相場戦略研究所

相場で自立するために 


「私有財産なき市民は国家の奴隷である」 渡部昇一 


1.自立のために      
 我々相場人は私有財産を得ることによって、役人や政治家、企業を頼ることなく、一人の日本人として強く自立すべきである。 幸いなことに、日本には世界有数の株式市場と商品市場があり、それは国民共有の財産である。

 

相場戦略研究所は その市場を利用して、相場で生活費を稼ぎ、自立する方策を提案します。


 しかし、相場の世界は修羅の世界でもあり、多くの人が一攫千金を夢見て相場という修羅道に落ち、
元も子もなくして惨めに敗退していきます。(相場で大損してマイホームを手放す人は年間30万人
その先にあるものは「一家離散」、もしくは「自殺」です。

 

 相場を志す方には、まず 「あなたも株のプロになれる」 (同友館)をお読みになることをお勧めします。 
あまりに見事な物語であり、相場の恐ろしさや、利益を得られるようになるためのヒントが得られ、相場を志す方 必読の書と言えましょう。
  この本を読んで自分にはできそうもないと感じた方は、自立のために他の道を選ぶべきでしょう。

 

次に大切なことは、約3年間の基礎練習です。林輝太郎先生の株式売買の教科書 「株式上達セミナー」 (同友館)によれば、

  基礎練習には
  一. ためし玉から出発する方法
  二. 規格化(ルール化)された出発をする方法
  三. サヤ取りの建て玉から出発する方法
  があります。

 

 基礎練習をしないで相場に臨むことは、刀の抜き方を知らずに真剣勝負をするのと同じです。
ここでいう基礎練習とはシュミレーションや仮想売買とは違います。300万円程度の小額資金で銘柄を限定して、実際に売買します。

 

 当然ですが、最大限利益を出す努力をします。このとき注意すべきことは、大きく取ろうとしてはいけないことです。基礎練習の目的は、相場の基礎である、「分割売買」、「空売り」等の技術を身につけることですから、大きく取ろうとすれば、どうしても大化けする銘柄を探すようになり、当て屋になってしまいます。

 

 基礎練習の結果、三分割の「売り上がり」、「買い下がり」がおっかなびっくりでも、できるようになればしめたものです。
相場をする資格を得たと言っても良いと思います。



2.相場で自立するための具体的方法⇒「確実な利益を積み重ねる方法」
 さて、練習が大切なのはわかったが、本論の"相場で自立する"ためにはどうすればよいのか。
相場戦略研究所では次の2つの道をお薦めします。

1.サヤ取り
2.コストダウン

 相場で生活するには、ある程度の資金(五千万円以上といわれる)と売買による安定した利益がなければなりません。

したがって、相場のプロとして「確実な利益を積み重ねることができる方法」を選択し、元手となる資金の増加をはかり、安定した利益を得られる売買技術を身につけなければなりません。

上記の2つの方法はその条件に合致しています。


1.サヤ取り
 相場のプロとして「確実な利益を積み重ねることができる方法」の最右翼といえるサヤ取りは、2つの銘柄の価格差=サヤの縮小・拡大を取る売買で、買い玉と売り玉を同時に建てます。

小豆相場でいえば、1月限売り−10月限買い  

株式でいえば、キリン売り−アサヒ買い

などの注文(朝の寄付きで成行き)を行います。

そして、サヤが有利になった時、買い玉と売り玉を同時に手仕舞いすることによって利益を確保します。

片張りと違って、相場全体の変動に強く、例えば9/11の米国テロ事件などの暴落があってもカラ売玉があるため、追証の発生の危険はなく、致命傷にならないのが大きなメリットです。

しかも、安全性が高いため多くの枚数を建てることができ、片張りよりも多くの利益を得ることができます。

従来、株のサヤ取りは高額の手数料がネックでしたが、現在のネット取引の環境下では、もっともお薦めできる売買法といえます。

注意点としては決して、「片玉にしない」「突飛な組み合わせはしない」ことです。株なら同業種の同じ価格帯の組合せが良いでしょう。

*参考書1「株式サヤ取り講座」
*参考書2「株式サヤ取りの実践」


2.コストダウン
 株式市場が不人気なときに、一株あたりの株主資本を下回るような割安で、自分が好きな銘柄を分割売買で、なるべく安く、一万株程度買います。

場帖とグラフをつけ、うねりを見ながら2割から3割の上昇を目処に、分割でカラ売りを行います。
最初は持株と同数のカラ売りに止めたほうが不安がありません。

 そして、再び値下がりするのを待って、カラ売り玉を買い戻すのです。
カラ売りの利益の分だけ持株の原価が下がることになりますから、これを何度か繰り返し、持株のコストをゼロにすることを目標に売買を繰り返します。

*参考書「ツナギ売買の実践」

以上の二つの方法のどれかを選択し、習熟することによって売買に上達し、「確実な利益を積み重ねる」ことで元手を蓄積していけば、相場のプロとして自立する道が開けてくるのではないでしょうか。


3.手数料と証券会社について

 証券ビックバンとインターネットの発達によって、株のネット取引の手数料は限りなくゼロに近くなりました。

ネット取引なら、証券セールスマンの営業活動に煩わされることもありませんし、
「カラ売り」を知らない証券会社の女子事務員に売りと買いを間違えられるといった注文取次ぎミスからも開放されます。

 林投資研究所の林知之さんは相場がゲーム的になって好ましくないと主張していますが、 仮にゲーム的感覚で注文を出す人がいたとしても、一度でも大きな損をすればゲーム的感覚は吹っ飛びます。

そして、売買結果は自己責任となることは、ネット取引でも対面取引でも、まったく同様なのですから、 あえて手数料の高い対面取引をすることはありません。

 むしろ 逆に、対面取引においては、証券セールスマンの質の問題があります。 証券会社の推奨銘柄をしつこく薦められて、不本意な売買をすることになったり、極端なケースでは客殺し営業にあう危険すらあります。

 また、格安手数料のネット取引が利用できる現在の投資家は日本相場史上、最も幸運な人々なのです。
証券ビックバン以前の投資家は証券会社に1.25%の高額な手数料を支払っており、 800円の銘柄だと片道約一万円、往復二万円でした。 800円で買って840円で売って40円ギリ(5%)儲けても、手数料を払うと2万円しか残りません。

 仮に こうした売買を年間60回したとすると、 証券ビックバン以前の高額な手数料では年間通算で120万円の利益ですが、 現在のネット取引手数料(片道千円)で同様な売買をすると、228万円/年、 腕前がまったく同じ投資家が一挙に1.9倍の利益を得ることになります。

 林輝太郎先生は証券ビックバン以前に「年間通算して1円でも利益なら名人と言える」と仰っていました。
手数料が下がったことで多くの投資家が労せずして名人の域に到達できたともいえます。
しかも、ネット取引は手数料を気せずに済みますので、確実な利益を積み重ねる 丁寧な こまめな売買が可能になり、そうした売買を繰返すことで、 売買技術を身につけ易くなりました。
手数料の低下は「株のプロへのハードル」を低くしたといえるでしょう。






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