熊本 先週の大雨で農業被害相次ぐ

熊本 先週の大雨で農業被害相次ぐ
先週、記録的な大雨となった熊本県では農業への被害が相次ぎ、熊本地震でも被害を受けた農家にとっては追い打ちをかける形となっています。
熊本県は「温州みかん」の生産量が全国4位ですが、主な産地の熊本市では一連の地震でみかん畑の石垣や斜面が崩れる被害が2000か所余り確認されたうえ、今回の大雨でさらに被害が広がっています。
このうち、熊本市河内町のみかん農家、野村英和さんの畑では地震で畑の石垣が4か所崩れ、今回の雨でさらに別の1か所が崩れました。石垣は山の土壌をせき止める役割を果たしていて、放置すれば今後の雨でさらに被害が拡大するおそれもあるとして、熊本市は27日、緊急の現地調査を行いました。市の職員は野村さんに当時の状況を聞き取りながら、石垣の崩れた面積を計ったり、被害の状況をカメラで撮影したりしていました。
一方、今回の大雨では浸水による被害も深刻で、熊本県が生産量全国1位のトマトの栽培にも影響が出ています。宇城市不知火町では地区を流れる川があふれて広い範囲で農地が水につかり、トマトを生産している森田満さんの畑でも2つの農業用ハウスに土砂が流れ込み、鉄製の骨組みごとなぎ倒されました。収穫時期を迎えていたトマトは出荷できなくなり、被害額は合わせて1000万円に上るとみられています。
森田さんは「ハウスを再建したとしても、今後の災害が心配なので同じ場所で再建することは難しいと思う」と話していました。
熊本県によりますと、今回の大雨で道路と農地を隔てるのり面が崩れるなどの被害が県内で300か所余り確認されたということで、県は今後の雨に備え、崩れた箇所をブルーシートで覆うなど応急の対策を急いでいます。