23 Jun 2016

私の周りからも本当によく聞く話です。「思っていたような仕事ができていない」「そもそもやりたくない仕事をいやいや続けている」「一生この仕事を続けられるのか不安」。そんな話を聞いていると確かに・・・起業したくなる気持ちも分かります。
しかし!ご想像どおり、起業してすぐに楽になるなんてことはほとんどありません。実務に必要とされるスキルが、既に備わっていたとしても、です。
日本では現在、新しくスタートしたビジネスのうち60%は1年以内に倒産し、さらに5年以内には80%が倒産しているというデータもあるようですが、その原因の多くは経営に関しての知識不足にあるというのも、しばしば話題にされていることです。
なんとなく始めてうまくいった、なんてことになったら嬉しいですけど…それこそ「運まかせ」でしょう。宝くじ当てるぞ!ってなもんでしょう。むしろってなもんです。
逆に「経営者は勉強をしすぎだ」「頭でっかちじゃあいけない」なんて声も耳にしますが、それらの言葉は「起業や経営について何も知らない状態の人」に向けられたものでないことは確かです。
私もフリーランスになったものの、次々と問題にぶち当たってはその都度必死に勉強するハメになっていました。仕事のスキルアップとは全く関係のない「経営」という側面の勉強を、です。
今も、既存の仕事に加えて新たな挑戦に取り組んでいる真っ最中。起業時と同じような状況ですが、ワクワクしています。以前とは違う。だって・・・
そんな今だからこそ紹介したい、起業する前に絶対に読んでおくべき6つの書籍と、そこから得られた自分なりの価値観までを、なんとまあ恥ずかしげもなくシェアしていこうと思います。
「なぜ読む必要があるのか?」が出来るだけ伝わりやすいように、紹介順も考えて並べています。強みを見つけてビジョンを持ち、最短で事業を加速していくために、ぜひ参考にしてください。
インターネットビジネス マニフェスト
何かを始めたいと思っても、残念ながらはじめから多くの人に受け入れられるような、素晴らしい商品やサービスを持っていることは少ないでしょう。
じゃあ具体的にはどんな事業を始めればいいのか?「なんとなくやりたいと思ってたこと」があるとしても、それを事業として選んで大丈夫なのか?どうやってスタートしていけばいいのか?
この本の中にある【誰と結婚するか?どのビジネスを始めるか?】というストーリーが大きなヒントになりそうです。
ある独身男性がいたとします。彼は結婚するために何かをしなければいけないと思い立ちます。
そして、彼は地元のバーに出かけ、女性を探そうと考え、そこで最も結婚願望が強そうな女性を見つけて、いきなり彼女に飲み物をおごります。
彼がその相手を「あなたが最も結婚願望が強そうだとわかったから私と結婚してほしい」などと真剣に口説いたとしたら、彼は笑われ、その女性は何年にもわたって、この馬鹿げた話を友人にし続けるでしょう。
P.81〜82
男性=あなた、女性=ビジネスに差し替えてもう一度読んでみてください。これは端的に言うと、なんとなく”流行りの事業”を始めても決してうまくはいかないということを話しているんですね。
例え一時的に成功してもじきに廃れ、次の事業へ切り替える必要に迫られてしまう。常に世の中の、あらゆる膨大な情報の動きをうかがいながら、チャンスを追い求め、振り回され続けることになってしまうということ。
そんなハードすぎる労働なんていつまでも続けられるわけないですし、そもそもやりたくないですよね。「んもぅ、超ストレスフルっ!」な日々が想像できます。「アレ?これってもしかして…本末転倒ってヤツ?」って気づいた頃にゃあもう・・・コワイコワイ。
この本ではまず、そんな「チャンス追求型」の思考をスポーンと捨てて、将来のビジョンを持ち、自分の強みと情熱を活かせる「戦略型」思考へ切り替える重要性を訴えています。
じゃあその柱となる、「自分の強み」ってなんでしょう?
