【甘口辛口】
■6月24日
18日に行われたAKB48の「第8回選抜総選挙」の開票イベントで、指原莉乃が史上初の連覇を達成した。彼女の得票数が24万3011で、総得票数は325万5400(ともに主催者発表)。一大イベントとして、すっかり定着した感がある。実のところは「人気投票」なのだが、「選挙」と銘打つだけで投票する側も「あの子をシングル選抜メンバーに入れたい」と気合が入るのだろう。
今は参院選の真っ最中。今回の選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた。AKBの“選挙”を経験している世代だけに案外とすんなり受け入れるかもしれない。そうはいっても人気投票ではない。そこを分かってほしいが、参院選はタレント候補が多いだけにどうなることやら。
競馬にもAKBの選抜総選挙のような人気投票がある。ファン投票で選ばれた馬たちが競う有馬記念と宝塚記念だ。「プロ野球のオールスター戦のようなものを競馬でも作ってみてはどうか」という発想から有馬記念が誕生した。その4年後の1960年、関西地区にも同じようなレースを-という希求から生まれたのが、今週末に行われる宝塚記念である。
登録馬のうち、ファン投票の上位10頭が優先的に出走できる。AKBに倣えば、上位10頭は選抜メンバー。名誉であるはずだが、最近は有名無実化している。今年、10位以内の出走馬はたった4頭。そもそも18頭のフルゲートに満たないことが多く、登録すればどの馬でも出られるのだ。
今年1位のキタサンブラックの得票数は8万2121。5年ぶりの8万超えだが、9万票強で5位だった柏木由紀にも及ばない。この制度、何らかのテコ入れが必要だろう。 (鈴木学)