蹴球探訪
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【首都スポ】関東大学サッカー 早大の後期巻き返しに向け2人のレフティーが奮起2016年6月24日 紙面から
第90回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は全22戦のうち半分にあたる11戦を消化し、現在は中断期間に入っている。前回王者の早大はエースFW山内寛史(4年・国学院久我山)の不在で9位と苦しみ、崖っぷちの状況にある。9月の後半戦再開に向け、25日にスタートする、総理大臣杯全日本大学トーナメントの予選および本大会で復活のきっかけをつかみたいところだ。2人の左利きアタッカー、FW中山雄希(4年・大宮ユース)とMF秋山陽介(3年・流通経大柏)の奮起に期待がかかる。 (関孝伸) ◆FW中山雄希サッカーを始めたときには既に左足で蹴っていたと記憶するが、生来の左利きではない。読売クラブ(現在のJ2東京V)でプレーした経歴を持つ父・良夫さんによって、中山自身が覚えていないほどの幼い時分に左利きへと変えられた。 小さいころは右足で蹴った方が違和感がないこともあったが、今では完全な左利きになった。「右足はもうおもちゃみたいなものです」と笑う。 今季の立ち上がりはその左足が威力を発揮し、好スタートを切ったように思われた。開幕戦で2ゴールをマークし、第2節でも1得点。チームが2戦で挙げた計4ゴールのうち3点を決め、連勝発進へと導いた。 しかし、2戦目の試合後、中山の顔つきはさえなかった。「1点は取りましたけど、それ以外の場面では正直、何もしていない印象です。危機感の方があります」と悔しそうに話した。そして、その表情は晴れないままに前半戦を終えることとなった。 第3節以降の中山は9戦で計2得点だった。通算では5ゴール。得点源の伸び悩みはチームの低迷に直結した。 「自分が決めるべきところでしっかりと決めていれば、9位という今の順位にはいなかったと思います。10点くらい取っていてもおかしくはなかったんです。チャンスはそれくらいありました」 後悔の念は果てしないが、シュートをやり直せるわけではなく、失った勝ち点も戻ってこない。前を向くしかないのだ。 「スタメンで試合に出たら絶対に点を決められる選手なんだというふうに自分のことをとらえてきましたけど、そんなプライドやこれまでの実績なんかは全部捨てます。自分自身が点を取ることに固執しないで、自分の利益よりも組織の利益を考える選手になりたいと思います。チームが勝つためのプレーに徹して、守備でももっと貢献します」 不本意な前半戦を送った“手負いのFW”が心機一転、反攻ののろしを上げる。「自分が前半戦で迷惑をかけた分はここから取り返します。リーグ2連覇という目標にブレはありませんし、あとはもう、一つ一つの試合を全部勝っていくだけです」と一戦必勝、決死の覚悟で後半戦に挑む。 <中山雄希(なかやま・ゆうき)> 1994(平成6)年10月16日生まれの21歳。埼玉県出身。174センチ、71キロ。岩槻市立(現さいたま市立)川通小2年のときに川通グリーンキッズでサッカーを始め、3年からは浦和駒場サッカースポーツ少年団に所属した。中学時代は柏の下部組織とFC KASUKABEでプレーし、高校入学と同時に大宮ユースに入った。大宮ユースでの最高成績は1年時の日本クラブユース選手権(U−18)におけるベスト8入り。2011年にU−17日本代表候補、12年にU−18日本代表に選ばれた。早大では今季からレギュラーとなった。
◆MF秋山陽介絶妙の切り返しを駆使したドリブルで守備者のタイミングを外し、サイドを切り裂いていく。それがレフティードリブラー、MF秋山の最大の特長だ。真骨頂を発揮した試合の一つが第10節の明大戦。0−1で敗れはしたが、秋山自身は首位チームを向こうに回し、相手守備陣を幾度となく翻弄(ほんろう)した。 「レギュラーになったのは今年からなんですけど、通用する部分が多く見えた前半戦でした。ゴール近くまでは持っていけたんです。ただ、ラストパスやシュートの精度を欠いていました」 前半戦の個人的目標を「11試合で5得点5アシスト」と掲げていただけに、現状のノーゴール1アシストには不満しか残らない。気力が充実し、体も切れていたという明大戦でも、結局のところはゴールを生み出すことができなかった。後半戦ではチームを勝利に導く活躍、すなわち数字をたたき出すことが求められる。 「運動量にも自信があるので、チームが苦しいときでも攻守にわたって献身的に走り続けます。走り続ける中から決定機をつくったり、自分で決め切ったりできる力を身につけていきたいです」 達成できなかった当初の半期目標を後半戦こそはクリアしてやる。まだまだ発展途上にある“ベビーフェースの殺し屋”が「自分がチームを勝たせるくらいの意気込みで戦います」とチームの浮上と自らのブレークをもくろむ。 ◇指揮官のひと言▽古賀聡監督「シーズン当初から、自分たちの立ち位置はリーグで9〜12番目だという、客観的な分析ができていました。その意味からすれば、現在の9位は想定内ともとらえられます。今年のチームに一番足りないのは逆境に打ち勝つだけのメンタリティー。目指す頂点までの距離は今はすごく遠いわけですが、この中断期間内に少しでもそこに近づけるようにしたいと思います」 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中 PR情報
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