【北京=西見由章】中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の第1回年次総会が25日、北京で始まった。発足後初の融資案件として、バングラデシュの電力網整備など4事業に計5億900万ドル(約520億円)を投じることが報告された。総会は26日まで開かれる。
金立群総裁は開幕式で、創設メンバーの57カ国に加えて新たに加盟を希望する24カ国の代表も総会に出席したことを明らかにした。今年9月末まで加盟申請を受け付け、17年初めにも正式に認めるとしている。
AIIBにはアジア周辺国のほか先進7カ国(G7)からも英国、フランス、ドイツ、イタリアが参加。日本は「公正なガバナンス(統治)や融資審査能力への懸念」から米国とともに参加を見送っている。
報告された4事業のうち単独融資はバングラデシュの事業(1億6500万ドル)のみで、パキスタンの高速道路建設(1億ドル)やインドネシアのスラム街の環境改善(2億1650万ドル)など3件は、アジア開発銀行(ADB)などとの協調融資となる。
AIIBは16年1月に設立総会を開催。今年は総額12億ドルを融資する計画だ。