メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「独立回復」支持者歓喜 残留派に衝撃

国民投票の開票状況を知り、よろこぶ離脱派の支持者=ロンドンで2016年6月24日、AP

 【ロンドン三木幸治】英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票は24日早朝(日本時間同日午後)、離脱派が勝利したことを受け、「EUからの独立回復」を唱えてきた支持者は歓喜に浸っている。一方でEU加盟国首脳の応援を受けながら、「現状維持」を唱えてきた残留派は衝撃を受けている。

 EU離脱を唱える急先鋒(せんぽう)となってきた英国独立党のファラージ党首は24日早朝、勝利確定の報道を受けると歓喜のポーズを取った。「今、『英国独立』という夜明けの到来という夢の実現を確信している」。同氏はツイッターでも一足早い「勝利宣言」を出していた。

 ロンドン市内の離脱派陣営でも、勝利確定の報道を受けると歓声が上がった。「真の独立を回復した」などと喜びの声が続いた。

 英国内で離脱を推し進めたのは、EUへの根強い不信感と「独立願望」だった。「英国は欧州の法律(EU法)に支配される失敗国家になってしまった。離脱して経済が落ち込んでも、そのうちに回復するだろう。EUから独立することが重要なのだ」。投票日の23日、ロンドンのシャドウェル地区にいた男性弁護士のマイケル・フリーマンさん(69)は、そう語っていた。

 高所得者が多いノッティングヒル地区でも、女性公務員のジャネット・フィールドさん(41)が「独立の意義」を強調。「この国の主権を取り戻すというのが離脱派に投票した大きな理由。移民の問題もあるが、それは私の大きな関心事ではない。英国のアイデンティティーを取り戻すことが重要だ」と話す。

国民投票の開票状況を知り、厳しい表情をみせる残留派の支持者ら=ロンドンで2016年6月24日、ロイター

 一方で、残留派の国民は長年加盟していたEUからの離脱が決まれば、急激な変化に見舞われる事態を恐れていた。服飾店の女性販売員のホーリー・ドゥーリンさん(27)は「もし離脱したら、何が起きるかわからないし、怖い。ビジネスも落ち込むだろうし、ポンドも下落する。誰も何が起きるかわからない」と言明。貿易面の影響を恐れる有権者も少なくなく、男性公務員のマイケル・デービスさん(27)は「EUとの貿易がすぐには回復できなくなり、製造業などに大きな影響を与えるだろう」と話していた。

 英国離脱の危機を恐れていたEU中枢国の首脳も結果判明を前にして、「英国がEUの一員であり続けることを願っている」(メルケル独首相)、「英国がEUに占めるべき場所があり、立ち去ることはない」(オランド仏大統領)と発言。盟友のキャメロン英首相に「エール」を送っていたが、離脱派の声にかき消された格好だ。

関連記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 特集ワイド あの前都知事と大違い、惜しまれ引退クリーン村長 本州で人口最少、信号機もない和歌山県北山村
  2. 都知事選 竹花元副知事が出馬検討…自民都連へ意向伝える
  3. 路上喫煙 新型たばこは対象? 自治体で対応割れる
  4. 不正アクセス容疑 17歳、成績管理システムに侵入
  5. 藤野・共産政策委員長 「人殺す予算」と発言、取り消す

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]