すぐ答えられる人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は即答できないんじゃないでしょうか。
本書では「そもそも、強みってナニ?」「強みなんてどーしたら気づけるんすか?」といったことにも触れられているので、思わぬ”気づき”のきっかけとなってくれます。
そんな時はこんな、納得のいく指針が必要です。
この本は第1章から第3章まで、ビジネスの成長段階にあわせて順番に構成されています。新たに副業から事業を始めようとする人はもちろん、そんなフラストレーションを抱えながら既にビジネスを進めている人も、事業が波に乗り出し岐路に立っている人も、手元に置いておきたい一冊です。
⇒「インターネットビジネス マニフェスト」 (ダイレクト出版)
ルールを変える思考法
元々、ゲーム専門のニュースサイトで掲載されていた連載記事が骨格となっている本。なので基本的には終始、「ゲーム」と「現実でのビジネス」を照らしあわせながら綴られていきます。
本人も「本当にビジネス書になるのか半信半疑だった」と言っているだけあってサラッサラと読めてしまうんですが、「」「」といった面白い切り口で、ビジネス成功への方法論が語られています。
ゲームもビジネスも同じで、何かの事業やアクションを起こすのであれば、「自分の武器になるものはなんなのか」を考え、それをはっきりと打ち出していかなければならないということです。
その武器は、考えついた時点ではまだ使えないものであってもかまいません。
ゲームの世界では、レベルを上げていかないと使えない武器やアイテムもあります。それと同じように、「この方向性で頑張っていって、体力レベルをここまで引き上げられたときにこの剣を持つ」というような考え方をするのもいいわけです。
P.67〜68
この言葉は、少なくとも私にとってはとても響くものでした。
上で紹介した「インターネットビジネス マニフェスト」で言われている、「ビジョンを持って、強みと情熱を活かし、戦略的にビジネスを進めていく」と広義では同じことを言っていると捉えられるわけですが・・・
。
私はこれまでの経験から、
考えても今は分からない。それなら手を出しやすいフィールドへ、一歩踏み出してみる
という価値観を持っています。だから、
と考えます。「さあ今こそ、強みという剣を持つべきその時までに、それを活かすことのできる体力レベルを上げておくのだ!(勇者よ!)」ということです。
ええそのとおりです。私なりにルールを変えてやりました。先にしておく「体力レベル」アップは、「剣」を見つけるためのアクションにもなり得る、という解釈です。
「体力レベル」アップ自体はどんなことをするのか?いろんなことが考えられるはずですが、ここに挙げているような書籍からノウハウや知識を得ておくこともそれに当たるでしょう。先人からのヒントは偉大です。
また、同系統サービス内で勝負する場合には「独自性」が必要だということにも言及されています。つまり「総合力勝負の競争」になってしまえば、既に大きな資本を持つ大手や先駆者には太刀打ち出来ない、耐久力勝負となってしまう、ということです。倒産しちゃうよ、ということです。
「独自性=強み」と考えると、やはり自分の強みを見つけることが重要になってくるんですね。
独自性を見つけたとして、どんな展開をしていけばいいんでしょう?独自性を保つには?真のヒットが生まれるタイミングとは?それらに対するひとつの答えが、著者の経験から語られています。
「ニコニコ動画」を生み出した”異端の経営者”と呼ばれる著者、川上量生。【ビジネスは世の中でいちばん「リアル」なゲームのひとつ】と定義して、コンテンツの役割からインターネットの将来、ビジネスを成功させるための独自の方法論までを展開している、オモシロイ書籍です。
日本の経営者なので馴染みやすい価値観も垣間見え、「インターネットビジネス マニフェスト」とは少し違った側面から同じテーマを見つめることができます。
そして本書の中にある…【「できるかもしれない」と思うことからすべては始まる】。このメッセージは新たな一歩を踏み出そうとする私たちに、とても響くものです。
ザ・ローンチ
私たちの多くは、一度きりの人生の貴重な時間を、生活資金と引き換えに差し出す、というヒジョーに身動きの取りにくい日々を送っています。生きているうちの行動の大半を決められてしまっている、といっても過言ではないでしょう。
一昔前まではそれが「当たり前」な時代だったようです。でも今は違う。昔ながらのビジネスでさえも、インターネットによって前代未聞の簡単さとスピーディーさで発展することが可能になりました。これは、資金のない個人レベルの事業でさえも、ビジネスチャンスがドカン!と広がっているということ。
その「広がり」の事実を知っているからこそ何かを始めたい、そう感じる人が多くなってきているのは当然だと思います。少なくともこの国では、。
でも、そこまでは多くの人が、なんとなく自覚している状況のようにも感じます。企業で働く社員から、弁護士などの個人開業者、画家や作家、音楽アーティストまで、競争の激しいデジタル業界での話題作りに必死な状況。
そして結局、。
その問題には、この書籍に詰め込まれた「具体的な戦略」が役立ちそうです。
新たな舞台を的確に把握すれば、見込み客の関心を集めることも、関係を構築することも、さまざまな意味で単純になった。それこそまさに、本書が話そうとしていることである。
(中略)
つまり、多くの人がローンチを必要としている。大ヒット商品や繁盛しているビジネス、ブランドはどれも、ローンチの成功を出発点としている。のんびりとスタートを切っている暇などない。
必要なのは、ビジネスの成功に欠かせない、勢いとキャッシュフローなのだ。
P.19
この本で明らかにされている「ビジネスローンチまでの戦略」は、短期間で成功する方法ではありません。ただし最終的に「ワンクリックで日常を一変させる」ほどの戦略が詰め込まれています。何もない状態の今、何をしていくべきなのか。霧まみれで見えなかった道が、すーっと晴れて見えてきます。
売れればいいな、の「ホープマーケティング」から「持続的に成長させるマーケティング」へ。
企業勤めに馴染めず、経営の知識なんてほとんどない”主夫”だった。そんな著者がどん底から作り上げた、コストをかけない戦略。下準備とプランニングからビジネスを本当に「ローンチ」するまでの具体的なノウハウ。必ず知っておきたい知識が詰め込まれた書籍です。
コンテンツの秘密-ぼくがジブリで考えたこと
自分や会社が生み出している商品やサービスについて、こんなことを思ったことはありませんか?
