モンタージュ〜三億円事件奇譚〜後編 2016.06.26


(大和)
今から48年前に起きた20世紀最大の未解決事件
わずか3分で2億9,430万7,500円を積んだ車を奪いその存在と現金だけをこの世から消し去った
それが三億円事件だ
(東海林)お前の父親鳴海鉄也は…。
三億円事件の犯人だ!
(大和)はあ?
それを契機に親父は謎の死を遂げ7年後に世話になっていた未来の両親までが行方不明となった
僕は親父の遺品から三億円事件で盗まれた紙幣の中で唯一番号の記録が残る五百円札を見つけさらに親父が残したメモから僕と未来は軍艦島で3億円を見つけた
これを持っていればおじさんとおばさんを取り戻せるかもしれない。
その直後警察にいわれのない殺人事件の容疑をかけられ逃亡する羽目になった
あたかも三億円事件の真犯人が警察を動かし僕らを抹殺しようとしているかのようだった
俺たちが生きるためには三億円事件の真相をつかむしかないんだ。
そのためには東京に行くしかない。
謎の真犯人と駆け引きをする中で僕は…
親父?
親父の過去に近づきつつあった
マスター。
お久しぶりです。
(マスター)お前…雄大!?生きてたのか!
(雄大)いえ。
もう死んでいます。
三億円事件だけがまだ生きているんです。
どういうことだ?マスターに頼みたいことがあるんです。
(雄大)いらっしゃい。
(和子)こんばんは。
いつもの?
(和子)うん。
(竜)いくらうまいからってジャズバーの人気メニューがちゃんぽんってのはどうなの?
(マスター)しょうがねえよ。
売れたもん勝ちだ。
これは軍艦島の味なんです。

(音楽)
(マスター)いいな。
マルクスよりもマイルスが好きな女子大生か。
うらやましいぞ!雄大。
もうキスぐらいさせてもらったのか?えっ?
(雄大)えっ?いや…。
(マスター)懐かしいね。
この竜と雄大がここで働いていたんだ。
他の2人は?
(マスター)響子は竜の恋人だ。
保は竜の不良仲間だった。
不良…。
三億円事件があったときもその人はここで働いていたんですか?
(マスター)その事件の後だ。
竜と一緒にぷっつり消息を絶ってしまったのは。
(未来)他の2人も行方が分かりませんか?
(マスター)横溝保はバブルのころ商売でずいぶん成功したって聞いたけどね。
響子ちゃんは今は沖縄でバーをやってるよ。
沖縄ですか?
(マスター)あっ君たちのことかな?えっ?
(マスター)ある人がこれを置いていった。
《これを預かってもらいたいんです》
(マスター)古い話を聞きに来た人がいたらこれを渡してくれってね。
何?これ。
フェリー?沖縄行きって…。
いったい誰がこれを?
(マスター)さあ?見掛けない顔だったな。
(水原)大和!
(夏美)未来さん!水原さんと夏美ちゃんがどうしてここに?お前らを捜してたんじゃないか!
(夏美)未来さんとにかく…。
夏美ちゃん。
泰成さんとは?連絡取ってるの?えっ?
(水原)予備校の先生か?その人がどうかしたのか?鈴木先生とは連絡取ってないです。
携帯もなくしたし。
嘘よ!私たちを見張ってたんでしょ?未来。
見張ってたんじゃないです。
分かったよ。
なっ?未来。
私は信じられないけどね。
もう誰のことも。
(水原)おい。
これは信じろ。
土門の孫から電話があった。
(明葉)《痛っ!》
(水原)府中南署で刑事だった東海林明の遺品からこれが見つかった。
そのメモリーには古い書類のコピーが入ってた。
これは警察の書類ですか?
(水原)ああ。
三億円事件のあった後事件が起こった三多摩地区全域にローラー作戦が敷かれた。
これはその方針をまとめたものだと思う。
ローラー作戦の。
(夏美)ローラー作戦って何?
(水原)三億円事件が起こった地域には過激派と呼ばれるような学生運動家が多くいたんだ。
三億円事件が起きた後警察はその地域の人々を一斉に調べた。
それがローラー作戦だ。
そのとき怪しい学生運動家たちをみんな検挙したんだ。
そのために警察は学生たちの実態把握と一斉検挙を狙って三億円事件を自ら仕組んだとする説がまことしやかに語られるようになった。
つまり三億円事件はそのために警察がでっち上げた事件だったってこと?この書類が作られた日付いつになってる?「昭和43年9月」!
(水原)事件が起こった3カ月前だ。
事件の前に事件が想定されてたってこと?もしこの書類が本物だとしたら…。
そのでっち上げ説を裏付ける証拠になるな。
東海林という刑事はこれを手に入れてその裏付けのために動いていたのか?おい。
発案者の名前見てみろ。
「沢田慎之介」!?
(水原)現在は民和党幹事長の沢田慎之介。
彼も元警察官でしかも東海林明と同じ府中南署にいたんだ。
お前らはとんだ大物に狙われてるかもしれないんだ。
やっぱり…。
これを使うしかないか。
何が待っていようと。
こうして3億円と一緒に俺と未来は沖縄に向かった
まるで本当の親父の顔を求めてモンタージュを作るように真相へと近づいていった
まだ早いか。
ねえここで間違いないんだよね?響子ギブソンさんの店。
間違いないよ。
そう何軒もある名前じゃないと思うし。
それにこの看板…。
(マスター)《響子は竜の恋人だ》だけど竜は沖縄じゃよくあるデザインじゃないの?それもあるからなんだろうけど。
(少女)やめろ!やめろよ!触んなよ!触んなって!その子を放して!とにかく放して!うっ…。
ヘイ…やめろ!ヘイ…やめろ!お前らこの動画を世界中にばらまけば大問題になるぞ。
・ストップ!ケニー!
(ケニー)キョーコ。
響子?シーユーキョーコ。
(響子)バーイ。
(響子)いいやつらなんだけどね。
一部の連中のせいで今じゃ自由にこの店で酒も飲めないんだよ。
おかげでうちは今にもつぶれそうなんだけど。
あんな脅し方をしたらあいつらだってカッとくるよ。
すいませんでした。
まああの状況でそこまで機転は利かないもんだけどね。
普通は。
遠い昔にもそんなやつがいたよ。
で私に会いに来たって?はい。
どんな用で?三億円事件のことを聞きに来たんです。
HERBIEのマスターにここを聞いて来ました。
誰なの?あんたたちは。
そこに写ってる川崎雄大は僕の父です。
なぜか名前は違いますが。
どうしてるの?その人は。
殺されました。
7年前に。
警察は事故だと断定しましたけど。
三億円事件が関係してると思われるんです。
いらっしゃい。
商売の邪魔だから帰って。
ここじゃ雇えないんだよ。
悪いね。
泊まる所がないなら私のうちに行ってて。
えっ?
(ハリー)あの2人は?未来の見えないカップルよ。

