東南アジアの「盟主」インドネシア、南シナ海紛争に加勢

 19日の中国政府の発表はナトゥナ諸島海域をめぐる両国の神経戦の発端となった。中国外務省の華春瑩副報道局長は、中国漁船が17日にナトゥナ諸島海域で拿捕された過程で、インドネシア海軍が発砲に及んだことをついて、同海域は「中国漁民の伝統的な漁場であるほか、中国とインドネシアの海洋権益が重なる場所だ」と述べた。華副報道局長はまた、「インドネシアの艦船が武力を乱用し、中国漁船を襲撃し、発砲したことは国連海洋法条約を含む国際法に大きく違反したものだ」と主張した。

 この発言にインドネシア政府は猛反発。レトノ・マルスディ外相は22日、「インドネシアの領海のどこも中国と領有権は重なっていない」と反論した上で、「ナトゥナ諸島周辺のインドネシアのEEZは国連海洋法条約によって国際的に認められている。今回の問題は法執行の問題であって、政治問題ではない」と主張した。違法操業漁船の取り締まりを正常な法執行と位置づけた上で、領有権紛争の対象とはなり得ないと主張した格好だ。ユスフ・カラ副大統領も「今後ナトゥナ海域で強硬に排他的権利を主張していく」と発言した。

 インドネシアは人口が世界4位(2億5000万人)、経済力が16位、軍事力が12位で東南アジアの最強国だ。ナトゥナ諸島周辺での中国漁船の違法操業にも武力を行使し、遠慮なく中国に圧力をかけてきた。今年5月にインドネシアの駆逐艦が中国の底引き網漁船に発砲したのをはじめ、年初来2回にわたり、中国漁船に銃撃を加えた。また、ナトゥナ諸島にF16戦闘機5機の配備も進めている。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
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