弾道ミサイル2発発射…「1発は400キロ飛行」
【ソウル米村耕一、ワシントン会川晴之】韓国軍によると、北朝鮮は22日午前5時58分(日本時間同)と同8時5分、北朝鮮東部・元山(ウォンサン)付近の日本海沿岸で中距離弾道ミサイル「ムスダン」と推定されるミサイルをそれぞれ1発ずつ発射した。国防省関係者は「2発目は400キロほど飛行しており、米韓軍当局が精密に分析中だ」と明らかにした。この2発を含め4月以降に計6発発射したことになる。これまで連続して失敗していたが、今回は技術的に進展した可能性がある。
米戦略軍も発射を確認し、米国防総省が「弾道ミサイルの発射を禁じた国連安保理決議に違反している」と厳しく非難した。
聯合ニュースによると、1発目は150キロほど飛行し、空中爆発した。北朝鮮は4〜5月にムスダンとみられるミサイルを4発発射したが、いずれも発射台上や発射数秒後に爆発するなどしていた。
このためエンジンなどに根本的な欠陥があるとみられていたが、2発目は400キロほど飛行して日本海に落ちており、技術的に改善された可能性がある。
ムスダンは発射台付き車両で運用される。射程2500〜4000キロと推定され、グアムなどにも届くとみられる。ロシアが開発した潜水艦発射ミサイル「R27」を改良したもので、2007年に実戦配備されたとされている。
今回の発射の動きについては21日までに日米韓の当局が捕捉し、中谷元(げん)防衛相が自衛隊によるミサイル迎撃を可能とする破壊措置命令を出していた。韓国軍は追加発射の可能性もあるとみて警戒態勢を維持している。