東海旅客鉄道(JR東海)は24日、東海道新幹線に新型車両「N700S(エス)」を投入すると正式に発表した。車両の軽量化をさらに進め、7代目にして16編成の総重量が初めて700トンを切る。モバイル電源用のコンセントを全座席に設け、車内の防犯カメラを指令所からも確認できるようにするなど、客室サービスの向上にも力点を置いた車両となる。
柘植康英社長は同日、都内での記者会見で「飛躍的な進化をとげた車両になる」と述べた。また将来の海外輸出も視野に入れているという。
先頭車両は「デュアルスプリームウイング形」と名付けたエッジ(角)のある形状を採用して空気抵抗や騒音を低減。炭化ケイ素(SiC)を組み込んだパワー半導体を搭載し、車体を軽量化する。
2018年3月までに試験車両を完成させ、20年度から営業用に投入する。東海道新幹線の新型車両は13年の「N700A」以来、7年ぶりで、初代「ゼロ系」から数えれば7代目にあたる。同新幹線内での営業最高速度は時速285キロメートルで、N700Aと変わらない。
(名古屋支社 市原朋大)