英進出の日本企業 EU離脱見据え準備急ぐことに
イギリスが国民投票でEUからの離脱を選択したことを受けて、イギリスで鉄道車両を生産している日立製作所の会長が、新しい政権と関係の構築に全力を尽くす考えを示すなど、進出している日本企業各社は、離脱を見据えて準備を急ぐことになります。
経団連の榊原会長は24日に記者団に対し、「イギリスのEU残留を期待していたので大変残念だ。イギリスには1000社を超える日本企業が進出し、累計の投資額が10兆円を超えている。EUからの離脱で日系企業の事業活動や将来の計画にさまざまな影響が出ることを懸念している」と、述べました。
EU域内の貿易は現在、関税がかかっていませんが、イギリスが離脱すると、域内の国に輸出する際に関税がかかる可能性があります。このため、イギリスで製品を生産したり、日本からイギリスを経由してEU各国に輸出したりしている企業の間で懸念が広がっています。
このうち、イギリスで鉄道車両を生産し、将来的にはヨーロッパ全体に輸出する計画の日立製作所の中西会長は24日夜、「首相まで代わってしまうので、どういうコミュニケーションを取るかが、いちばん大きな宿題になる。今まではキャメロン首相と直接会話もしてきたので、人間関係を作り直さなければならず、われわれにとってはもう一回立て直しという感じだ」と述べて、今後の事業展開の鍵を握るイギリスの新しい政権との関係の構築に全力を尽くす考えを示しました。
また、イギリス北部のスコットランドにエアコンの製造拠点があり、ヨーロッパ各国に輸出している三菱電機は「短期的、中期的にはイギリス経済の不透明感、およびEUの経済減速が懸念される。円高の影響を含め、当社のイギリス向け、ヨーロッパ向け事業に影響が出る可能性があり、今後の動向に注視していきたい」というコメントを発表しました。
さらに、ファスナーや建材の大手で、ヨーロッパやアフリカ方面の統括会社をイギリスに置くYKKグループは「イギリスがEUに離脱を通知してからも、新たな協定を結ぶための交渉に時間がかかるとみられるため、交渉の行方を見極めながら適切に対応していきたい」としています。
イギリスは今後、離脱に向けた手続きを進めるものとみられますが、イギリスに進出している日本企業各社も関税などを巡るEUとの交渉を見守りつつ、離脱を見据えて準備を急ぐことになります。
EU域内の貿易は現在、関税がかかっていませんが、イギリスが離脱すると、域内の国に輸出する際に関税がかかる可能性があります。このため、イギリスで製品を生産したり、日本からイギリスを経由してEU各国に輸出したりしている企業の間で懸念が広がっています。
このうち、イギリスで鉄道車両を生産し、将来的にはヨーロッパ全体に輸出する計画の日立製作所の中西会長は24日夜、「首相まで代わってしまうので、どういうコミュニケーションを取るかが、いちばん大きな宿題になる。今まではキャメロン首相と直接会話もしてきたので、人間関係を作り直さなければならず、われわれにとってはもう一回立て直しという感じだ」と述べて、今後の事業展開の鍵を握るイギリスの新しい政権との関係の構築に全力を尽くす考えを示しました。
また、イギリス北部のスコットランドにエアコンの製造拠点があり、ヨーロッパ各国に輸出している三菱電機は「短期的、中期的にはイギリス経済の不透明感、およびEUの経済減速が懸念される。円高の影響を含め、当社のイギリス向け、ヨーロッパ向け事業に影響が出る可能性があり、今後の動向に注視していきたい」というコメントを発表しました。
さらに、ファスナーや建材の大手で、ヨーロッパやアフリカ方面の統括会社をイギリスに置くYKKグループは「イギリスがEUに離脱を通知してからも、新たな協定を結ぶための交渉に時間がかかるとみられるため、交渉の行方を見極めながら適切に対応していきたい」としています。
イギリスは今後、離脱に向けた手続きを進めるものとみられますが、イギリスに進出している日本企業各社も関税などを巡るEUとの交渉を見守りつつ、離脱を見据えて準備を急ぐことになります。
大手メーカー 円高による利益減を懸念
円高が急速に進んだことで、自動車と電機の大手メーカー各社は、製品の輸出などによる利益が減ることを懸念しています。
このうち自動車メーカー各社は、今年度1年間の平均の為替レートを1ドル=105円~110円と想定しています。この想定よりも円高となった場合は、日本円に換算した利益が押し下げられることなどから、1円、円高が進むと、トヨタ自動車が400億円、日産自動車が140億円、ホンダが120億円、富士重工業が100億円、それぞれ今年度の営業利益が減る見通しです。
自動車メーカー各社の業績は、円安ドル高を追い風に昨年度は総じて好調でしたが、今後は特にアメリカ市場で販売が好調だった会社を中心に、大幅な円高は業績に大きな影響を与えそうです。
また、大手電機メーカー各社は、今年度の平均の為替レートを1ドル=105円~115円と想定しています。この想定よりも1円、円高となった場合、日立製作所は建設機械などの輸出を中心に30億円、三菱電機はエレベーターやエアコンなどの輸出を中心に20億円、パナソニックは10億円、それぞれ今年度の営業利益が減る見通しです。
このうち自動車メーカー各社は、今年度1年間の平均の為替レートを1ドル=105円~110円と想定しています。この想定よりも円高となった場合は、日本円に換算した利益が押し下げられることなどから、1円、円高が進むと、トヨタ自動車が400億円、日産自動車が140億円、ホンダが120億円、富士重工業が100億円、それぞれ今年度の営業利益が減る見通しです。
自動車メーカー各社の業績は、円安ドル高を追い風に昨年度は総じて好調でしたが、今後は特にアメリカ市場で販売が好調だった会社を中心に、大幅な円高は業績に大きな影響を与えそうです。
また、大手電機メーカー各社は、今年度の平均の為替レートを1ドル=105円~115円と想定しています。この想定よりも1円、円高となった場合、日立製作所は建設機械などの輸出を中心に30億円、三菱電機はエレベーターやエアコンなどの輸出を中心に20億円、パナソニックは10億円、それぞれ今年度の営業利益が減る見通しです。