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【社会】

若者の投票「自分の未来」左右 住民票移してなくてもOK

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 「十八歳選挙権」が実現する参院選で、親元を離れて大学に通う学生たちに不在者投票を呼び掛け、投票率向上を目指す取り組みが、インターネットを通じて広がっている。呼び掛けを始めた一橋大大学院言語社会研究科の小岩信治教授(48)は「住民票を移していないから投票できない、とあきらめる学生も多いが、投票できる仕組みがあることを広めたい」と話す。 (大平樹)

 「100% Go Vote!(全員、選挙に行こう!)」。取り組みを紹介するホームページ(同名で検索)には小岩教授が研究室の学生らと作ったチラシが載っている。

 チラシは、親元を離れているか、住民票を移しているか、投票日に帰省できるかなどの項目をたどると、自分に合った投票方法と必要な手続きが分かる仕組み。憲法学者や俳優の石田純一さんら著名人も共感し、投票の大切さを呼び掛けるメッセージを寄せた。

 きっかけは学生たちの雑談だった。十八歳選挙権が話題になり、学生と参院選などの話をしたところ、少なからぬ学生から「住民票が実家のままだから、投票できないんです」と聞いた。

 小岩教授が調べてみるとこうした学生たちも投票できる方法があると分かった。

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 今回の参院選で、今住んでいる地域で投票するには、公示日(六月二十二日)の三カ月前となる三月二十一日までに住民票を移している必要がある。

 今年四月に地元を離れて大学に入学し、住民票が地元のままか最近移した新有権者の一年生は、帰省すれば地元で投票できる。ただ、投開票日の七月十日は、一橋大では期末試験期間に当たり、帰省は学生にとって現実味がない。

 もう一つの方法が、今住んでいる地域での不在者投票だ。小岩教授は、学生がその手続きなどを知る機会がないことに問題意識を持ち、デザイナーや、大学がある東京都国立市選管の協力でチラシを作った。

 「若い人ほど投票結果に影響される時間が長い」と、小岩教授はゼミや講義を受講した学生の投票率100%を目指す。不在者投票で投じた票は地元に送られて開票されるため、「投開票日の四日前までに投票を」と勧めている。

 

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