人民元5年5か月ぶり安値 株価も大きく値下がり

イギリスの国民投票の結果を受けて、中国の上海市場では中国経済の先行きに対する慎重な見方が広がって、通貨・人民元のドルに対する為替レートがおよそ5年5か月ぶりの安値水準となったほか、株価も大きく値下がりしました。
24日の上海外国為替市場は、イギリスの通貨・ポンドやユーロが主要な通貨に対して値下がりしたことを受けて、中国経済の先行きに対しても、慎重な見方が広がり、人民元相場はドルに対して値下がりしました。人民元のドルに対する為替レートは、一時およそ5年5か月ぶりに1ドル=6.62元台をつけ、今後の相場の参考となる日本時間午後5時半時点の値は1ドル=6.6148元と、23日より0.5%、元安ドル高となりました。一方、上海株式市場でも投資家の間でリスクを避ける動きが広がって多くの銘柄に売り注文が出て、株価は値下がりしました。代表的な指数である「総合指数」の24日の終値は、一時3%近く値を下げ、終値でも、2854.29ポイントと23日より1.3%、下落しました。
市場関係者は「ヨーロッパ経済の不安定化が、減速する中国経済に一段の悪影響を与えることを懸念する見方も出始めていて、このあとの欧米市場や週末の各国政府の動向なども見据えながら、当面は神経質な展開が続きそうだ」と話しています。