(音楽)
(和子)どう?革命的な名盤でしょ?マイルスのすごいところは古いものを壊すんじゃなくてクラシックを学んだりチャーリー・パーカーと暮らしたりしてどんどん吸収して新しいものに作り替えちゃうところなの。
教養だけでも駄目。
感性だけでも駄目。
その2つが擦れ合ってこそ新しい風が生まれるのよ。
ほら。
ちゃんと聴いて。

(音楽)風だ。
えっ?この曲は僕の古里軍艦島に吹く風に似ている。

(保)雄ちゃん!おっ…痛っ。
(竜)保。
(保)雄ちゃん!買ってきたぞカメラ!ばっちり値切ってきたからさ。
(竜)カメラ?
(保)恋人の誕生日にプレゼントあげるんだってさ。
(響子)バカ!
(竜)お前状況見て物を言おう?
(雄大)いいよ。
(保)痛っ…痛い痛い…。
これ1日早いけど誕生日おめでとう。
ありがとう。
ねえいいの?最初に撮るのが私たちなんかで。
(和子)もちろんです。
雄ちゃんの大事な仲間だから私の撮りたいもの。
最高の被写体ですよ。
はい笑って。
(シャッター音)
(和子)はい。
響子さんは誰とも連絡を取ってないんですか?取ってないね。
HERBIEのマスターにだけは今の店を始めるときに知らせておいたのよ。
もしかしたら…。
竜に伝わるかもしれないと思ってね。
それじゃ竜さんはどこかで生きてるんですね?それが分からないんだよ。
行方不明になったっきり誰にも分からない。
(竜)誕生日にカメラか。
さすが大学生は違うよな。
趣味が。
竜。
これこれ。
私の誕生日はこれでいいよ。
これ買ってよ。
私の趣味だから。
(竜)バカ。
1万もすんじゃねえか。
買えねえよ。
私の言ってる意味も分かんないの?
(竜)いや…わか…分かってるけど。
分かってるけどさ今の俺には買えないし。
いやもちろん買えるような男になったらそんときには…。
(響子)そんときには?ハァーチクショー!金欲しい!川崎雄大は…。
三億円事件の犯人ですか?それじゃテレビで騒いでたあの紙幣は…。
僕たちが送ったものです。
これをどこで?軍艦島です。
教えてください。
これを盗んだのは川崎雄大という男ですか?一人じゃないよ。
えっ?私たちだよ。
三億円事件の犯人は…。
私たちなんだ。
これはいつ撮った写真ですか?1968年12月10日。
つまり事件当日。
朝の5時ごろ。
意味が分かりません。
いったい何のためにこの写真を?私にも分からない。
そう指示したのは川崎雄大だから。
その写真を撮ると言いだしたのは彼なのよ。
それなら…。
この写真を撮ったのは誰ですか?えっ?この写真はカメラを縦にして撮ってますよね?三脚を使って自動で撮るなら無理にカメラを縦置きにするとは思えません。
ここにはもう一人シャッターを押した人間がいたはずです。
そう考えてよく見たらこのバイクのバックミラーにその人影が映ってますよね?驚いた。
あなたの頭の回転の速さは父親譲りなのね。
この人影は…。
沢田慎之介ですか?そうなんですか?あんたたち…。
もうそこまで知ってんのね。
沢田慎之介と川崎雄大はどういう関係なんですか?同郷の…。
幼なじみだって言ってた。
沢田慎之介も…軍艦島の出身?
(沢田)三億円事件に関する質問はもういいんじゃないですかね?まあいたずらだということは分かったから犯人もだんまりを決め込んでるわけでしょうしね。
まあ皆さんもあれじゃないですか?書くことがないからこうやって私に聞いてくるんじゃないですか?そうじゃないの?そうでしょ?ハハハ…。
(沢田)そうか。
東京出てきて1年で雄大も愛の巣を見つけたか。
彼女を幸せにすることが僕の意志だよ。
慎ちゃん。
(沢田)まあ気持ちは分かるが10代の恋愛で人生が決まるってのは少ないからな。
その意志だけは変わらないよ!慎ちゃん!分かった分かった。
今の雄大に何を言っても無駄だってのは分かった。
それも雄大らしいよ。
慎ちゃんはどうなの?刑事の仕事面白い?面白いが…。
今の場所で満足する気はないんだ。
(雄大)もっと違うところに行きたいの?俺はノンキャリアだけど警察学校時代にすごい人に目かけられてな。
その人は剣道を教えに来たんだけど俺がその人から一本取ってやったんだよ。
(雄大)そっか。
その人に少しでも近づきたいと思ってる。
(雄大)そんなに偉い人なの?普通なら口も利けねえよ。
けど尻尾を振りたいわけじゃない。
雄大。
俺はそれを突破口にしたい。
突破口?今からうちに飯食い来ないか?慎ちゃんが作んの?
(沢田)ハハハ。
実は俺も結婚したんだ。
えっ!?
(ヒロミ)それじゃ私急いで何か買ってくるから。
おう。
無理すんなよ。
急がなくてもいいんだからな。
(ヒロミ)うん。
それじゃごゆっくり。
(雄大)すいません。
急に来て。
