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トランプ氏が攻勢 クリントン氏反撃

ドナルド・トランプ氏=西田進一郎撮影

 【ワシントン西田進一郎】欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国の国民投票で既成政治への不満や「反移民」感情などが原動力になったことは、11月の米大統領選にも影響を及ぼし始めた。共和党の候補指名が確実なドナルド・トランプ氏(70)は類似点を強調し、「米国でも起こる」と攻勢を強める。一方、民主党の候補指名が確実なヒラリー・クリントン前米国務長官(68)は、離脱で不確実さが生まれたと指摘し、経験豊富な指導者が必要だと訴えて反撃している。

     大統領選では、共和党予備選でトランプ氏、民主党予備選でバーニー・サンダース上院議員という、泡沫(ほうまつ)候補と目された2人の「アウトサイダー」が既成政治への不満や怒りを背景に支持を伸ばした。トランプ氏は不法移民に職や安全を脅かされていると主張し、恐怖心をあおった。メキシコ国境に「万里の長城」を建設し、約1100万人いるとされる不法移民を強制送還するなど強硬姿勢を表明することで旋風を起こした。

     EU離脱を支持していたトランプ氏は24日、英北部スコットランドのゴルフ場で、選挙スローガン「米国を再び偉大な国に」が書かれた帽子をかぶって記者会見。移民への反感を共有しているとして「ここ(英国)で起きたことと私の選挙活動には大きな類似点がある。人々は自分たちの国を取り戻したいのだ」と述べ、国民投票と大統領選を重ねた。

    ヒラリー・クリントン氏=西田進一郎撮影

     国民投票では、残留派が多いといわれたイングランド北東部で離脱派が逆転したことが注目された。同地域は労働者階級が多い工業地帯だったが、現在は廃れ、移民の増加が社会問題化。反移民を掲げる離脱派の英国独立党の勢いが強くなっていた。米大統領選でも、中西部など廃れた工業地帯などで、職のない人たちの怒りが自由貿易や移民に厳しい姿勢をとる候補への支援につながっている。

     クリントン氏は24日の声明で、英国民の選択を尊重するとしたうえで、労働者家族の生活を守るのが最優先だと表明。「不確実な時期にはホワイトハウスには落ち着いていて、安定し、経験豊かな指導者が必要だ」とし、トランプ氏との違いを強調した。

     クリントン氏の外交政策アドバイザー、ジェイク・サリバン氏は国民投票と大統領選は性格が違うと指摘。「経済的な不安定さを求めるのか。経済のかじ取りを安定してできる人物を望むのか。大統領選では、それを米国の労働者家族が問うだろう」と語った。

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