニックです。紹介のテクニックは白背景や混み合っていない自然の 風景などシンプルな背景向けです。 (複雑な背景の場合、不自然になる場合があります。) [パペットワープ]で足を長くする 足の部分だけを下方向に伸ばし、足を長くします。 [手順] 1.補正する画像のレイヤーを複製します。 2.複製したレイヤーで[編集]→[パペットワープ]をクリックします。 3.メッシュが掛かり、ピンが表示されますので、太ももの付け根と 足首の辺りにピンを打ちます。 4.ピンはクリックする(○が◎になる)と動かせるようになるので 足首のピンをクリックして下に向かってドラッグします。 [パペットワープ]でウエストを細くする ウエストのくびれを強調する部分のみを内側に動かし、ウエストを 細くします。 [手順] 1.補正する画像のレイヤーを複製します。 2.複製したレイヤーで[編集]→[パペットワープ]をクリックします。 3.メッシュが掛かり、ピンが表示されますので、ウエストのラインに 合わせてピンを打ちます。 4.ピンはクリックする(○が◎になる)と動かせるようになるので 細くするためには外から内側へ動かせるようにピンを配置します。 5.可動ピンを内側に向けてドラッグします。 固定ピンと可動ピンを入れ替えながら片方ずつ行います。 服装によっては(スカートの裾など)形状が多少変わっても不自然に ならないものであれば少し膨らみを持たせるとよりウエストの細さが 強調できます。 服を補正・加工するテクニック 服の色のみを変更するテクニックです。 アパレルなどのカラー展開イメージなどにも便利ですね。 [色相・彩度]で服の色を変える [手順] 1.服の部分のみを選択範囲にします。 単色の服であれば[クイック選択ツール]で選択できる場合もありますが、 色柄などであればペンツールでパスを作成し、選択範囲を作成します。 髪の毛と接する部分など細部は[境界線を調整]で調整します。 2.選択範囲をコピーしてレイヤーを作成します。(Ctrl+J) 3.作成したレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[色相・彩度] ダイアログを起動し、[色彩の統一]にチェックを入れ、任意の色に 変更します。 まとめ いかがでしたか? 補正はツールの使い方によって類似した効果でも方法は様々ですし、 もちろん応用して別の補正に使うことも可能です。 補正する度合いや、狙った効果、被写体の性別など、それぞれの場面に 合わせて試してみてください。 本サイトが運営するWebデザインのオンラインスクールが公開中! まずは無料トライアル! 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【デザイナー伝授!】Photoshopで人物写真を補正する時に使えるテクニックまとめ
Photoshopといえば画像の作成や加工に欠かせませんが、写真のレタッチ
機能の高さは特に秀逸なところです。
この写真のレタッチのなかでも、「人物写真」を補正するときに使える
テクニックを補正箇所ごとにご紹介します。
目次
補正を行う際に必要な共通テクニック
補正箇所だけを選択範囲にする「クイックマスク」
人のパーツを選択する際、多くの場合、直線や曲線のようなはっきりとした
ラインでは範囲を囲い切れません。
このような複雑なパーツを選択する際にはクイックマスクが便利です。
[手順]
1.ツールボックスの[クイックマスクモードで編集]をクリックします。
2.ツールボックスの[ブラシツール]をクリックします。
ブラシの色は初期設定の黒と白にしてください。
3.補正したい箇所をブラシの黒でドラッグします。
塗った部分が赤くなります。塗りすぎた場合は白で戻します。
4.必要範囲を塗ってしまったら再度[クイックマスクモードで編集] をクリックし、解除します。
5.解除すると選択範囲が表示されますが黒で塗らなかった部分が
選択範囲になっていますので、[選択範囲]→[選択範囲を反転] (Shift+Ctrl+I)で選択範囲を反転します。
補正箇所の選択範囲をコピーしたレイヤーを作成する
補正は度合いの加減が難しく、大幅に変えてしまうと不自然になる
場合もあります。原型を残しておくためレイヤーで作業しておきましょう。
また元画像と重ね合わせてブレンドする使い方もでき、補正の幅が
広がります。
[手順]
1.補修箇所を[クイックマスク]ツールなどを使用して選択範囲にします。
2.[レイヤー]→[新規]→[選択範囲をコピーしたレイヤー](Ctrl+J)で
選択範囲のコピーレイヤーを作成します。
髪の毛など微細な選択範囲の[境界線の調整]
人のパーツで選択範囲の指定が複雑なものといえばやはり「髪の毛」
ですよね。肌を選択する場合にも前髪や生え際など髪と接する部分を上手く
選択する方法です。