「商品やサービスは、消費者に届いて、満足してもらって、初めて価値が生まれる」と考えています。これまで挙げてきた書籍にあるような、戦略という意味でのマーケティングとは違った視点で、を見つめる必要もありますよね。
というわけで再び出てきました、川上量生さん。彼は本書執筆時点でドワンゴ代表取締役会長であると同時に「スタジオジブリ・プロデューサー見習い」という肩書も持っています。
まあ肩書はともかく、彼がスタジオジブリに在籍中、「コンテンツ」というものの定義や、いわゆる「天才クリエイター」と「ふつうのクリエイター」の差とはなんなのか。毎日のように考え、結論に至ったものを言語化したのが、この本です。
誰もが触れたことのあるジブリ作品を例に検証していく様は、同時に誰もが理解しやすい。「魔女の宅急便」に隠されていた”魔法のトリック”なんてことにも触れられていたり、楽しく読めます。
で、もちろん、ただの「ジブリの秘密、暴露本!」なんかじゃない。個人的に興味深かったのは…
オモシロソーでしょ?
念のため言っておくと、本の目次をただ並べているわけじゃありませんよ。これだけのことが私に「残っている」んです。
クリエイターでさえ無意識の現象、抽象的な表現しかできなかったものを言語化したこの書籍は、IT企業経営者ならではのものでしょう。そしてその模索に夢中だった中で彼が至った結論には胸を打たれます。
私たちが生み出す商品・サービスを、今までにない視点で見つめなおすことができる。起業家必読の一冊です。
⇒「コンテンツの秘密-ぼくがジブリで考えたこと」 (NHK出版新書 458)
人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門
私たちは、優れたリーダーやクリエイターが「何をどうやっているのか」を観察することはできます。でも、真似をしたところで同じ結果が出ないことがほとんどだということも知っています。
私たちは超一流のリーダー、アスリート、アーティストといった人たちが、常人離れした感性や集中力を持っていることを知っています。たとえばメジャーリーガーのイチロー選手は、まるでピンポン玉を弾き返すように難なくヒットを打っているように見えます。
(中略)
しかしそのやり方を真似たからといって、イチロー選手のような集中力を獲得できるわけではありません。では、どうすればよいのでしょうか?
アスリートの常人離れした集中力、アーティストやクリエイターたちの創造性、観客を魅了する役者や歌手、プレゼンターの圧倒的な存在感といった力の源泉は「内面のあり方」にあるというのがU理論の考えです。
P.3
名実ともに一流と言われる人のインスピレーション、イノベーション、リーダーシップの源泉はいったいなんでしょう?一度考えてみなければ「真似ごと」に終始してしまう可能性もありそうです。
そして真似ごとだけではきっと、想い描くような結果を出すことは難しい。U理論は、そんな「超・根本的な解決策」のヒントを教えてくれます。
一流人物の内面からにじみ出ているもの、溢れだしている何か。それは無意識にせよ、どんなふうに導き出されているのか?それを意図的に起こすにはどうしたらいいのか?