《慎ちゃん》《また遊び来てね》驚いたか?そんな女にできた子供を信用できんのかって思ってんだろ?そんなこと思ってないよ!だけど俺は信じてんだ。
あいつだって好きこのんでああいう仕事をしてたんじゃない。
だけど俺と会って救われた。
そう思ってほしいんだよ。
慎ちゃん…。
慎ちゃんらしいよ。
デモ?
(和子)ますます激しくなってるの。
うちの大学使途不明金なんかが見つかったもんだから。
(雄大)和ちゃんもそういうの出てんの?私は…どうかな。
そういう問題意識持たなきゃいけないんだろうけど…。
何だかみんなそうやって誰かに背中を押されてるだけのような気もして。
情けないけどどこに石を投げていいのか分からない。
投げなくていいよ。
無理にそんなの。
だから音楽が好きなの。
できればクリエーティブな世界で私は戦いたいと思ってる。
雄ちゃんと一緒に。
ここは墓地ですよね?そのお地蔵さんも誰かのお墓なんですか?分からない。
誰も手入れする人がいないみたいだから時々こうやって供養してるの。
知人にここを教えてもらってね。
以来私のお気に入りの場所なのよ。
ここ眺めもいいですもんね。
このお地蔵さん私の店とうちの方を真っすぐ見下ろしてるみたいでね。
だからおろそかにできないの。
昨夜の話の続きですが沢田慎之介が三億円事件の計画者と考えて間違いないんですよね?そうね。
川崎雄大はどうして沢田の計画に乗ったんでしょうか?雄大の人生は一度止まったのよ。
えっ?起きろよ。
和ちゃん。
起きろよ。
和ちゃん…。
起きてくれよ!和ちゃん!
(警察官)やめなさい。
(雄大)どうして!どうして!和ちゃん!今の学生はしょうがないな。
まったく。
何をしたんだお前ら!
(警察官)やめなさい!和ちゃんに何をしたんだ!
(警察官)やめなさい!
(雄大)返せ!
(雄大の爪をかむ音)
(沢田)おい。
爪がなくなるぞ。
(雄大の爪をかむ音)
(沢田)和子さんのことは気の毒だった。
(沢田)デモに巻き込まれたのは確かだが彼女は機動隊にやられたんじゃない。
学生だよ。
学生が警察の警備車両を奪って暴走させたんだ。
(沢田)それにデモから逃げようとした彼女はひかれた。
学生に…殺されたんですか?学生運動に殺されたんだ。
(和子)《だから音楽が好きなの》《できればクリエーティブな世界で私は戦いたいと思ってる》《雄ちゃんと一緒に》
(和子)《教養だけでも駄目。
感性だけでも駄目》《その2つが擦れ合ってこそ新しい風が生まれるのよ》《ほら。
ちゃんと聴いて》
(沢田)このままじゃこの国は駄目になる。
雄大。
俺とこの国を変えないか?俺と一緒に和ちゃんの敵を取ろう。
風だよ。
慎ちゃん。
ん?軍艦島に吹く風を和ちゃんにも聞かせたかったよ。
(泣き声)爪をかまない。
ねえ。
何考えてんの?親父は3億円が欲しかったわけじゃない。
なのになぜお金を処分しなかったのかと思って。
えっ?竜さんや響子さんにあげるためじゃないの?それもできなくなったとしたら?なぜ証拠を隠したんだ…。
考えられるとすればやっぱり親父はどこかで沢田慎之介と仲間割れをしたんだ。
えっ?だけど五百円札はともかく他の紙幣は証拠にならないんじゃないの?なるかもしれない。
えっ?あの紙幣に飛び散っていた血の痕だ。
あれが誰のものか判明できれば真犯人を特定する証拠になるのかもしれない。
現に関口はスーツケースも欲しがってたろ。
うん。
私そろそろ店に行くけど君たちどうする?僕たちもそろそろここを出ていきます。
どうして?ここにいたら響子さんも危険です。
私にまた幻想を信じて生きろって言うの?えっ?私もあなたたちと一緒に戦うわよ。
響子さん…。
もしもし。
えっ!?
(関口)安次富3丁目の火災現場のバーに手配中の鳴海大和と小田切未来がオーナーの響子ギブソンといる。
すぐに確保しろ。
・残念でしたね。
もうそこにはありませんよ。
よく分かったな。
誰もいない店に火を付けるなら目的は俺たちの命じゃない。
だとしたら目的はスーツケースしかない。
さすがだな。
生きてたんですね関口さん。
もう動けるなんて化け物並みの回復力ですね。
国家権力にこき使われてて休ませてくんないんだよ。
沢田慎之介でしたか。
あなたのボスは。
さあ?そいつはどうかな。
ぐわっ…。
ハハ…。
(叫び声)さすがに傷はまだ治っていないようですね。
おとなしくした方がいいですよ。
私のお父さんとお母さんはどこにいるの?お前ら響子ギブソンの部屋に隠れてどうするつもりだ?聞くことに答えろ!鈴木泰成は何者だ?何だお前たち裏切られたのか?やっぱりあいつが五百円札を持ってんだな。
あんたも知らないのか?それならなぜ鈴木泰成はあんたを逃がした?お前らを警察に売るつもりだろ。

