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EU国民投票、英社会を分断=異なる価値観、亀裂広がる

2016年6月26日(日)14時39分配信 時事通信

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英国の欧州連合(EU)残留支持者=21日、ロンドン(AFP=時事) [ 拡大 ]

 【ロンドン時事】23日実施された英国の欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票は、国論を二分した論戦の末、4ポイントの僅差でEU離脱に決着した。しかし、投票の争点で生じた対立は、もともと英国が抱えていた国民の分断をはっきりと露呈させ、その亀裂をさらに広げる結果となった。
 残留派の今回の結果への失望感や怒りは深い。60%が残留支持だったロンドンを英国から「独立」させEUに加盟するよう求めるオンライン署名運動が15万人以上の支持を集めている。
 ケント大のマシュー・グッドウィン教授(政治学)によれば、英国社会は(1)中産階級と労働者階級(2)若者と高齢者(3)大都市居住者と地方居住者−という三つの次元で、まったく価値観の異なる二つのグループに明確に分裂している。経済と移民という二大争点で、離脱による経済リスクを重視して残留を支持したのがそれぞれの前者、EU諸国からの移民増の脅威を重視して離脱を支持したのが後者という。
 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のサイモン・ヒックス教授(政治学)も「グローバリゼーションによる政党支持の枠を超えた分裂が広がっていることが国民投票で明らかになった」と分析している。「移民により利益を得る都市在住で高学歴のコスモポリタン(国際人)」と「移民から雇用などの脅威を受ける、地方在住で恵まれていないと感じている旧世代」という対立構図を描く。
 地域別の投票結果をみると、離脱支持が多数の地区は、労働者階級が多いとされるイングランド地方部に集中する。イングランドでもロンドンをはじめ大都市部は残留派が強かった。また、投票後の世論調査によると、18〜24歳の73%以上が残留に投票したのに対し、65歳以上では40%だった。
 グッドウィン教授は「国民投票は分裂した二つのグループを統合できない。投票に向けた論戦で一層亀裂が広がった」と指摘している。 
















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