東京都教育委員会は23日、実教出版(東京)の高校日本史の教科書「高校日本史B」について、「使用は適切でない」とする見解を都立高校に通知した。この教科書が「不適切」とされたのは2013年度から4年連続で、国旗と国歌をめぐる記述が都教委の考えに合わないとしている。

 「高校日本史B」は国旗掲揚や国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述しているという。都教委は、この部分が「(国旗掲揚と国歌斉唱は)教員の責務という都教委の考え方と異なる」としている。

 一方、同じ実教出版の「高校日本史A」は昨年度まで「不適切」と通知していたが、改訂で該当する記述がなくなったため、今年度から「適切」とした。各校は8月の教科書採択に向けて選定作業を進めている。