(チャイム)・
(警察官)警察だ!誰かいるのか?お前たちの居所言っといたんだよ。
大和たちに拳銃奪われた!気を付けろ!その体で色々としてくれるな!痛っ。
痛みには慣れてんでな。
あっ…うっ…。
理不尽な憎しみにもな。
こっからは正当防衛だ。
撃ってみろ。
ほら…。
あっ…。
撃ってみろよ!
(関口)あっ…くっ…。
ケニー…どうして?ブラザー。
早く逃げて。
表の警官も寝てるだけ。
ありがとう。
未来。
起きろよ。
起きろよ未来!おい起きてくれよ!起きてくれよ!未来!おい!未来!《こもり臭は体から臭ってくるんだからね》《うわ!臭っ!》《近いよ》《何ドキドキしてんの》《してないよ》《人がさ未来の仕事見つけるのに必死だっていうのにいつまでこんな過去にとらわれてんのよ》《過去って…》《君は君の人生を生きればいいだけじゃないの?》俺がバカだったんだよな。
俺はいつか…。
こうなることを心のどっかで望んでた。
自分には何もないのがむなしくて…。
いっそ何かが起きればいいのにって。
三億円事件のことばかり考えてた。
それが駄目だったんだよな。
だからこうなった…。
未来の言うとおりだよ。
俺は…。
俺の人生を見つけなくちゃいけなかったんだ。
だから…。
俺を置いてかないでくれよ!俺を一人にしないでくれよ!未来…。
未来…。
大和…。
約束だよ。
何だよ…。
いつから起きてたんだよ。
(バイブレーターの音)いつの間に?関口が入れたんだ。
(関口)わざわざ墓地に逃げることないだろ…。
(関口)はい。
こっちこっち。
行こう。
あっ!
(銃声)
(泰成)乗って!早く!乗ろう。
(関口)ハァ…しんど…。
よし。

(音楽)
(泰成)少しうるさいがここなら大丈夫だろう。
あなたは何者なんですか?俺たちをどうしたいんですか?
(泰成)響子ギブソンにはどこまで聞いた?響子さんとも知り合いなんですか?
(泰成)向こうは知らない。
沢田慎之介の名前は?聞いたか?それはその前から知ってましたよ。
あなたの目的は何なんですか?スーツケースの金は?今どこにある?ハァー。
私は君たちの味方だ。
私を信じろ大和君。
泰成さんあなたを信じることはできませんよ。
(銃声)
(悲鳴)
(関口)警察だ。
(泰成)行こう!
(銃声)
(泰成)こっちだ!・
(足音)こっちだ!今日はこれぐらいにしとくか。
あ〜面白かった。
(水原)俺も巡査の勤務に戻るけど時間の許すかぎりは沢田慎之介の周辺を調べてみようと思う。
相手は今や与党の幹事長だ。
君が一緒に動くのは危険だから。
もし何か分かったら連絡してくれる?もちろん。
はい。
(雄大)川崎雄大だ。
川崎雄大?どう?落ち着いた?はい。
頭は混乱したままですけど。
(響子)彼はハリー・スタンレー。
退役軍人で今は民間のヘリコプターのサービス会社を経営してるの。
バーでお会いしましたよね。
僕たちの事情を話したんですか?いくら店の常連だからってそれだけじゃあんな危険なことまでして助けてくれないわよ。
自分が捕まるかもしれないのに。
ならどうして…。
彼も事件当時府中にいたのよ。
まだ米軍基地があったころそこに私の父もいたから。
彼とは子供のころから顔見知りだった。
つまり三億円事件にも関係していたということですか?そうよ。
私の知らないとこでね。
私を雇ったのは沢田ではない。
公安の人間だ。
私の父は公安の協力者だった。
私はその父を手伝っていた。
(須黒)ハハハハ…。
ハリー君も日本語が上手だね。
君のお父さんにはいつも助けてもらってる。
(ハリー)その男の名は須黒といった。
おそらく偽名だろう。
警察にも在籍記録のないそういう公安警察官だった。
(須黒)さあ食べて食べて。

