ムスダン初成功か　ミサイル２発発射

中谷防衛相「安全保障上、強く懸念」

　防衛省は２２日、北朝鮮が同日朝に発射したミサイルのうち２発目が高度１０００キロ超の大気圏外に達し、発射地点の北東約４００キロの日本海に落下したと明らかにした。政府は２２日夜、安倍晋三首相も出席して国家安全保障会議（ＮＳＣ）を首相官邸で開き、今後の対応を協議。中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射実験が初めて成功した可能性があるとみて、日米でミサイル防衛体制を強化する方針を確認した。

　韓国軍によると、北朝鮮は２２日午前５時５８分（日本時間同）と同８時５分、東部・元山（ウォンサン）付近でミサイルを１発ずつ発射。この２発を含め４月以降の発射回数は計６発となる。聯合ニュースによると、１発目は１５０キロほど飛行し、空中爆発した。

　防衛省は「中距離弾道ミサイルとして一定の機能が示された」と分析。中谷元（げん）防衛相は「わが国への飛来は確認されていないが、弾道ミサイルの増強につながる。安全保障上、強く懸念する」と記者団に述べた。【村尾哲、ソウル米村耕一】