[手順]
1.補修箇所を[クイックマスク]ツールなどを使用して選択範囲にします。
2.[自動選択ツール](選択系のツールならどれでもOK)で[境界線を調整]を
クリック、ダイアログを起動します。
3.表示モードのプルダウンを「オーバーレイ」にし、オプションバーで
ブラシサイズを調整します。
4.肌と髪の毛が接するところをドラッグし、赤色をなじませ[OK]を
クリックすれば髪の毛部分がギザギザにならない選択範囲ができます。
ホクロ、シミ、シワの除去に使えるテクニック
ホクロやシミなどを自然に除去するテクニックです。
[スポット修復ブラシ]による補正
凹凸の無い小さなホクロや写真のゴミ等を除去であれば、
ツールボックスの[スポット修復ブラシ]で簡単に除去できます。
[手順]
1.修正したい画像のレイヤーを複製します。
2.ツールボックスの[スポット修復ブラシ]を選択します。
2.オプションバーでブラシサイズをホクロなどの除去したい箇所より
少し大きくします。
3.ブラシで複製レイヤーの除去したい箇所をクリックします。
すべて除去したらレイヤーを結合します。
[修復ブラシ]による補正
ホクロやシミ、シワを除去します。スポット修復ブラシよりも少し広範囲の
補正ができます。
[手順]
1.修正したい画像のレイヤーを複製します。
2.ツールボックスの[修復ブラシ]を選択します。
2.Altを押しながらサンプルにする部分(ホクロなどの無い部分の肌)を
ドラッグします。
3.ブラシで複製レイヤーの除去したい箇所をドラッグします。
すべて除去したらレイヤーを結合します。
<こんな使い方も>
除去ではなく、逆にシミやホクロなどをサンプル箇所にすればシミや
ホクロを別の場所に増やす逆レタッチもできます。
肌の補正に使えるテクニック
肌の質感を残しながら、人の肌を補正するテクニックです。
肌をなめらかに(1)ぼかし+ノイズ
肌全体をツルっとなめらかにします。
補正力は強いですが、不自然にならないようぼかしの度合いをプレビュー
で確認しながら行います。
[手順]
1.補修箇所を[クイックマスクモード]などを使用して選択範囲にします。
鼻や目などそのまま残す部分は除きます。
2.選択範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J)
3.[フィルター]→[ぼかし(ガウス)]で選択範囲をぼかします。
4.なめらかになりすぎるので[フィルター]→[ノイズ]→[ノイズを加える] で、ノイズを加え完成です。
肌をなめらかに(2)ハイパス+階調の反転
広範囲なシミそばかすやザラつきを隠します。
ソフトで自然な仕上がりなので、色の濃いシミなどは修復ブラシで除去して
行うとより効果的です。
[手順]
1.加工を行う画像のレイヤーを複製します。
2.複製したレイヤーを[フィルター]→[その他]→[ハイパス]とし、ハイパス
フィルタを掛け、このレイヤーのモードを[オーバーレイ]にします。
3.[イメージ]→[色調補正]→[階調の反転](Ctrl+I)で階調を反転します。
4.レイヤーにAltを押しながらマスクを追加します。
(Altを押しながら[マスクを追加]ボタンをクリック)
5.追加したマスク上の補修箇所(肌)を白のブラシ(不透明度40~60程度)
でドラッグします。
肌をなめらかに(3)HDRトーン
毛穴や細かいザラつきなどを自然にぼかして、柔らかくソフトな肌にします。
肌の色味はそのままですので、自然に肌をきれいに見せます。
[手順]
1.[イメージ]→[色調補正]→[HDRトーン]をクリックし、HDRトーンダイアログを
起動します。
2.初期設定は彩度とディテールを高くする(精度を上げくっきり見せる)設定に
なっていますので彩度を元のイメージ通り0%に、ディテールはマイナス以下の
数値まで下げます。元のイメージより色味を強く感じる場合は自然な彩度の数値を
下げて調整します。
肌の色を変えるテクニック
シーンや服装などによって、場に映える肌の色は違います。
実際にメイクや日焼けをせずに色白に見せたり、褐色に見せる方法です。
「自然な彩度」で肌の色を明るく(色白)する
明るい色白の肌にします。
[手順]
1.人物の肌の部分だけを選択します。
選択範囲を作る際に目は除いておきます。
2.[レイヤー]→[新規]→[選択範囲をコピーしたレイヤー](Ctrel+J)で
選択範囲のみをコピーしたレイヤーを作成し、レイヤーのモードを
スクリーンにします。
3.[イメージ]→[色調補正]→[自然な彩度]で自然な彩度の数値を下げます。
4.唇の血色が悪く感じる場合は[焼き込みツール]で唇をドラッグし、色味を足して
完成です。
[露光量]+[レンズフィルター]で日焼け肌(褐色)にする
日に焼けたような褐色の肌にします。
[手順]
1.補正する画像のレイヤーを複製します。