(ノック)
(沢田)失礼します。
(須黒)おう来たか。
(須黒)私が君の書は預かった。
今後一切文字は残すな。
いいな?はい…。
(須黒)これはよくできてる。
私が墓場まで持っていこう。
こちらは府中基地のジョー・スタンレー氏とハリー・スタンレー君だ。
君の協力者になってくれる。
君はくれぐれも実行犯にはなるなよ。
分かっています。
(ハリー)その日から沢田も須黒の協力者にすぎない立場となった。
ハリーさんたちは何をしたんですか?公安の須黒に頼まれて警察内部もだまして過激派対策に盗んだ3億円を基地内に隠したんですか?そうすれば捜査の手は及ばないから。
君は相当分かってるようだな。
そのとおりだよ。
私と父がその3億を一時預かることになっていた。
(響子)ハリーが現金を受け取ったときには竜も雄大もまだ生きてたそうよ。
そうよね?
(ハリー)ああ。
ハァー…その後2人は消えたのよ。
しばらくここで休むといいわ。
3億円は?どうするんですか?私が取ってくる。
大丈夫よ。
あなたよりは危険じゃない。
それに私の時計はあれからずっと止まったままだった。
今やっと一歩踏み出せた気がするのよ。
(竜)「発炎筒たき強奪」って…。
違うよ。
俺は関係ねえよ東海林さん。
(響子)ホントよ。
竜は私とずっと一緒にいたのよ!
(東海林)じゃあ誰だ?誰がスーパーを襲った?
(竜)だから知らねえよ!俺と保はグループからもう抜けたんだって。
(東海林)嘘じゃねえだろうな?ホントだよ。
信じてくれよ。
俺はこの響子と結婚すんだよ。
もうバカはやらねえよ。
信じていいんだな?結婚しなかったら逮捕するからな。
真面目にやれ。
ねえちょっと…今の本気?本気だよ。
それってプロポーズじゃない?私よりも先に警察に言うってどういうことよ!?それは成り行きだからしょうがねえだろ!信じらんない!
(竜)おい…信じてくれよ!おい響子!発炎筒!?3月にあったスーパーの襲撃事件と似せるんだ。
それじゃまた俺が疑われちまうだろ。
結局は他のグループの少年の犯行だと分かったろ。
今後はそのグループが疑われるだけだ。
捜査の目をかく乱できる。
現金輸送車が発炎筒なんかでだまされんのかよ。
その前に脅迫状も送れば必ず信じる。
警察の上層部は犯人を捕まえられない。
前代未聞の事件になる。
誰も傷つけずにこの国を過激派から救えるんだ。
俺はやります。
慎ちゃんに協力する。

(沢田)止めてるときはこれを掛けておけ。
(雄大)その前にここで3人の写真を撮ってください。
何バカなこと言ってんだ?和ちゃんのカメラです。
和ちゃんに報告するために。
それができないなら僕は今ここで降ります。
(響子)雄大…。
分かった。
撮ればいいんだな。

(沢田)じゃあ撮るぞ。
(シャッター音)じゃあ基地で待ってる。
これ預かってください。
お願いします。
ねえ…何でわざわざ証拠を残すの?証拠を消されないためです。
(響子)どうしたの?雄大何か変だよ。
(竜)大丈夫だよ。
これが終われば少しは気が晴れんだろ。
(竜)響子は家で待っててくれ。
渡したいもんがある。
(響子)足のつく現金なんていらないよ。
(竜)そうじゃない。
今日を2人の記念日にしよう。
(響子)ハァー。
この地蔵があの2人の命を守ってくれたのね。
この地蔵は川崎雄大が建てたんだ。
えっ?黙ってて悪かった。
何を言ってんの?
(ハリー)君がこの街に店を構えたころ雄大もしばらくここに来て君を見守っていたんだ。
(響子)そんな…何で声を掛けてくれなかったの!?
(ハリー)響子…。
君にずっと言えなかったことがあるんだ。
望月竜は死んでるんだ。
《響子には言うなよ…》《頼む…響子を守ってくれ》
(ハリー)三億円事件の翌日に息を引き取ったそうだ。
響子。
これは竜さんのお墓なんだ。
ハァ…竜。

(竜)《響子は家で待っててくれ》《渡したいもんがある》《今日を2人の記念日にしよう》私これから自首するわ。
自首?あの子たちの冤罪が晴れるように真実を話してみる。
三億円事件の犯人として。
私も一緒に行くよ。
それは駄目よ。
あなたまで捕まったらあの子たちを守ってやれなくなる。
あなたはあの子たちに証拠の現金を渡してやって。
分かった。
ありがとう。
私はもう一人じゃないから大丈夫。
・そのお金は私が預かりますよ。
関口ヒロミさんですね?
(雄大)しばらく2人にしてもらえますか?
(雄大)私は川崎雄大です。
48年前にお会いしております。
慎ちゃんの…。
沢田慎之介さんとあなたのお宅にお邪魔して夕飯をごちそうになりました。
何も覚えておられませんか?昔のことは。
私と会ったのは三億円事件のあったころです。
そうですか…。
突然お邪魔して申し訳ありませんでした。
(ヒロミ)子供を誘拐されました。
(ヒロミ)生まれたばかりの娘を。
それで何もかも変わってしまいました。
(ヒロミ)《ヨウちゃんただいま。
ごめんね》
(ヒロミ)《ヨウちゃん?》慎ちゃんはあの子を捜しもせずに事件にもせず代わりに捨て子を引き取ってきました。
コインロッカーに捨てられた男の子を。
(ヒロミ)《犬猫じゃあるまいし…》《代わりになんてなるわけないでしょ!》
(赤ん坊の泣き声)その男の子をあなたが育てた?そりゃあね。
一緒にいればだんだん情も湧いてきますから。
でも…慎ちゃんだけは許せなくて離婚しました。
その男の子は今どこに?刑事をしてます。
再婚してから私はあの子につらい思いばかりさせてしまいましたから…。
(男性)《俺に逆らっても無駄なんだよ》《なっ?分かるか?お前。
この野郎死ぬぞ?》
(ヒロミ)私が…いけないんです…。
《胸を上からひと突き》《少なくとも175cmはある背の高い男の犯行かもしれませんね》・
(『帰って来たヨッパライ』の口笛)私のせいです…。
私の…。
三億円事件ってさ返還前の事件だよね…。
まだ終わっていなかったんです。
私たちにその犯行を指示したのは民和党の沢田慎之介です。
(沢田)放っておけ。
そんな写真だけで…誰が信じるか。
(関口)でも例の証拠はまだわれわれの手にはありません。
(沢田)フッ…それはお前の失態だろ。
まったく誰のおかげでおっきくなったと思ってるんだ?
(沢田)あっ?
(沢田)まあいい。
だったらな三億円事件の紙幣だと言ってテレビ局に送ったのは鳴海大和だと発表しろ。
愉快犯に仕立てるんだ。
テレビ局に送るように指示したのは響子ギブソンだ。
そうなるように私が根回ししておくよ。
分かりました。
怒ってばっかじゃないか。

