日本テレビの視聴率好調が続いている。その要因を取材していくと、視聴者の興味を惹きつけるバラエティー番組のある戦略が見えてきた。ヒット番組を数多く生み出す、その”成長戦略”の秘密とは? テレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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「3年連続の視聴率三冠間違いなし」と言われる絶好調の日テレを支えているのは夜のバラエティー番組です。それは『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』(以下『イッテQ』)『行列のできる法律相談所』(同『行列』)『おしゃれイズム』と続く盤石の日曜だけではありません。
月曜の『世界まる見え!テレビ特捜部』、火曜の『踊る!さんま御殿!!』、水曜の『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(以下『笑コラ』)、木曜の『ぐるぐるナインティナイン』、金曜の『究極の○×クイズSHOW!!超問!真実か?ウソか?』、土曜の『天才!志村どうぶつ園』などの人気バラエティー番組を毎日そろえています。
日テレのバラエティー番組が凄いのは、強力な司会者に頼るのではなく、制作サイドが視聴者心理をくすぐる企画を練り上げているから。その企画を盛り上げる一翼を担うのが、“番組限定の人気者”たちです。
『あのニュースで得する人損する人』では、家事スペシャリストの家事えもん、名店の味を再現するサイゲン大介、パン作り名人のバタコやんなど、“一芸を持つ売れない芸人”を積極活用。セミプロという親近感ある立場から、視聴者がマネできる方法を披露しています。
また、『笑ってコラえて』では、“ブレイク手前のモデル”である佐藤栞里さんを『朝までハシゴの旅』に繰り返し起用。最初は誰もが「この子、誰?」という存在でしたが、企画にピッタリ合う気さくなキャラクターで、今や「番組の看板娘」としてサブMCを務めるまでになりました。
その他、『月曜から夜ふかし』では、株主優待生活の桐谷広人さん、埼玉のラッパー・イルマニアなどの“個性の強い一般人”を発掘しましたし、かつては『イッテQ』のイモトアヤコさん、『行列』の弁護士軍団なども、その番組限定の人気者でした。
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