財務省と金融庁、日銀は25日午後、英国の欧州連合(EU)離脱決定で国際金融市場に動揺が広がったことを受け、臨時の会合を同省内で開いた。週明けの市場の安定に向けて「万全の対応を取る」(浅川雅嗣財務官)ことを確認した。来週以降も政府・日銀が為替などの市場を注視し、日銀は潤沢に資金供給する用意を整える。

 佐藤慎一財務事務次官と浅川氏、森信親金融庁長官、雨宮正佳日銀理事らが出席。約1時間にわたり意見交換した。

 臨時会合では、前日の欧米市場の動きについて情報を共有。日銀側は、必要に応じて、海外中央銀行との通貨交換(スワップ)協定の仕組みを活用したドル資金の供給に万全を期す方針を示した。

 浅川氏は会合後、記者団に対し「いろんな動きがあると思うので注意深く見ていかないといけない」と説明した。ある出席者は「あらゆるリスクに対する懸念は共有した。それぞれの立場で必要な対策を考えている」と述べた。

 財務省など3者の定期会合は3月に初開催。月1回のペースで開いており、6月17日に行ったばかり。24日の東京外国為替市場で円相場が一時約2年7カ月ぶりに1ドル=99円台に急騰したことや世界同時株安を踏まえ、異例の臨時会合開催に踏み切った。