2.複製したレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[露光量]でダイアログを
起動し、ガンマの数値を下げます。(図例では0.7)
3.人物の肌部分だけを選択範囲にします。
目は除いておきます。唇はメイクの色味や地肌かによって選択範囲に含むか
どうかを判断してください。目安として濃い色の口紅をつけている場合などは
唇は除き、ノーメイクの場合や肌の色に近い色の口紅やグロスのみの場合は
唇も範囲に含んだ方が自然ですが、イメージと狙った効果で判断して下さい。
図例では肌色と近いため選択範囲に含みました。
3.[イメージ]→[色調補正]→[レンズフィルター]でダイアログを起動し、
「輝度を保持」のチェックを外し、任意の褐色を重ねます。
4.唇に[覆い焼きツール]でハイライトを入れ、完成です。
陰影を調整するテクニック
[色域指定]で影を強調する
影の部分だけを強調し、自然なコントラストを付けます。
中間色に変化がないので画像全体のコントラストを上げるよりも自然です。
[手順]

1.人物の部分だけを選択範囲に指定します。
2.[選択範囲]→[色域指定]で色域指定ダイアログを起動します。
[選択]項目を「シャドウ」にし、OKをクリックします。
3.[イメージ]→[色調補正]で明るさを下げます。
4.境界がくっきり出すぎた部分を[ぼかしツール]でぼかして完成です
口元の補正に使えるテクニック
[自然な彩度]で歯を白くする
歯の黄ばみを取り、歯を白くします。
[手順]
1.歯の部分のみを選択範囲にします。
2.歯を選択した範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J)
3.作成したレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[自然な彩度]で自然な
彩度の数値を下げます。
4.よりツヤを出したい場合は[覆い焼きツール]で光沢部分にハイライトを
足し完成です。
[ぼかし]+[修復ブラシ]で唇の縦ジワを抑える
唇の縦ジワを抑え、ふっくらとした唇にします。
[手順]

1.唇の部分だけを[クイックマスク]ツールなどで選択範囲にします。
2.唇を選択した範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J)
3.作成したレイヤーで[フィルター]→[ぼかし(ガウス)]をクリックし
ダイアログを起動します。唇の立体感を失わない程度に数値を調整します。
4.光沢や陰影部分を足して立体感を出す場合は、[修復ブラシ]で光沢や陰影を
Altでサンプル元にし、足したい箇所をドラッグします。
目元の補正に使えるテクニック
[オーバーレイ]で目に自然な光を追加する
アイキャッチの無い画像に光を追加します。
[手順]
1.瞳の部分だけを[クイックマスク]ツールなどで選択範囲にします。
2.瞳を選択した範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J)
3.[スポイトツール]で画像の白目部分の色を抽出し、瞳レイヤーの
光を入れたい箇所に[ブラシツール]の描画モード[オーバーレイ]で
ペイントします。不透明度を低くし、明るさの段階によって塗り
重ねる(明るいところは何度か塗り重ねて明るくし段階をつける)
と自然に仕上がります。
[カラーバランス]で瞳の色を変える
カラーコンタクトを入れたように瞳の色を変えます。
[手順]

1.瞳の部分だけを[クイックマスク]ツールなどで選択範囲にします。
2.瞳を選択した範囲をコピーしたレイヤーを作成します。(Ctrl+J)
3.作成したレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[白黒]で一旦瞳を
モノクロにします。
4.[イメージ]→[色調補正]→[カラーバランス]で好きな色味に変更
します。
5.かなり鮮やかな瞳になっているので、[イメージ]→[色調補正]→
[色相・彩度]で彩度、明度を落として調整します。
輪郭・鼻の補正に使えるテクニック
[ゆがみ]で輪郭を補正する
輪郭を補正します。皮膚のたるみなどにも有効です。
[手順]
1.補正する画像のレイヤーを複製します。
2.複製したレイヤーで[フィルター]→[ゆがみ](Shift+Ctrl+X)で
ダイアログを起動します。
3.ダイアログが起動したらブラシが表示されますので、ブラシで変形したい
箇所を変形したい位置へドラッグします。一気にやると極端に変形して
しまうので少しずつ行うことがポイントです。
[ゆがみ]+[覆い焼きツール/焼き込みツール]で鼻を高くする
鼻の形を補正し、高く見せます。
[手順]
1.補正する画像のレイヤーを複製します。
