大阪府警の元警察官らが休業中の歯科医院を舞台に診療報酬約14万円をだまし取ったとされる事件で、詐欺容疑で逮捕された歯科医が「元警官のグループとのトラブル解決に向け、警察との関係を装う団体に約3千万円を支払った」と話していることが、捜査関係者らへの取材でわかった。府警は多額の支払いで歯科医院の経営が傾き、犯行につながった可能性があるとみて、金の流れを調べる。
府警が逮捕したのは、元府警巡査部長で健康食品販売会社長の今野作治(こんのさくじ)容疑者(56)=大阪府豊中市=、歯科医で医療法人「賀川(かがわ)歯科医院」理事長の賀川幸一郎容疑者(45)=徳島市=ら男女9人。ほかに同容疑で3人の逮捕状を取った。
刑事特別捜査隊によると今野、賀川両容疑者らは昨年9月、患者4人を治療したとする架空の申請書を作り、社会保険診療報酬支払基金から約14万円の診療報酬を詐取した疑いがある。
賀川容疑者は逮捕前の取材で、2013年夏ごろ、今野容疑者のグループから買った架空請求用の健康保険証の写しをめぐり、「グループ側から『勝手に使ったせいで流出元の整骨院がつぶれた。責任をとって金を払え』と脅された」と説明。翌年に医院の幹部職員の男性の紹介で、NPO法人「警愛会」(大阪市西区、解散)のメンバーの男性が「警察の関連団体なので、トラブルを仲裁する」と言って現れたという。
その後、メンバーや幹部職員らは「今野容疑者のグループに支払う解決金」「架空請求を取材している報道機関を抑える金」「大阪府警の捜査が入らないための対策費」などの名目で次々と現金を要求。幹部職員に自分名義のクレジットカードや現金を渡し、メンバーらに大阪・ミナミの高級クラブなどで接待を重ねたとする賀川容疑者は取材に「警察の関連団体だからトラブルは解決すると信じて、総額約3千万円を支払った」と話した。
一方、警愛会の元メンバーの男性は取材に「トラブルの仲裁には一度だけ入ったが、金の要求などは一切していない」と反論した。
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