童話「セレンディップの三人の王子たち」でセレンディップ(スリランカ)の王子達は聡明さと洞察力で偶然の幸運に恵まれる。
この話を元に、偶然探していたものとは別の価値あるものに出会うことや、その能力を「セレンディピティ」という。
アンニョイな平日、雨が降る前に運動不足の体を動かしておこうと、重い体を起こして散歩に出ることにした。
お気に入りのトイレのつっかけみたいなサンダルを履いて、何か不吉なことを予感させる雨雲を眺めながら、いつのも散歩道を早足で歩いていた。
ふと、道端にゴミが転がっているのを見つけた。我が家の近所は、不法投棄のゴミがよく道端に転がっているので、いつものことだと気にも留めていなかった。
が、なんだか少し気になったなので、今日はどんなモノが捨てられたのかと目をやると、トレーディングカードが数千枚束になって袋に入っていた。
札束なら即行で拾って帰るのだが、マジマジ見るとラブライブかガールフレンズ?か何かの萌え萌えの絵が描かれている。うーん、こっち方面の趣味はないのだけどもしかしたら価値があるのかも・・・。
と考えていたのだが、気づくと全部拾って家路を急ぐ自分がいた。もしかしたら、これは神の啓示かも知れないし、100円くらいで売れるものが一枚でも入っていたらラッキーだろう。
wkwkで家に帰って、丁寧にカードを確認して仕分けする。知識がないため、一枚一枚、ネットで相場を調べること3時間。
わかったことは、3千枚くらいあったカードは、すべてレア度がまったくないダブりまくったノーマルカードであり、市場で取引される価格は0円であることであった。つまりワタクシは、喜んでゴミを拾ってきたことになる。
唯一わかる艦これのカードも入っていて、ノーマルだけど大好きな陸奥ちゃんがいたのが救いであった。が、数時間に及ぶ仕分けとパソコン操作により、手が腱鞘炎になった。アラフォーにもなって何やってんだか。
ワタクシは、激しく反省して教科書「ビジョナリーカンパニー」を手に取って復習を始めた。
第四段階 一発逆転の追求
第四段階に陥った会社はあらゆる種類の新しい計画、新しい流行、新しい戦略、新しいビジョン、新しい文化、新しい価値観、新しい突破口、新しい買収、新しい救世主を試していく。
一つの特効薬がきかなければ、つぎの特効薬を探し、さらにつぎの特効薬を探す。凡庸さを示すのは変化を望まないことではない。一貫性のない姿勢が慢性化していることである。
「ビジョナリーカンパニー③」156ページより引用
なるほど。ワタクシは落ちているハズのない大金をゲットしようと、一発逆転に賭けてゴミを拾ってきたということか。そして、さらにドツボにハマっていくということだろう。
ただ、すでに倒産しかかっているワタクシは、こうなることは想定内であったことは言うまでもない。失敗ばかりの人生でワラを掴もうとして散々ウンコみたいなものばかり掴んできた。
が、ウンコを掴むたびに笑い話が誕生していったのも事実である。道端に希望は落ちていないが、笑いのタネはたくさん落ちている。大切なのは、自分がどんな意味を与えるかだけなのだ。
仕方ないので、拾ってきたウンコは、フリマででも売りさばこうと思う。また娘氏と楽しい思い出ができそうだ。考えようによってはワタクシは幸運を拾ったとも言えるのだ。
偶然の幸運に出会う能力「セレンディピティ」はとても示唆に富んだ言葉でもある。それは、偶然や幸運が主観的な言葉であるからなのは言うまでもない。
「ワイフと結婚したことも、セレンディピティであったと言える日が来るのかな。」
ワタクシは雨模様の空を眺めながらつぶやいた。願いを込めてつぶやいた。
ところでだれかトレカもらってくんない?