(『帰って来たヨッパライ』の口笛)
(キャスター)この一連の事件は同一犯によるものでそれを実行した若い男女2人組を主導したとみられる人物が沖縄県警に自首をし「自分が三億円事件の犯人だ」と名乗り出たとのことです。
警察では世間を騒がせることを目的とした犯行として…。
ひどい…。
とうとう頭のおかしい愉快犯にされてしまったな…。

(ドアの開閉音)ハリーさん。
鈴木泰成の居場所が分かった。
軍艦島だ。
軍艦島…。
(ハリー)本人から連絡があったんだよ。
2人を連れてきてほしいって。
お世話になりました。
ハリーさんはこれで引き揚げてください。
いやこのまま君たちをここに置いていくわけにいかないよ。
ハリーさんは響子さんの近くにいてあげてください。
あ〜…分かった。
響子と私はどんなことがあっても君たちの味方だ。
(泰成)よく来たね。
ここに呼び出してどうする気ですか?一緒に来てくれ。
65号棟…。
ああ。
ここで川崎雄大と沢田慎之介は育った。

(足音)沢田!?沢田幹事長ようこそ。
いやおかえりなさいと言うべきでしょうか。
ここまでお忍びで来るのは大変だったでしょう?金は?
(泰成)まあそう慌てないでくださいよ。
約束どおりこの2人も連れてきたんですから。
声掛けてやってくださいよ。
私のお父さんとお母さんはどこ?もし死んでるなら…。
私はあなたを絶対に許さない!遊んでる暇はないんだ。
お金はどうした?あなたが計画した三億円事件がそもそも失敗だったからじゃないんですか?こうなったのは。
失敗?確かに事件は未解決のまま時効になって安保闘争にも勝利して何もかも計画どおりになったようですけどね。
しかし48年たった今でもあなたはそのことで人を苦しめ続けている。
人の命まで奪ってるんだ!この国を守るためが自分の身を守るためだけの犯罪になってる。
三億円事件がそこまでみっともない犯行だとは思いませんでしたよ!何のために…。
何のために政治家にまでなったんですか!?三億円事件をネタに警察や国家の上層部をゆすってただ出世したにすぎないじゃないですか!そもそも!お前のお父さんが私の計画をめちゃくちゃにしたんだ。
・いや…。
・初めから慎ちゃんの計画は狂っていた。
親父…。
おじさん…。
(雄大)大和。
大和。
未来ちゃん。
7年前に私は沢田慎之介の秘書を名乗る男に呼び出されて東京湾の倉庫に拉致された。
そこに関口が現れ私は必死に逃げた。
そのときこの脚をケガしたんだ。
関口に撃たれたのか?だけど私にはその関口を恨むことはできない。
そうなってしまったのも私のせいだからね慎ちゃん。
どういうことだよ?慎ちゃん。
あなたの計画を狂わせたのはあの須黒という公安の人間だ。

(雄大)関東信託銀行の車ですね?今緊急連絡があり巣鴨の支店長宅が爆破されました。
(雄大)この車にも爆弾が仕掛けられてるかもしれません。
シートの下を調べてください。
(運転手)はい。
あったぞ!ダイナマイトが爆発する!早く逃げろ!
(竜)おいこれ着ろ。

(シャッターの開く音)万事うまくいったな。

(シャッターの閉まる音)その人は?ああ…われわれの仲間だ。
(須黒)早く始末しろ。
(須黒)沢田!
(銃声)
(雄大)竜!
(銃声)
(須黒)事件を知る者は生かしておくわけにはいかないんだ。
ハリー君。
君は大丈夫だ。
これからも協力してくれればね。
沢田お前はもういい。
捜査に戻れ。
あとは俺が始末しておく。
行け。
さてハリー君どこに捨てようかねこのごみは。
(竜)うう…う…。

(雄大)うわーっ!!
(雄大)竜!竜!クッソ…。
(雄大)あなたはあの朝米軍から手に入れた防弾チョッキを着ろと言った。
だが最終的にはあなたもわれわれを見捨てた。
竜さんは首を撃たれてそれでもまだ生きてたの?弾は首をかすめていた。
ハリーのお父さんが街まで運んでくれたが病院に行けば警察に捕まるだろうし響子さんの所も危険だと思い私は…横溝保を頼るしかなかった。
(パトカーのサイレン)雄大…。
竜!
(保)何でだよ…。
何でお前らがこんなことを…。
大和君。
私の旧姓は横溝泰成だ。
親父は事件の後自力で商売を成功させたがバブルがはじけ経営が傾き銀行に見放されたときよからぬ考えを起こした。
沢田先生。
あんたから金を引き出そうとしたんですよね?そのとき俺に話してくれたよ。
三億円事件の話。
そしてもし自分が殺されたらあんたを真犯人だと思えってね。
で…親父は電車にひかれて死んだ。
警察はすぐに自殺だと断定したよ。
(泰成)それから私は大和君のお父さんを見つけ出し今日という日が来るのをずっと待ちわびていたんだ。
泰成さんと親父は初めから手を組んでたのか。
いや…。
東海林という刑事が現れなければ何も起きないはずだった。
泰成君にも普通に生きてもらいたかった。
私はこれで満足です。
いまさら私にどうしろと言うんだ!?もういいかげんにしろよあんたら。
いったいどれだけの人間を犠牲にすれば気が済むんだよ!私のお父さんとお母さんを返して!
(雄大)慎ちゃん。
俺も間違いをたくさん犯した。
慎ちゃんを苦しめたことも謝る。
それはどういうことだよ?大和。
私は竜さんが死んだ後沢田慎之介を恨みながら響子さんを守ろうと必死だった。

