三浦半島、創生に注力 京急電鉄原田一之社長に聞く
- 経済|神奈川新聞|
- 公開:2016/06/27 11:53 更新:2016/06/27 11:56
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「京急にとって三浦エリアは重要な拠点」と語る原田社長=東京都港区
「昔のように線路を引っ張って住宅開発をするというモデルが今はなかなか成立しない」。事業凍結をこう説明した原田社長。当初計画には2千戸の住宅整備を盛り込んでいたが、人口減や高齢化といった課題もあり、総合経営計画の策定に際し凍結を決断した。
分譲地の建設は厳しいとしつつ「土地の活用方法について継続的な検討は絶対必要。高齢者専用のほかリゾート地に住みたいと思う外国人をターゲットにしたものだったり、レジャー施設だったり。さまざまな可能性が残っている」と話した。
35年度を目標年次とする長期ビジョンの第一歩となる中期経営計画。三浦の創生について「観光の活性化による交流人口の増加」を目標に既存のホテル・レジャー事業の抜本的見直し、鉄道・バス・タクシーなどとの連携での回遊性向上、観光資源の認知度向上-などの具体策を挙げている。
原田社長は「三浦半島には国内外に発信すべき魅力的な観光資源が多い」。三崎口駅までの往復乗車券とマグロ料理の食事券などがセットになった「みさきまぐろきっぷ」は昨年、15万枚を売り上げた。「これだけ売れる企画乗車券はまずない。皆さんが楽しみにしてくれている」。5月には現地でサイクリングイベントを企画し、好評を博した。
「海に囲まれた景観を生かさないとほかのエリアと差別化ができない。当たり前と思っていた三浦半島の資産を広く発信する仕掛けが必要」。訪日外国人客への周知を含め、エリアを盛り上げる施策に積極的に取り組みたいとした。
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