抽象的な議題なんですが、パフォーマンスの向上や自己変革を求める上で、個人的にとてもお世話になりました。そして。そんな時にも助けになる。内面を見直すだけで、意外とスッキリ解決することもあるんです。
⇒「人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門」(PHP研究所)
鈴木さんにも分かるネットの未来
で、まさに今も何気なく、なんの疑問も持たずに利用してますよね。そう、実際便利だから。みんな普通に利用してるから。知らないことが多すぎるから。
私たちはきっと、「解らなすぎるもの」に対しては、あまり疑問を持たずに利用する傾向があります。でも「インターネット」は、今やビジネスに欠かせない存在ですよね。
それなら今がどんな状態なのか、これからどこに向かっていくのかということに触れずにはいられないはずです。もうその存在自体が当たり前すぎて「無意識な無関心状態」になっているだけ。
この本を読むと改めて、小学校から人類の歴史を(なかば強制的にも)学ばされてきた理由が分かります。色んな失敗や成功例が積み重ねられて今がある。
自分の短い人生の中で、イチからぜーんぶ同じことをやって検証することが、どれだけもったいないことか・・・ビジネスというフィールドに移ると急に盲目になってしまうような気がします。
ぼくが師事するスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに入社当初から与えられていたテーマがあります。ネットとはなにか、をぼくにも分かるように書いてくれ、という命題です。
(中略)
ネットの世界はこけおどしとハッタリに満ちています。本来はネットの外の世間を騙すためのごまかしだと思うのですが、ネットの中の人たちも、いっしょに騙されているので始末に負えません。
長年ネット業界にいるぼくが、本当のネットとはこうですよね、という、むしろネットの中の人たちへのメッセージを、ネットから一番遠そうな鈴木さんたちに向けて書くのは、なかなかに痛快なことだと思ったのです。
P.1〜3
この本は、アナログの時代もデジタルの時代もどっぷりと経験してきた”デジアナ世代”としての経営経験から、「ネットの世界では今、なにが起きているのか。どこに向かっていくのか」を教えてくれます。
WEBコンテンツはすべて無料になっていくのか?ネット時代のクリエイターに求められるものとは?WEBコンテンツとプラットフォームの今後とは?
なかでも、「オープン」なプラットフォームが「クローズド」なプラットフォームに勝ってきた歴史と今後の展望についての考察は、きっと大手企業の間ではもはや常識なんだろうなぁ、と思わせるもの。そしてと思わせるものでした。
勝負するプラットフォームを間違えてしまうと、どんなに強力な商品やスキルを持っていても、プラットフォーム側の都合で搾取されてしまうことになるかもしれません。
自分がどんなプラットフォームで勝負していくべきなのか。大きな指針となる書籍です。
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さて念のためことわっておくと、3度も登場した著者、川上氏を崇拝しているわけではありません。(もちろん尊敬はしています)他にも紹介したい良書はたくさんあるんですが、今回のタイトルテーマを柱に、出来るだけコンパクトに選定した結果の6選でした。
というわけで、”流れ的に繋がる”おまけの一品をもうひとつ。
ザ・プラットフォーム-IT企業はなぜ世界を変えるのか?
上であげた「鈴木さんにも分かるネットの未来」と同様、インターネットサービス界において書かれた本ですが、より「プラットフォーム」に着目した視点でまとめられています。
こうした楽天のデザインを、欧米のECサイトのようなすっきりしたデザインと比較して、批判している人もしばしば見かけます。
しかし、その人たちは「目的がはっきりしている状態で商品を探すためのインターフェイス」と、「目的が必ずしもはっきりしない状態で、なんとなく商品を買いたくなるインターフェイス」が、まったく別のロジックで設計されるものだということを忘れていると思います。
P.176〜177
上の文章から少し考えを巡らせれば・・・SEOやソーシャルメディア戦略に置き換えても当てはまりそうな話だと思います。日本という国が持つプラットフォームの特殊性。自分にしかできない、誰かを笑顔にし続ける「自己実現のプラットフォーム」とその可能性。
この国で起業するということに、勇気を与えてくれる書籍です。
⇒「ザ・プラットフォーム – IT企業はなぜ世界を変えるのか?」(NHK出版)
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一番大切なこと。「消化して、動き出す」
以上、起業する前に読んでおきたい、おすすめビジネス書6選をフルコースでお出ししてきました。私の価値観をふんだんにぶっかけた、ボリュームたっぷりのフルコース。全て自信を持っておすすめできる、本当に質の高いものばかりです。
一度きりの人生のなかで、思いとは裏腹に立ち止まらずに、一歩を踏み出してみることの貴重さ。踏み出すからには楽しむために、最低限知っておくべき先人の知恵が必ずあるということ。インプットしたものはそのままにせず、しっかり消化して、力にして、動き出していくということ。
これらは、まだまだ浅いながらも、今の私が伝えたいこと、実践して示していきたいことです。
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