(『帰って来たヨッパライ』の鼻歌)・
(『帰って来たヨッパライ』の鼻歌)
(雄大)そのために罪を重ねたんだ。

(車の走行音)
(沢田)赤ん坊は?
(雄大)捨て子として施設に預けてあります。
後で取りに行けばいい。
雄大。
五百円札は使えないんだ。
全て処分したが1枚足りない。
響子さんの身に何かあればそれも出てくるかもしれませんね。
(雄大)他のお金と一緒に。
そしたらその赤ん坊は犯罪者の娘になりますよ。
雄大…。
(雄大)それともここで俺を始末しますか?
(沢田)もういい…。
(沢田)たくさんだ。
(沢田)こんなつもりじゃなかった。
(雄大)俺もですよ。
(雄大)懐かしいなぁ…あのころが。
(雄大)結局慎ちゃんは赤ん坊を引き取りに行かなかった。
それが慎ちゃんに残る正義だったんですよね?娘だけは永久に事件に巻き込みたくないと。
自分には幸せな家庭を持つ資格がないと。
それは本当につらい選択だったでしょう。
(雄大)慎ちゃんと別れた後私は軍艦島に渡って閉鎖間近の炭鉱で働いた。
(一同)うわっ!鳴海さん…。
うっ…。
(鳴海)うわっ!
(雄大)鳴海さん!
(爆発音)
(看護師)目が覚めましたか?
(看護師)お名前は?分かりますか?
(雄大)《鳴海さん!》
(雄大)鳴海…鉄也…。
(雄大)私はとっさにそう名乗った。
(雄大)過去を捨てたかったんだ。
鳴海鉄也にはまだ1歳になったばかりの男の子がいた。
母親とは死別したと聞いたが本当のことは何も分からない。
私はその子も親の分からぬ子として施設に預けてしまった。
慎ちゃんの子がいる同じ施設に。
それから2人のことはずっと見てきたつもりだ。
まさかそれって…。
どういう運命のいたずらかその2人は大きくなって恋をして結婚した。
それが未来ちゃんのお父さんとお母さんだ。
だから2人は無事だ。
慎ちゃんにお母さんを殺せるはずがないんだ。
その幸せを願って捨てた自分の娘なんだから。
嘘…。
申し訳ない。
本当に申し訳なかった。
ふざけんなよ…。
全部お前のせいじゃねえか。
お前があの事件から逃げてきたから響子さんは今までずっと立ち直れなかったんだぞ!
(泰成)大和君!未来の両親をだまして今度は未来まで不幸にする気なのかよ!やめて!もう争うのはたくさん…。
(雄大)未来ちゃん…。
2人の居場所はやっと見つけて救い出した。
(雄大)2人にも全てを話した。
(水原)あっ夏美ちゃんもうすぐ着くから。
(泰成)だから先生はもうここに来るしかなかった。
(銃声)関口。
関口。
もういいだろう。
お金を渡してください。
まだこんなむなしいことを続けんのか!?これ以上罪を重ねても自分の首を絞めるだけですよ。

(ヘリのローター音)あなたが2人を愉快犯にしてくれたおかげで注目度が高まりましてね。
警察もマスコミも2人に多大な興味を持ってくれてます。
そうか…ここは逃げ場がない。
あなたがここにいることをどう言い訳する気だ?
(泰成)証拠ならいくらでもある。
これは大和君に返す。
あなたの指紋が付いた五百円札。
(泰成)あなたと望月竜の血痕の付いた紙幣もある。
それからもう一つ。
あなたが書いた提案書のコピーだってある。
元刑事の東海林明が執念で見つけたあなたの筆跡だ!
(泰成)さあどうします?二郎!こいつらを撃て!大丈夫だ。
言い訳なら何とでもできる。
何をしている!?憲法改正も遅れるんだぞ!この国を守るためだぞ!こいつらを撃ち殺せ!親父。
あれやれこれやれ命令ばっかしてるけどよ。
俺育てて幸せだったのかよ?幸せだったのかよ!?《君は何も悪くない》《悪くないんだ》終わりだ。
それに答えられないあんたは終わってるよ。
俺は幸せだったよ。
(銃声)大和。
(雄大)《慎ちゃんやっぱりここにいた》《何か悩んでるときはいつもここにいるよね》《どうしたの?》《雄大》《俺はここを出るよ》《えっ?》《この軍艦島には先がない》《この国に捨てられていくだけだ》《だったら俺がつくる》《もっと広い故郷を》《外にいる誰かの都合で自分の人生を変えられるなんてつまんないだろ》《俺は自分で変えてくよ》《お前も一緒に来い雄大》《俺を信じろ》
(雄大)慎ちゃん。
慎ちゃんを信じて結局俺が変えてきたのはたくさんの人の人生だ。
大切な人の人生ばかりだ。
後悔ばかりの人生だけどその人たちと出会えたことだけは後悔できない。
慎ちゃんは何を変えたかったんだ?分かってるよ。
私は間違えた。
三億円事件は失敗だった。
でもな雄大…俺はな今の職務を何よりも大切に思ってる。
それだけはホントだ。
外からの都合で変えられることのない強い国にしたいと思ってやってきた。
それ以来俺は自分の感情を全て殺してきた。
あれからは俺は俺でなくなった。
この国のためにのみ生きてきた一人の男だ。
だけどな雄大…。
今一つだけ分かったことがある。
やっぱり俺の古里はここだけだ。
(沢田)懐かしいのはお前と過ごしたこの島だ。
せめて…。
せめてこの島で死なせてくれ。
死ぬな!だったら真実を語れよ!昔俺に語ってくれたように!この国でこれから生きていく者たちのために!俺はもう一度ここで…。
(雄大)慎ちゃんを信じるよ。

