管理人が特撮・アニメ・ネット等について書いたり自作の漫画を公開したりする処でございます。或いは、管理人の日々の愚痴等を垂れ流す処。または、画力向上を図る処。もしくは、インターネットラジオの投稿を報告する処。非常に混沌としております。

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飛翔掘削

Author:飛翔掘削
冴えない漫画描き。
「人生は楽しみながら」をモットーに、日々思ったことなんかを記していければと思っております。
色々観たり読んだりしますが、主食は特撮怪獣映画。
最近は、漫画と特撮映画と『ストライクウィッチーズ』があれば生きていけそうな気がしています。
2015年1月、人生初の商業漫画が出ました。

更新頻度が低下しておりますが、最低週一回は更新していく予定です。していきたい。
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或いは、怪獣映画文化のある日本だからこその映画と言えるのかも知れません。 『ラブ&ピース』 

遂に始まった怪獣の夏ッ!
という事で、6月27日より公開が始まった特撮怪獣映画『ラブ&ピース』を観て参りました。
いやはや何と言いますか、3年連続で新作の怪獣映画を観る事が出来るというのは、あの怪獣氷河期を思えばなんとも幸せな事だろうかと感激の極みであるのですが、今年はいよいよ持って日本の怪獣映画が帰ってきたと、そういう事でありまして、昨年の『GODZILLA ゴジラ』並びに一昨年の『パシフィック・リム』とはまた違った感慨がありますかね。
単館上映や小規模公開ではない、全国42館での公開となる和製怪獣映画! 大規模上映では無いにせよ、これだけで怪獣ファンの管理人は感涙ものであります。
・・・と言いながらその実この映画はゴジラやガメラのような純然たる怪獣映画では無いんですけどね。まあ、世間一般に言う「怪獣」という存在が出てくるのは本当にクライマックスだけなので、厳密に言えば「怪獣が出てくる映画」と言った方が正しいのかも知れませんが、しかし本作は、見方によっては「何故、怪獣が出現したのか?」というプロセスを描いた映画とも取れるんですよね。
そしてちゃんと特技監督だって立てられているし、ジャンルはやっぱり「特撮怪獣映画」で良いですよね!

ラブピース

管理人は園子温監督の作品を全作品観ている訳では無いのですが、これまでの作品傾向を鑑みるに、エログロ描写を入れてくる監督だなあ、という印象がありました。しかし『ラブ&ピース』にはそういったモノは一切無し。 エロとバイオレンスをひとつの楽しみにしている園監督のファンからすれば些か拍子抜けした、という感想もあるようであります。・・・まあ、亀で擬似的に女性をツンツンするという、捉え方によってはアレな場面もありましたが(管理人の心が汚れているだけですかそうですか)。
しかし園監督、今年は本作含めて実に5本もの映画を撮っている訳でありまして、今一番忙しい日本の映画監督なのではないでしょうか(笑)。
聞くところによるとこの作品の原型となる脚本は、園監督がまだ映画業界に入って間も無い頃に書いたモノだそうです。温めて幾星霜、漸くの映像化と相成った本作、一体どのような作品に仕上がったのか。
亀が巨大化して怪獣になる」、「本物の亀を用いた撮影」という2点から『小さき勇者たち〜ガメラ〜』との関連性なんかも挙げられている本作。そのあらすじは、以下の通りです。

ロックミュージシャンを目指し上京してきた鈴木良一は、しかしその夢に挫折、楽器の部品製造メーカーで働く事になった。
だが、夢に挫折したからなのか、何をやるにしても自信を持てず、良一は会社で完全にお荷物社員と化してしまっていた。
同僚である寺島裕子に想いを寄せたりするも、会話する事すらままならない日々。

そんなある日、良一はデパートの屋上で販売されていたミドリガメと目が合い、ただならぬ運命を感じ、飼う事にする。
ミドリガメに「ピカドン」という名前を付け溺愛する良一であったが……。


このあらすじだけ見ると、「どこに怪獣が出てくる余地があるんじゃい!?」と突っ込みたくなります(笑)。

それにしても『ラブ&ピース』というタイトル、一見怪獣映画らしからぬ名称ではありますよね。怪獣映画と言えば、『ゴジラ』とか『大怪獣ガメラ』みたいに怪獣の名称をタイトルに据えるか、『ゴジラ対メガロ』みたいに対決の構図を表すタイトルというのが一般的ではないかと思います。
しかし! この「ラブ&ピース」という名称、後述の通り作中に於いては、

