【ロンドン=篠崎健太】米格付け会社のS&Pグローバルは27日、英国債の格付けを最上級の「トリプルA」から、上から3番目の「ダブルA」に2段階引き下げたと発表した。英国が23日の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めたことで「将来の予見可能性や安定性、政策の効果が弱まる」と分析。格付けの見通しは「弱含み」で、信用力がさらに落ち込むリスクがあるとした。
S&Pグローバルは「英国はEU加盟で恩恵を受けてきた」と強調。離脱すれば貿易などで単一市場へのアクセスが難しくなるとし、英経済を支える金融サービス業への悪影響にも懸念を示した。
見通しが弱含みの理由として、EU離脱による経済成長率や財政の下押し懸念に加え、スコットランドに再び独立を模索する動きが出ていることも挙げている。
英国債の格下げを踏まえ、イングランド銀行(中央銀行)の格付けも同様に「ダブルA」へ2段階引き下げた。