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だからVRの向こうにもきっと現実しか無い。
仮想現実に対する驚嘆は第二の現実の誕生を祝う言葉ではなくテクスチャやレンダリングへの賞賛以上の意味を持たない。
そこではやはり我々の現実の延長だけが存在する。
そこでプログラミングが予測不能の行動を起こすのはそこに人の手を離れた力が介在するのではなくただ人間の見落としによってメモリに格納された数値に以上が発生しているだけだ。
インターネットの向こう側には第二の現実が誕生することはなく。
常に現実の延長線上の物語と事象があり、極めて不特定多数と回線を共有したテレビ電話の拡張版以上の存在であることはなかった。
仮想現実もそこは変わらないのだ。
我々は新しい現実を手にすることはない。
科学技術が新しい現実を我々に与えるのはまだ先の話だ。
ただただ思う。生まれた時代を間違えた、と。
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