劇中で主人公が名付けた亀=ピカドン

主人公がピカドンを想って書いた歌詞

反戦歌と勘違いされて大手レコード会社で売り出される事に

大衆受けを狙いレコード会社が「ピカドン」を「ラブ&ピース」に置換

という変遷を辿って出てきたのであります。
つまり、「ラブ&ピース」とは「ピカドン」の事であり、そのピカドンが巨大化して怪獣になる訳ですので、まさに怪獣の名称を映画のタイトルに据えているという事も出来るんですよ。まぁ、「ラブ&ピース」というタイトルにはそれ以外にも色々と意味が込められていると思いますが、しかし怪獣映画的にはこのタイトルの持って行き方は、なかなかに巧妙であると言わざるを得ません。
・・・その一方で、怪獣の名前を「ピカドン」にしちゃうというのはぶっちゃけるとどうかとも思いますが、しかしそもそも日本怪獣の始祖たるゴジラが原水爆の影響を受けて誕生した事を鑑みると、さもありなんという気もしないでは無いですかねぇ(面倒くさい怪獣ファン並の感想)。
作中では「ピカドン」が原子爆弾を表した語であるという事を若い連中は知らない」というように描写されておりました。「日本の友達のアメリカが原爆を落とした筈無いし~」みたいな感じで平和ボケし過ぎて、過去に起きた凄惨な出来事すら忘れちまっている、それじゃあいけないぜと、そういったメッセージも入りつつで、日本の怪獣の原点に立ち返った視点からの一連のシークエンスであったと思います。
この作品が描写しているモノの中に「変化」と「忘れない」というのが大きなウェイトを占めている訳でありまして、原爆を知らない若者という変化と、それを忘れてはならないという思いもまた、その中のひとつなのでありましょうなぁ。

さて、物語の序盤は主人公である良一が兎に角痛々しくて見てられない、というのが率直な感想でした(笑)。町を行く人やテレビにさえ馬鹿にされているというのは流石に被害妄想の映像化という描写なのでしょうが、それにしてもそこまで卑屈にならんでもと思わざるを得ませんでした。
いや、無論コレはギャグとしての描写なんでしょうけれども、「夢破れて普通の会社に就職してうだつの上がらないお荷物社員になっちゃっている」っていうの、管理人にはなんだか身につまされるような話でして・・・(笑)。いや別に管理人は夢破れた訳でもお荷物社員になっている訳でも無い(と思う)んですがっ!
しかし、周囲に亀を飼っている事を嘲笑され、ピカドンを手放してしまってからは割とトントン拍子で物語が転がっていく事になる訳です。物語は良一パートとピカドンパートに分かれて進行する事になります。

人に棄てられたペットやおもちゃ等が辿り着く謎の地下世界に来るピカドン。ピカドンは謎の地下世界の謎の老人に(事故でしたが)願望を実現させる能力を与えられ、その力を行使して良一を大ヒット曲を連発するロックミュージシャンにまで押し立てる。
しかし、その分能力の副作用でピカドンは巨大化してしまう。

そして、良一が「世界を目指したい」という夢を抱いた時、ピカドンはビルをも凌ぐほどの大きさにまで巨大化するのであった。
怪獣サイズにまで巨大化したピカドンは、ライブ中の良一の元へと向かう……!


いきなりファンタジーになっちゃうんですもん(笑)。
西田敏行演じる謎の老人は不思議な力を持っており、動物やオモチャを動いたり喋ったりできるようにして地下世界で皆一緒に暮らしているという構図は、さながらディズニー・ピクサーのアニメ映画『トイ・ストーリー』の様相を呈しておりました。
しかし本作ではオモチャが最終的に行き着く事になる、「捨てられた後」を描いていた訳であり、「買われてから10年後のオモチャ」を描いた『トイ・ストーリー3』の更にその先を行く構造になっていると言えるのではないかと思います。
それにしても管理人は、この謎の老人は棄てられたオモチャや棄てられたペットの介錯人ではないかと思って観ていたんですが、まさかサンタだったとは。些か拍子抜けはしましたが、でも、オモチャ達が今までの思い出を全て忘れて新しい所に行くには、まぁ、これが妥当な結末なのかなぁと思います。
しかし、オモチャ達は全てを忘れ、真っ新な新品の状態になってクリスマスの夜に配られる事にはなるのですが、オモチャがオモチャである以上、いつかまた捨てられてしまってまたサンタの元に帰ってきてしまう運命にあるというのは、哀しいというか、ただただ無常であります。オモチャにもサンタにも救いは、無い・・・。
それだけに、棄てられたオモチャやペット達がご主人の事をいつまでも想い続けるというのは、本当にいじらしくていじらしくて・・・。

オモチャがどこまで行っても変わることが出来ないとされるその一方で、良一はピカドンの能力によってロックスターとしてどんどん変わっていってしまいます。
晴れてロックスターになれた良一。しかし、夢は叶ってしまえばそれはもはや夢とは呼べない現実となってしまうし、夢を見ていた時とは変わってしまう。そして、夢はやがて欲望に置き換わってしまい、しかもそれが尽きる事は無い。良一もその例に違わずどんどん変わっていくのでありますが、その際限無い欲望を叶える為にピカドンは巨大化していくのであります。
だけど、ピカドンは知っている。例え変わってしまっても人間はまた思い出す事だって出来るし、やり直す事も出来る。それを良一に伝える為に、ピカドンは、夜の東京を進撃する!

