転職前…自分がまだ建築関係の仕事をしているときの話ね。
その日はリフォーム現場に入る前に職人と待ち合わせをしていてから、一緒に現場に入った。
職人と最後の現場確認を終えてから自分は現場を離れる予定だったが、離れようと思ったら、お施主様の奥さんから「トイレの窓の鍵が固くて締めるのが大変だから直せないか」と尋ねられた。
これのことね。
「クレセント」という金具だ。
クレセントの締りが悪い(緩かったり、きつい)場合、クレセントを調整することで改善される場合がある。
回す方の金具はビスを緩めるとある程度上下できるようになっており、それを受ける金具はビスを緩めることで左右に微調整できるようになっている。
受金具はクレセント受けという呼称がある。
この物件ではクレセント受けを少し出してあげる(写真で見ると左側に動かす)ことで多少マシになった。
ところでクレセント受けのことを略して「メス」と呼ぶことがある。
回す方をオス、受ける方をメス。
理由は説明するまでもないだろう。
初めてオスメスという呼び方を知ったときはただの略称なのかと思っていたが、調べてみたらそういうわけでもなく、金物関係は大抵『刺す側が雄金物』、『受ける側が雌金物』となっている。
Amazonや楽天でも「雄金具」「雌金具」と検索すると商品名に雄・雌とついた商品が多数ヒットする。
そんでもって雄螺子と雌螺子という言葉が辞書に載っているくらいだから、オスメスという呼び方は結構一般的な呼び方なのだろう。
話を戻して…。
クレセントの調整なんて営業マンの私でもすぐにできるので、リフォームのついでにちょちょいと直してあげた。
で、報告したら「どういうふうに直したのか」と尋ねられた。
このとき私は「メスの方を調整した」と説明してしまったのだが、これがいけなかった。
明らかに奥さんの顔つきが変わった。
そして奥さんに「なぜメスと呼ぶのか」とか「オスメスってどういうことだ」とか問いつめられて、説明したら男女差別だの何だの言われて、小一時間ほど説教された。
受金具を「メス」と呼ぶことは男女差別なのか
まあ、正直自分でも配慮が足りないなと思った。
特に、女性の人に受金具をメスと呼ぶのはデリカシーにも欠けている。
「受金具」と言っていれば何も問題なくことは済んでいた。
こういうことに過敏な人はいるので、オスメスという呼び方はしないほうがいい。
客に卑猥なイメージをさせてしまう可能性がある。
オスメスと呼ぶのは業界人の間だけにして、他では使うべきではないのだろう。
これについては反省しなければならない。
だがその反面で「男女差別ってほどか?」と思った。
言ってしまえばただ単に分かりやすく読んでいるだけだ。
卑猥なイメージを彷彿させてしまう言葉ではあるが、それイコール男女差別ってことでもないだろう。
使い方に気をつけなければならないのは間違いないだろうが、こんなことも男女差別って言われてしまうっていうのはシビアすぎやしないだろうか。
なんかもう男女差別ってなんだよ!
わけわかんねえ!
そんなことを思い出した。
おしまい。