中国 人民元相場 5年半ぶりの元安水準

中国 人民元相場 5年半ぶりの元安水準
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中国の通貨・人民元の27日の相場は、イギリスの国民投票の結果を受けて、中国経済の先行きへの懸念が出ていることなどから、ドルに対して値下がりしていて、中国当局が発表する1日の取り引きの目安となる値は、およそ5年半ぶりの元安水準となりました。
27日の上海外国為替市場では、イギリスの国民投票の結果を受けて、イギリスと関係の深い中国経済にも悪い影響が出ることへの懸念が出ていることなどから、人民元の為替レートはドルに対して値下がりしています。
27日は、中国当局が前の営業日の為替レートの値を参考に1日の取り引きの目安として毎朝発表する基準値が、1ドル=6.6375人民元と、先週末よりおよそ0.9%値下がりし、2010年12月以来およそ5年半ぶりの元安水準となりました。

上海株式市場 やや値上がり

一方、27日の上海株式市場は、先に取り引きが始まった東京株式市場で株価が値上がりしたこともあり、先週末に値下がりした銘柄を買い戻す動きが広がり、代表的な株価指数である総合指数の終値は先週末と比べて1.45%値上がりしました。
市場関係者は「ヨーロッパ経済が不安定になれば、減速する中国経済にも悪影響が及ぶため、先行きへの懸念を強める投資家は多く、人民元のドルに対する為替相場はさらに値下がりが進む可能性もある」などと話しています。

アジアの株式市場は

27日のアジアの株式市場は、株価が大きく値下がりした先週末に比べて、いったん落ち着きを取り戻し、イギリスの国民投票の結果が世界経済に及ぼす影響を見極めようと、積極的な取り引きが手控えられました。
各国の代表的な株価指数は、オーストラリアで0.4%値上がりした一方、香港では0.1%、シンガポールでは0.2%、それぞれ小幅に下落しました。
市場関係者は「東京市場で株価が上昇したことから、とりあえず市場は落ち着いた形だが、ヨーロッパ市場の動向を踏まえて、当面は不安定な状況が続くだろう」と話しています。