2.複製したレイヤーで[フィルター]→[ゆがみ](Shift+Ctrl+X)で
ダイアログを起動します。
3.ダイアログが起動したらブラシが表示されますので、ブラシで変形したい
箇所を変形したい位置へドラッグします。ブラシを小さめにして少しずつ
行うことがポイントです。
4.[覆い焼きツール]で鼻のトップのハイライトを[焼き込みカラー]で
鼻周りの影をドラッグし陰影をつけるとより高さが強調できます。
どちらもやりすぎるとメイクのようになってしまうので不透明度を低くし
(図例は30%)軽く足すと自然に仕上がります。
髪の補正に使えるテクニック
[スクリーン]で髪にツヤを与える
髪に光沢を足し、ツヤのある髪にします。
[手順]
1.髪の毛部分だけを選択範囲にします。
2.選択範囲をコピーしたレイヤーを作ります。(Ctrl+J)
3.コピーしたレイヤーのモードを「スクリーン」にします。
4.Altを押しながらレイヤーマスクを追加します。
5.追加したレイヤーマスクをクリックし、ブラシの白で
光沢を入れたい部分をドラッグします。
(図例では通常モード・不透明度30%のブラシを使用)
最初に大きめのブラシで光沢を入れる全体を描き、少しブラシの
場所を小さくしてさらに上から重ねれば、より明るい光を入れる
ことが出来、光沢に段階をつけることが出来ます。
[色相・彩度]で髪の色を変える
ヘアカラーをしたように、髪の毛だけを色を変えます。
[手順]
1.髪の毛だけを選択範囲にします。
[クイック選択ツール]などで大まかに選択し、[境界線を調整]ダイアログで
細部を調整すると選択しやすいです。
出力する際に出力先を[新規レイヤー(レイヤーマスクあり)]にしておくと
髪の毛部分だけのレイヤーが作成できます。
2.髪の毛部分のレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[色相・彩度]を起動
します。[色彩の統一]にチェックを入れ、任意の髪の色に変更します。
3.選択範囲に顔周りの影などを含んでしまう場合があるので、不要な部分は
[消しゴム]でレイヤーから除いて完成です。
体型を補正するテクニック
足を長くする、ウエストを細くするなど体型の悩みをカバーする
テクニックです。紹介のテクニックは白背景や混み合っていない自然の
風景などシンプルな背景向けです。
(複雑な背景の場合、不自然になる場合があります。)
[パペットワープ]で足を長くする
足の部分だけを下方向に伸ばし、足を長くします。
[手順]
1.補正する画像のレイヤーを複製します。
2.複製したレイヤーで[編集]→[パペットワープ]をクリックします。
3.メッシュが掛かり、ピンが表示されますので、太ももの付け根と
足首の辺りにピンを打ちます。
4.ピンはクリックする(○が◎になる)と動かせるようになるので
足首のピンをクリックして下に向かってドラッグします。
[パペットワープ]でウエストを細くする
ウエストのくびれを強調する部分のみを内側に動かし、ウエストを
細くします。
[手順]
1.補正する画像のレイヤーを複製します。
2.複製したレイヤーで[編集]→[パペットワープ]をクリックします。
3.メッシュが掛かり、ピンが表示されますので、ウエストのラインに
合わせてピンを打ちます。
4.ピンはクリックする(○が◎になる)と動かせるようになるので
細くするためには外から内側へ動かせるようにピンを配置します。
5.可動ピンを内側に向けてドラッグします。
固定ピンと可動ピンを入れ替えながら片方ずつ行います。
服装によっては(スカートの裾など)形状が多少変わっても不自然に
ならないものであれば少し膨らみを持たせるとよりウエストの細さが
強調できます。
服を補正・加工するテクニック
服の色のみを変更するテクニックです。
アパレルなどのカラー展開イメージなどにも便利ですね。
[色相・彩度]で服の色を変える
[手順]
1.服の部分のみを選択範囲にします。
単色の服であれば[クイック選択ツール]で選択できる場合もありますが、
色柄などであればペンツールでパスを作成し、選択範囲を作成します。
髪の毛と接する部分など細部は[境界線を調整]で調整します。
2.選択範囲をコピーしてレイヤーを作成します。(Ctrl+J)
3.作成したレイヤーで[イメージ]→[色調補正]→[色相・彩度] ダイアログを起動し、[色彩の統一]にチェックを入れ、任意の色に
変更します。
まとめ
いかがでしたか?
補正はツールの使い方によって類似した効果でも方法は様々ですし、
もちろん応用して別の補正に使うことも可能です。
補正する度合いや、狙った効果、被写体の性別など、それぞれの場面に
合わせて試してみてください。
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