【社説】英国のEU離脱は韓国に危機であり機会だ(1)

【社説】英国のEU離脱は韓国に危機であり機会だ(1)

2016年06月26日13時11分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
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  英国の選択は衝撃的だ。23日に行われた国民投票で英国国民は51.9%の支持率で欧州連合(EU)離脱を決めた。グローバル化された西欧社会ではすでに消えたと思われていた「孤立主義」「民族主義」「自国優先主義」の復活という点で驚くべきことだ。今後交渉を経てEUから脱退すれば、英国は43年間をともにしたEUと決別し独自の道を歩むことになる。だれも進んだことも、さらには考えてみることもできなかった全人未踏の道で文明史的にも大事件だ。一歩一歩が不安で緊張するほかはない。英国とEUだけでなく韓国を含めた全世界までこうしたイバラの道をともに進むことになったという点から懸念が大きい。

  事実英国は人類の歴史で特別な役割をしてきた。力ではなく討論で共同体の未来を決める議会民主主義の産室だ。科学と創造力、芸術と想像力、教育と自律性を基に新たな知識基盤産業を興した。開かれた経済を基にグローバル貿易国としてそびえ立った。19世紀末に世界化を通じ今日のグローバル化された世界の土台も提供した。1980年代のサッチャー首相時代には規制緩和を通じて世界の資金をかき集める金融産業を新たに作った。当時浮上した新自由主義経済理論はかつて全世界を風靡した。英国は多人種・多文化・多宗教・多信念の民主国家のモデルを作ったという評価も受けてきた。これを基に世界から人材が集まり実力を発揮するグローバルな魅力のある国としての役割もしてきた。こうした革新的で未来指向的なイメージの国から出た国民投票の結果が退行的な欧州離脱と孤立選択という事実は残念なばかりだ。

  今後新自由主義経済や多文化民主主義など英国が追求してきた政策は左右に関係なく世界的に見直される可能性が大きい。19世紀に英国の首相だったパーマストン子爵が説破した「国際政治では永遠の同志も永遠の敵もない。ただ永遠の国益があるだけ」という言葉のように、協力と統合の代わりに孤立と自国優先主義が国際社会の新たな傾向として台頭する可能性も懸念される。国際社会は力を合わせてこうした滔々とした濁流の拡散を警戒しなければならない。(中央SUNDAY第485号)

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