とあるウィークデーの夜、神戸から肉好きの客人が来京されるとのことで、歓迎会が催されました。当然目指すはお肉が美味しく食べられるお店となるわけですが、肉料理というと普通は牛がメインで、最近はジビエがもてはやされていたりしますが、豚をもっと見直したい、というか豚肉は美味しいよね、ということで豚料理がメインのこのお店へ行ってみることに。わりと老舗でその筋ではとても有名とのことです。
そう、豚カツだけが豚肉の食べ方じゃない!バスク地方というとフランスとスペインの国境付近を指すそうですが、お店としては「フレンチ」に分類されています。表参道のオシャレな街並みを抜けて一路南青山へ。ひっそりとした裏路地のさらに奥に入り口がありました。どんな豚料理が食べられるのでしょうか。
期末の金曜日とあってみんな仕事が終わらないのか、集合時間になっても開宴しません。仕方ないので先についたメンバーだけでとりあえずの生ビールを頂いてしまいます。
で、30分ほど経ってようやく集合したのですが、ここで大事件発生。なんと主役の神戸の客人が来ないのです。一方Facebookによると神戸の焼き肉屋さんにチェックインした形跡が。その焼肉店に電話したり色々調査した結果、何かの行き違いで日にちが一日ずれていたことが判明。結局主役不在のまま東京肉部のメンバーだけでいつもの宴会となりました。
まずは前菜から。以前は「フレンチ」の仕来りに従って、シェアを認めていなかったお店だそうですが、今はそんなことありません。とりあえずメニューから料理を決めたら、一人一皿に取り分けてサーブしてくれます。
手前の玉子焼きみたいなやつは「温製山羊チーズのサラダ」、時計回りに「豚のど肉のパテ」、「自家製生ハム "ジュリエット"」、そして右奥がこの日のお勧めの一品「マッシュルームのサラダ」です。
どれも素晴らしく美味しいのですが、中でもこの山羊のチーズはちょっと今までに食べたことない美味しさでした。これだけずっと食べながらワインが飲めてしまいそう。いやワインじゃなくても何でも行けると思います。しばらく忘れられそうにありません。
シャンパンからはじめれば良かったかも?と思いつつまずは白ワイン。ワインリストも分厚いやつが用意されていました。私はワインに疎いのでお任せ。ちゃんとテイスティングしていました。
見た目に涼しげで一見するとデザートにも見えるこれは「夏野菜のゼリー寄せ」。ゼリー自体はそんなに味はなく食感を楽しむもののようです。アスパラとかブロッコリーとか豆とか色々入っています。
いよいよお肉がやってきました! 「温製豚頭のテリーヌ」です。その名の通り頭部のお肉で作ってあって、「ここが耳ですね〜」みたいにカジュアルに説明されてしまいました。いや、美味いですよ、これ。
ですが、ここまではまだ前菜扱い。これからいよいよメインです。
いかにも豚肉という薄いピンク色が美しい! 「天城黒豚骨付きロースのグリエ」です。こう見えても味がついていますが、お好みで特製ソースもありとのこと。しかし結構しっかりした塩味だったのでそのままで行けてしまいます。
で、これまたすごいのが来ました。もうメニューを見たときから惹かれていたこれは「豚内臓のソーセージ」です。我々のテーブルの横に炭火のグリルがあって、そこでじっくり焼いていました。その香りだけで相当美味しいのですが、実物はまさに絶品。 見た目固そうに見えて、ナイフを入れるとほろほろと崩れていく柔らかさ。ホルモン肉の良いところだけをぎゅっと凝縮した味わいです。
バスク料理と言えばカスレ。やはり外せません。豆(白インゲン)がたっぷり、豚肉もたっぷり入っています。
これらのメインの肉料理を一つのお皿にそれぞれ取り分けて頂くのですが、カスレのスープがソーセージやグリエに混ざったりするのがまた美味しいです。
ラベルが剥がれてしまっていますが、ワイン係の友人がお店の人と選んだ赤ワイン。ガッツリ重いのが欲しかったそうですが、友人曰く思ったのと違ったそうです。そういう場合は選んだ人責任で変えてもらえば良いんじゃないの? と言うわけにはいかないですよね。ただの友人同士の飲み会ですから。でもほどよい重さで美味しかったですよ。牛よりはさっぱりしている豚肉にも良く合いました。
最後はもちろんデザート。4人で4品バラバラに選びました。左上は「メロンシャーベットとバニラアイス」、右上は「プロフィトロール」、左下がクリームブリュレ、右下が「ヌガーグラッセ」です。どれも美味しかったです。写真はありませんがエスプレッソと一緒に頂きました。
と言うことで、さすが有名なだけあってとても美味しい豚肉料理でした。表参道の駅からはやや歩きますがわざわざ出かけていくだけの価値があるお店だと思います。