(葉子)お父さん…。
(小田切)大丈夫だ。
親父?
(雄大)大和。
俺はここに残る。
残る?ここに残ってどうすんだよ?死ぬ気なのか?慎ちゃんが…。
沢田慎之介が全てを話し罪を償うまで私にも戻る場所なんてないんだ。
どうして!?あの事件はもう時効だろ?罪を犯した者に時効はない。
親父にそこまでさせたものは何だったんだよ?和子さんへの思いなんだろ?あんなことをしてどうして彼女が喜ぶ?俺は自分本位に動いたにすぎないんだ。
その事件からも逃げて自分からも逃げて未来ちゃんの両親や大事な息子のお前にも本当の顔を隠し続けた。
その場その場でそれらしく見せ掛けるだけの俺の人生はまるでモンタージュ写真のようになってしまった。
だけど…。
俺にはできないよ。
誰かのために三億円事件を起こすなんて。
少なくとも俺は…。
俺は…親父が自分のためにしたとは思ってないよ。
それだけはずっと思ってなかったよ!大和。
あの事件はお前の人生とは何も関係がないんだ。
お前はお前のやり方で自分の大切なものを見つけろ。
分かった…。
俺のことは俺に任せろよ。
おじさん。
私のことも私に任せて。
私もお母さんもお父さんもずっとおじさんのこと待ってるから。
ありがとう未来ちゃん。
親父。
これを…響子さんから預かったんだ。

(シャッター音)
(和子)《あっ》《保さん今目つぶっちゃった》
(保)《つぶってねえよ》《何やってんだよ!》《痛っ》《もう一回もう一回もう一回》
(和子)《はいもう一回撮ります》《はい笑って》
(シャッター音)
(泰成)弔ってるんだ。
あの事件に散った人々を。

自分にとって三億円事件を弔うことは大切な人と未来をつくるために精いっぱい生きていくことになるのだろう

1968年の親父がそれを目指したように
2016/06/26(日) 21:00〜23:09
関西テレビ1
モンタージュ〜三億円事件奇譚〜後編[字][多]

三億円事件の真相を知る女を追って大和と未来は沖縄へ!!なぜ警察は事件の3カ月前から犯行を知っていたのか…48年の時を越え、軍艦島で明かされる真実に号泣!!

詳細情報
番組内容
 軍艦島出身の川崎雄大(野村周平)は、仕事を求め1967年に上京。同じ軍艦島出身の幼なじみで、兄のように慕う沢田慎之介(三浦貴大)が、府中で刑事をしていたため、上京先を府中に決めた。上京初日、雄大は当てにしていた仕事が手違いでなくなってしまい、途方に暮れていたところに、地元の不良、望月竜(渋谷謙人)がヤクザともめている場面に遭遇する。持ち前の機転と度胸の良さで、竜を助けた雄大は、竜や彼の仲間の
番組内容2
響子ギブソン(ホラン千秋)、横溝保(瀬戸利樹)らと親交を深めていく。
 1967年の秋、雄大は、竜が働いているジャズバーで働き始め、店の常連客、女子大生の井上和子(門脇麦)と恋に落ちる。彼らは、竜や響子たちからも祝福され、いずれ二人でジャズ喫茶を開くという夢に向かって、彼らは幸せの絶頂にあった。しかし、1968年、突如、雄大と和子の幸せを引き裂く悲しい事件が起こる。その事件以来、明るさを失い、
番組内容3
心を閉ざしてしまった雄大は、国を変えたいという野心を抱く沢田を介し、竜、響子ギブソン、保と共に、「三億円事件」の実行犯として荷担していくことに・・・。
 一方、悪徳刑事の関口二郎(遠藤憲一)によって、殺人の容疑をかけられ指名手配中の鳴海大和(福士蒼汰)と小田切未来(芳根京子)は、沖縄に向かうフェリーにいた。大和は、父親・鉄也の謎の死、そして三億円事件の真相にたどり着くことができるのか・・・。
出演者
福士蒼汰 
芳根京子 
劇団ひとり 
ムロツヨシ 
杉咲花 
野村周平 
門脇麦 
ホラン千秋 
三浦貴大 
遠藤憲一 
夏木マリ 
香川照之 
唐沢寿明 
西田敏行 


スタッフ
【原作】
渡辺潤「モンタージュ 三億円事件奇譚」(講談社・ヤングマガジン) 

【脚本】
大森寿美男 

【プロデュース】
長部聡介 
牧野正 

【演出】
水田成英 

【制作】
フジテレビ ドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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