[PR]

 米金融最大手JPモルガン・チェースは、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受け、欧州での組織体制を変更する見通しになった。英国の従業員を国外に移す可能性が高い。複数の欧米メディアが24日伝えた。

 報道によると、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は24日、社員向けの文書で「数カ月内に欧州地域の組織体制などを変更する必要があるかもしれない」とし、英国を拠点にする事業体制を見直す可能性に言及したという。

 ダイモン氏は今月上旬、英国がEUから離脱した場合には、英国内の約1万6千人の従業員のうち最大で4千人ほどを英国外に移す可能性があることを明らかにしていた。同社をはじめ米大手金融機関は、英国に事業拠点を置けば、EUのほかの加盟国でも営業ができる制度を活用して、欧州事業を展開している。このメリットが受けられなくなれば、英国に拠点を構える理由は薄れることになる。

 英BBCは24日、米大手金融機関のモルガン・スタンレーも、英国の従業員を国外に移す準備を進めていると報道した。世界の金融大手が英国拠点を離れたり縮小したりすると、ロンドンの金融街シティーの存在感が低下しそうだ。(ニューヨーク=畑中徹)

こんなニュースも