【巨人】内海、2年ぶり完投逃すも藤田元司氏超えの120勝!
◆DeNA4―9巨人(26日・横浜)
悔しそうにベンチに下がり、何度も首をかしげた。内海は8点リードの9回に無死満塁のピンチを作り、交代を告げられた。「あの点差なら絶対完投しないといけなかった。課題は残った」。8回0/3を8安打4失点、127球の力投で3勝目。ただ、14年9月12日のDeNA戦(東京D)以来の完投へはあと一歩届かず、反省の言葉を口にした。
ギャレットの爆発による大量援護にも助けられ「早めに点を取ってもらったので粘り強く投げないといけないと思った」と、7回までは三塁すら踏ませなかった。8回は1点を失った直後の2死三塁で筒香を外角直球で空振り三振。今季初めてコンビを組んだ実松の直球主体のリードが生き、ハマの大砲を2三振を含む4打数無安打に抑えた。9回は尾花投手コーチに「(9回も)行かせてください」と志願して続投。降板はしたが、気力は充実していた。
チームの連敗を止め、自身は交流戦から3連勝。不振にあえいだ昨季の2勝を早くも上回った裏には、新たな調整法がある。登板2日前に入るブルペンでは、今季からこれまでの2倍近い60球を投げ、必ず打席には人を立たせて打者をイメージしている。「調子が悪かったから、ファームの時にチェックのポイントや確認したいコースや球種が増えて、自然とそうなった」。不調で出遅れ、約2か月暮らした2軍で、引き出しを増やした。交流戦3試合の防御率2・00が菅野を上回り、チームトップになるなど、安定感が戻ってきた。
DeNA3連戦は、菅野、マイコラスの2本柱をつぎ込んだが2連敗。8差で追いかける広島に離されないためには3連敗は許されなかった。その重圧を十分に理解し「すごい緊張した」と振り返った背番号26。「今日は真っすぐも変化球も集められた。こういう投球をこれからもしたいし、できるように調整したい」とうなずいた。
積み上げた通算白星は、119勝で並んでいた藤田元司を抜き、球団単独13位の120の節目に到達。大逆転Vへ、経験豊富なベテランがチームを救う。(安藤 宏太)