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【中国トンデモ事件簿】
鉱山労働者17人を殺害し、事故に見せかけ賠償金だまし取る その「血塗られたビジネス」の実態とは…
大がかりな連続殺人事件の捜査の端緒となったのはバヤンノール市の郊外にある鉄鉱石採掘場だった。14年末、この採掘場で事故が発生し、雲南出身者とされる人物が死亡。鉱山経営者は当局に事故を通報しないまま68万元(約1080万円)の賠償金を支払った。多額の賠償金を支払ったため他の労働者への給与支払いが滞ったために労働者がデモを行い、事故が公になった。
警察が被害者とされる人物について調べたところ、現在も雲南省で生活していることが判明。労災事故ではなく被害者の身分を偽装した殺人事件であることがわかった。その後、芋づる式に74人が逮捕されたという。
典型的な手口はこうだ。まず事件の舞台として、へんぴな場所にあり、設備が粗末で労働者管理が行き届いていない中小規模の鉱山を探す。
続いて、労務市場と呼ばれる肉体労働の求職者が集まり求人者と交渉する場で、一人で職を求めている人を物色する。ターゲットとなるのは、帰る家がなく生死を気にする人もない放浪労働者だ。