「アメリカでは考えられない」
「日本とアメリカでは薬の考え方がまったく違います。それには大きく分けて2つの理由があり、1つは医療制度の違い。もう1つは薬に対する科学的な見解の違いによるものです」
こう語るのはニューヨーク医科大学助教授(内科)のランディ・ゴールドバーグ氏だ。医療制度の違いはさまざまあるが、保険制度の違いが根本にある。日本は国民皆保険だが、アメリカはそうではない。保険に入っているか否かにかかわらず、アメリカ人は薬の効果とコストに対してシビアに検討する。
もう一つの科学的な見解の違いが最もよく表れるのが風邪の対処法だ。
「日本では抗生物質など、風邪には効かないことが科学的にわかっている薬をいまだに出す医者がいます。アメリカでは考えられないことです。
インフルエンザについても、日本ではよくタミフルが処方されているようですが、よほど高齢で体力がない患者でない限り、アメリカではタイレノールという鎮痛剤くらいしか処方されません。また、日本で多用されているロキソニンもアメリカではリスクの高い薬として認識されています。
『なにも飲まずに寝ていたら治ります』といわれても日本の患者は納得しないそうですね。保険で安く薬がもらえるので、なにか『お土産』がほしいのでしょう。しかし、そのお土産には副作用も含まれていることを日本人は忘れているようです」
薬の副作用、とりわけ多くの薬を併用した時の飲み合わせの問題は、海外でも問題になっている。医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。
「アメリカでは薬は4剤までというのが一つの基準になっています。常にどの薬を残し、どれをやめるかというチェックする習慣がある。
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