東南アジアの「盟主」インドネシア、南シナ海紛争に加勢

 インドネシアのジョコ大統領は23日、南シナ海のナトゥナ諸島を急きょ訪問した。今回の訪問は中国外務省がナトゥナ諸島周辺海域について、「両国の海洋権益が重なる」と主張してから4日後のことだ。2014年に就任したジョコ大統領がナトゥナ諸島を訪れるのは初めてで、南シナ海での領有権紛争でこれまで後手に回っていたインドネシアが紛争の前面に出てきたと受け止められている。

 インドネシアは人口2億5000万人を抱える大国で、東南アジアの「盟主」の役割を担う国で、中国がこれまで領有権紛争を繰り広げてきたフィリピン、ベトナムとは異なり、手ごわい相手になる見通しだ。

 AP通信と現地メディアによると、ジョコ大統領は同日、ナトゥナ諸島のインドネシア海軍基地で艦船に乗り、周辺海域を視察し、安全保障・外交関係閣僚と艦上で会議を開いた。乗船した船は17日に中国漁船に発砲し、乗組員を拿捕(だほ)した艦船だった。

 今回の訪問について、ルフット・パンジャイタン政治・法務・治安担当調整相は「(インドネシアの主権を守る意思について)明確なメッセージを伝えたものだ。歴史的にインドネシアは(中国に)これほど強硬だったことがない」とした上で、「大統領が南シナ海問題を軽視しないことを示すものだ」と説明した。

 プラモノ・アヌン内閣秘書も「政府のトップであり、国家元首として、大統領はナトゥナ諸島がいつまでもインドネシアの一部であることを明確にした」と指摘した。

 ナトゥナ諸島海域には、インドネシアが排他的経済水域(EEZ)を設定している。中国はナトゥナ諸島海域の相当部分が自国が主張する「南シナ海(南海)九段線」と重なるとの立場だが、表面的には「中国の伝統的な漁場」という表現を使ってきた。インドネシアとの直接的な領有権争いを避けてきた形だ。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース