スポンサーリンク

2016年06月24日

【オススメ!】『色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方』ジャン=ガブリエル・コース


色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方
色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日ではなく、ちょっと前の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。

以前『赤を身につけるとなぜもてるのか?』という作品をレビューしたことがありますが、あの本がツボだった方なら、ぜひお読みいただきたい作品です。

アマゾンの内容紹介から。
外科医の手術着はなぜ緑色なのか?レジまわりに暖色を使うと衝動買いが増える?不眠に悩む人には青がおすすめ?心理学・リラクゼーション・学習・記憶・創造・装飾・マーケティング・モード・性的欲求…あらゆる分野に影響を及ぼす「色の力」とは?

なお、まだ比較的新しい作品であるにもかかわらず、Kindle版は「20%OFF」とお買い得な上に、今なら「20%ポイント還元」も付いています!





colorful / danielle_blue


【ポイント】

■1.視覚によって行われる心理的な影響
 たとえば、壁の色が赤やオレンジなどの暖色系の部屋では、時間が過ぎるのが速く感じられる[スメッツ、1969年]。逆に、パソコンの画面に関しては、背景を寒色にすると、アップロードにかかる時間が短く感じられる[ゴーンほか、2004年]。背景が暖色──とくに赤──の場合は、パソコンの前に座っている時間が長く思われる。これはとくに男性にあてはまる傾向だ[シバサキほか、2014年]。  
 室温の知覚に関しては、部屋の色が暖色系か寒色系かによって驚くほどの違いが生まれる。赤やオレンジが主体となっている作業場では、職人が感じる温度は、青や緑に塗られた部屋よりも3度から4度高くなる[ボーガン、ヤング、2002年]。また熱い飲み物は、赤いカップに注ぐと、黄や緑やとくに青いカップに入れたときよりも熱く見える[ゲガン、ジャコブ、2012年]


■2.赤は勉強に不向き
 知能テストの例で見たように、赤を見ると、我々の論理的な能力は低下する[エリオット、メイヤー、モーラーほか、2007年]。ちらっと赤を見ただけで、人間の脳幹は覚醒し、能力と行動に変化が生じるのだ。そして脳幹が優勢になると、我々はもはや論理に基づく知性ではなく、生存反応をともなう原始的な知能に支配される。赤は符号化と短期記憶を促進するが[クネズ、2001年]、これは、危険に備えて緊張を最大限に高めている証だ。(中略)
 赤に対する恐怖心については、中国の大学教授たちも確認している。彼らは、学生の被験者たちに、一連の知能テストを実施した。各設問の前に受験者に対する指示が与えられるが、それを記す用紙の半数を赤、残りの半数を緑にしたのだ。その結果、緑の紙に書かれた指示を受け取った学生のほうが、赤い紙を受け取った学生よりはるかによい成績を残した[チャン・T、ハン・B、2014年]。  結論を言おう。もしも知的な論証で結果を出したいのであれば、赤は避けるべきだ。


■3.青は落ち着かせ、創造性を高める
 日常的な言葉では、「寒色を見ると心が落ち着く」という。科学者はもっと格調高く、「副交感神経組織は短い波長の色(青や紫)に刺激される」と表現する。これらの色は、身体の機能を活発にして、動脈圧を下げ、脈拍や呼吸数を減らす。こうした作用が、リラックスをもたらすのだ[リャオ、リュウ、1995年]。  実際の症例に応用された例を挙げよう。てんかん患者に青いコンタクトレンズを装着させたところ、被験者の77パーセントにおいて、発作の兆候が減少したことが確認された[カポヴィッラほか、1999年]。(中略)
 まず最初に、パコソンの画面について話そう。画面の背景の色は、仕事の進み方に影響を与えるだろうか? 「与える」と、複数の調査における研究者たちの結論は一致している。
 画面の背景を青にすると、単純作業がよくはかどる。だが、それ以上に、創造力が大いに高められる[ハッタほか、2002年]。


■4.教室に白黒茶は適していない
 現在、惜しむらくは、教室の大半で目にする壁や調度品には、教育に適していない色が使われている。最も好ましくないものが、無色の環境だ。3年間に及ぶ調査[ヘナー・エーテル、1973年]から、白と黒と茶は学習能力を下げることが明らかにされている。なぜだろう? 主な理由は2つある。まず、子供の多くは、この3色を好まない。自分の部屋を真っ白に塗ってほしいと親にせがむ幼児などいるはずがないと、私は考える。それなのに、現実にはどれほど多くの子供が白い部屋を与えられていることか……。  もう1つの理由は、この3色がほとんど影響力を持たないことである。子供の集中力を高めることも創造力をかきたてることもなく、かといってリラックス効果もない色なのだ。


■5.色と味覚の関係
 さらに、製品の色の透明度も、味覚に大きな影響を与えることがわかっている。ある実験では、香辛料入りのケチャップに適した色を決めるために、色の濃さに差のある3種類のケチャップを消費者に試食してもらった。被験者には知らせていなかったが、この3種類は色の輝度を変えただけで、味はまったく同じだった。その結果、色が濃いほど、香辛料も多いと感じることが明らかにされた[パーシー、1974年/シーマー、レヴィタン、2014年]。
 子供を対象とした調査でも同じような結果が得られた。フルーツシロップの味を変えずに、色の彩度だけ変化させたところ、彩度が高いほど味も濃く感じられたという[パンタン゠ソイエ、2011年]。


【感想】

◆実はこの本、単行本より「割安だから」という理由でKindle版を購入したところ、」ハイライトしまくり

普段だったら、ポストイットの付箋を大量に貼った画像をアップしているところなのですが、Kindle版なのでそういう形での内容アピールは残念ながらできませんでした。

しかも、一応厳選して上記ポイントは抜き出しているのですが、前の方から「ここは選ばねば」と拾っていったら、上記ポイントの5番目でまだ「全体の38%」の地点の模様。

つまり、本書の後ろ6割以上が、完全にスルーされているワケです(すいません)。

ただ、勉強や仕事に影響を与える、という意味で、「赤」と「青」の2色については言及しておきたかったですし、部屋の色の問題も重要、さらに「味覚」も捨てがたい……と、やはりどれも割愛できませんでした。


◆まず「赤」については、こちらの本ではタイトルにも含まれているくらいで。

4163903178
赤を身につけるとなぜもてるのか?

参考記事:【スゴ本】『赤を身につけるとなぜもてるのか?』タルマ・ローベル(2015年08月11日)

上記記事でも「赤色を見るとテストの成績が下がる」とはっきり明記されていましたね。

一方「青」については、先日この本で、メンタリストDaiGoさんが「水色のペン立てを使う」と言われていました。

4761271760
自分を操る超集中力

参考記事:すぐに使える『自分を操る超集中力』テクニック5選(2016年05月31日)

私たちも、パソコンの背景を青にすることで、単純作業をはかどらせたり、アイデアが沸くようにできる、というわけです。


◆ところで、こうしたエビデンスベースの話が続くと、著者のジャン=ガブリエル・コースは研究者のような印象を受けますが、実はバリバリの商売人。

元々は、大手広告代理店で広告クリエーターとして活躍後、カラーコンセプトを提唱するブルーブレッツェル社を設立しています。

つまり本書の内容は、ある意味彼の会社の活動に直結しているかと。

ですから本書の割愛した部分の多くは、上記ポイントの5番目のようなマーケティングネタです。

そりゃ、パッケージはもちろん、製品の「色」が消費者に受け入れられなければ、モノも売れませんワナ。


◆というワケで、その割愛したネタをザックリとご紹介しておくと、こんな感じです。

・ある保険会社では、請求書の3か所に色をつけただけで、2週間早く保険料の支払いを受けることができるようになった

・皿を選ぶときは、料理の色の補色を選ぶと、よりおいしそうに見える

・BIC社の出した香水は、暗い色と彩度の高い色の容器に入れて売り出されたため、香りが強すぎて繊細さに欠けると思われて失敗

・セブンアップ社がパッケージの黄色味を15%アップしたところ、消費者からレモンの味が増しておいしくなったとの感想が

・コーヒーはパッケージがコーヒー色をしているときのほうが強く香る

・良質の睡眠を得るには青い睡眠薬が望ましく、オレンジは絶対に避けるべき

・中古の任天堂Wiiをネットで売る際、背景は何色にすべきか?


これはもう、マーケティングネタ好きなら、読みたくなること必至かと。


◆ちなみに、Googleのリンクテキストの「青色」は、50色以上の青色を全世界でテストした結果選ばれたもので、それにより2億ドルの利益を増やした、と公式見解で述べているのだそうです。

……それを聞いたマイクロソフトは、テストもせずにさっさと同じ色にして、Bingの売上を8000万ドルも増やした、というくだりはワロイましたがw

他にもご紹介しきれないネタがわんさかあるので、この手のお話が好きな方は必読!

エビデンスの出典が、いちいち文中に出てくるのが、若干うざいんですけど、我慢していただければ。

私が購入したときにはなかった「20%ポイント還元」が付いている、今がお得です。


これは個人的にはオススメせざるを得ません!

色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方
色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方
はじめに
第1章 色を理解する
第2章 色の与える影響
第3章 色を選ぶ
結び
付録 世界の色が象徴するもの


【関連記事】

【スゴ本】『赤を身につけるとなぜもてるのか?』タルマ・ローベル(2015年08月11日)

【モテ】『恋愛の科学  出会いと別れをめぐる心理学』越智啓太(2015年07月31日)

【青ペン?】『頭がよくなる 青ペン書きなぐり勉強法』相川秀希(2015年03月12日)

すぐに使える『自分を操る超集中力』テクニック5選(2016年05月31日)


【編集後記】

きんどうさん情報によると、GooglePlayの夏セールに対抗して、この本のKindle版が、なんと100円で叩き売られている、とのこと。

B01E6JQBD0
言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

4月に出たばかりで、中古がほぼ新品なみ(送料足したら上回る)なのに、そこまで安くしなくとも……。

参考記事:【R指定?】『言ってはいけない 残酷すぎる真実』橘 玲(2016年04月17日)

コミック以外のラインナップを見ると、他にも既読本がちらほらあったので、あとで記事にしたいと思います。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「潜在意識・右脳開発」へ

この記事のカテゴリー:「マーケティング」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 09:00
TrackBack(0)マーケティングこのエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

スポンサーリンク




この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/smoothfoxxx/52223223