現行法では「努力義務」
正社員と非正規雇用者の格差をなくす「同一労働同一賃金」。その議論がいよいよ本格化してきた。政府が今月閣議決定した一億総活躍プランの中で、目玉政策のひとつとして掲げたからである。
しかし、正社員と非正規雇用者の格差をなくすことなど本当に可能なのか。そもそも「同一労働同一賃金」とはどういうことなのか。
まず世界的に見て、同一労働同一賃金はかなり普遍的な考え方である。国際労働機関憲章(ILO憲章)前文や国連の世界人権宣言第23条にも規定がある。
重要なのは、その理念を労使関係のなかでいかに具現化させるかだ。日本では労働基準法第4条に「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」とある。
そのうえ同法第3条では、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」とある。つまり、同一労働同一賃金の理念は労基法にきっちり規定されている。
一方で、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)を見ると、「事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金を決定するように努めるものとする」とある。
つまり、格差是正はあくまで努力義務。パートタイマーと正社員の間には格差があるものだとも解釈できてしまう。そのため、法整備としてはここから一歩先の議論が求められ、安倍政権はまさにそれを進展させようとしているわけだ。
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