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【国際】欧州統合 岐路に 国民投票で英、初のEU離脱へ【ロンドン=垣見洋樹】欧州連合(EU)からの離脱か残留かを問う英国の国民投票は二十三日投開票され、選挙管理委員会は二十四日、離脱支持が51・89%となり離脱派勝利が決まったとの最終結果を発表した。有権者の離脱の選択により、戦後に不戦の誓いから出発、統合の深化と拡大を続けてきたEUは、岐路に立つことになった。残留を訴えてきたキャメロン英首相は辞意を表明。英ポンドが三十一年ぶりの安値をつけて英国企業の株価は急落、日本を含む世界経済にも大きな波紋を広げている。 EUが欧州共同体(EC)を母体に一九九三年に発足して以来、統合を進めてきたEUから加盟国が離脱に向かうのは初めて。国民投票の結果に法的拘束力はないが、英政府は通告から最低二年をかけEUとの脱退交渉を進める見通しだ。 英メディアの分析では、離脱派は北部スコットランドを除く地方部で高齢層や労働者層を中心に票を獲得。残留派は都市部のロンドンやマンチェスターなどで、若者や高学歴層から支持を得た。 キャメロン氏は二十四日、「この国を次の目的地へ導く船長として私はふさわしくない」と述べ、十月の保守党大会までに辞任する意向を示した。 EU域内からの移民の増大により公共サービスや英国人労働者が圧迫されると離脱を訴えてきたジョンソン前ロンドン市長は、「これで英国は自ら税金を定め、国境を管理できるようになる」と離脱派の勝利をたたえた。 今回の結果を受け、離脱を求める運動がEUの他の加盟国に飛び火する可能性があるほか、来年のフランス大統領選、ドイツ総選挙で反EUの右派が勢いづくとの見方も出ている。 選挙管理委員会によると、開票所三百八十二カ所の集計が終了し、離脱支持は千七百四十一万七百四十二票、残留は48・11%の千六百十四万一千二百四十一票。投票率は72・2%で、悪天候の中、昨年の総選挙の66・1%を上回り、有権者は高い関心を示した。有権者は約四千六百五十万人。 PR情報
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