いやぁ、そういった怒涛のクライマックスでございますが、この一連のクライマックスを観て、管理人は泣いてしまいましたね。
3年連続で映画館で怪獣見て泣いてる訳で、やっぱり人間としてどうかと思うんですが、しかし今回は「怪獣かっけぇ!」じゃなくて、純粋にピカドンの健気さに泣いちゃった訳であります。いやぁ、特に怪獣サイズになる一連のシークエンスですよ。ピカドン、お前はそこまでして良一の事を思っているのかと思うと、もう・・・!(・・・でも、泣いたのはやっぱり映画館で怪獣見れたからやないんか?)。
どっちにしても、年々涙腺が緩くなってきておりますなぁ。


さて、本作の特撮面であります。
今作の特技監督を務めたのは、近年では『ウルトラマンギンガS』や『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』で巨大怪獣や巨大ヒーロー、巨大ロボットを特撮を用いて表現しており、近日放送開始予定の『ウルトラマンX』ではメイン監督も務める、巨大特撮演出に定評のある田口清隆監督であります。

怪獣映画という事で怪獣出現の巨大特撮シークエンスにどうしても目が行ってしまいますが、その前に管理人が凄まじいと感じたのは、地下世界の動いて喋るオモチャたちであります。
3DCGでも合成でも無く、複数のオモチャ達が吊り操演(無論、合成や機械持込のプロップもあるでしょうけれど。)で同時に動いている! 完全に人形劇の手法で撮られているんですよね。それぞれがちゃんとキャラクターに合った動きをしており、そこには魂が宿っているのだという事を認識できました。
それをチープだとする向きもあるようですが、しかしその絵面は作品にマッチしており、特撮の理想系とも言うべき一体化が為されているように管理人は思いましたね。

そして展開される、怪獣出現&破壊シークエンス。
田口監督曰く、「これまでの田口特撮の集大成」との事でしたが、緻密なミニチュアワークと大胆な破壊描写、そして展開する10式戦車との交戦、そしてファンタジーとリアルの織り交ざった心象のような映像・・・。短いながらもリアリティと迫力、そして怪獣がそこに存在しているという説得力を持った見事な特撮でありました。映画館でこの巨大特撮が観れて良かったっす。
東京都庁の破壊で怪獣映画のお決まりの一つでもある「ランドマークの破壊」もやってくれましたし(笑)。
因みに、破壊シークエンスで使用されていた建物のミニチュアの中には、先月行った特撮博物館熊本展の撮影可能ブースに展示されていたミニチュアもありまして、「そうか、あのミニチュアはひと仕事終えた後だったのか!」と、妙に感慨深くもなりました(笑)。

あと、ピカドンの造形は、なんかもうやたらに可愛かったですね。あの可愛いのが大谷育江さんの声で鳴いて喋るんですよ!
いつも管理人は「レギオン萌え」だの「モスゴジ可愛い」だの言っている変な奴ではあるんですが、ピカドンの可愛さは、万人に共通するものであると考える次第でありますッ!!


全編を通して観た感想と致しましては、「大人のための童話」として仕上がっているように思います。特に、夢を追いかけていた、或いは追いかけている、そんな人達にとっては割と切実な映画だったんじゃないかなぁ、と(笑)。管理人もそのうちの1人な訳ですが・・・。
そして、日本に怪獣映画の文化があったからこそ、こういった筋書きの映画が生まれたのだろうなぁ、とも思います。こういった感じで、怪獣映画のフォーマットを利用した映画も、また増えると面白いでしょうね。

さぁ、次は『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』だ!
今作では良一を怪演した長谷川博己も『進撃~』で出演しますよって、少なからぬ運命じみた何かを感じますなぁ。


【関連記事】
『小さき勇者たち〜ガメラ〜』とは、何だったのか
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日本の「ミニチュア特撮」の魅力とは?
怪獣映画の魅力とは
【館長】特撮博物館・熊本展、行ってまいりました!【庵野秀明】


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2015/07/04 19:22|特撮怪獣TB:1CM:0

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