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杉山外務次官をEU本部とロンドンに派遣決定

国民投票の開票結果に肩を落とす残留派の支持者たち=AP

外務省幹部「経済面、外交面や安保面でも打撃」と危機感

 英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利したことを受け、日本政府内では衝撃が広がっている。岸田文雄外相は24日、外務省の杉山晋輔事務次官を今月29日から来月1日までEU本部のあるベルギー・ブリュッセルと英ロンドンに派遣することを急きょ決定した。外務省幹部は「経済面にとどまらず、外交面や安全保障面でも少なからず打撃があるだろう」と危機感を強めた。

 杉山氏は外務省で記者団に、「こういう結果になったのは残念だ。影響を最小限にする外交努力が必要だ」と強調した。外務省は24日、欧州各国の大使館などを通じて情報収集を急いだ。杉山氏はブリュッセルでEU関係者と意見交換するほか、ロンドンでは日英関係の維持を確認する。2カ国訪問に先立って26日からの訪米でブリンケン国務副長官らと会談し、日米同盟強化などについて協議する予定だったが、英国のEU離脱問題の影響が主要なテーマになりそうだ。

 日本政府は、安倍晋三首相が5月の訪英時にキャメロン首相との首脳会談で英国のEU残留を支持するなど、一貫して残留を求めてきた。日本にとってEUは自由主義や民主主義など基本的な価値観を共有しているだけに、「英国の離脱でEUの国際的な影響力が低下するのは日本にとっても不利益だ」(政府関係者)との判断があるためだ。

 また、中国の南シナ海や東シナ海での海洋進出を巡る問題で日本の懸念を共有していた英国の姿勢が変化するかどうかも注視している。外務省幹部は「スコットランドの独立の動きの再燃も気にかかる。各国が内向きになると国際社会全体に波及しかねない」と懸念を示した。

 菅義偉官房長官は札幌市で記者団に「国際社会の影響を最小限に抑えるようG7(主要7カ国)を中心にしっかり対応したい」と述べた。【田所柳子、前田洋平】

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