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沖縄戦で住民守った警察幹部、故郷・栃木で功績に脚光

2016/6/21 11:44
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 太平洋戦争末期、沖縄県警察部長(現在の県警本部長)として住民の疎開を進めた荒井退造の功績に光をあてる動きが故郷の栃木県で広がっている。戦時下に生きる大切さを説き「島守」と呼ばれている退造。関係者は「責任感や平和への思いなど学ぶ点は多い」と話す。

 活動に取り組む宇都宮市のNPO法人「菜の花街道」によると、同市出身の退造は1943年、沖縄県警察部長に就任。県幹部や県民が疎開に消極的な中、住民説明会を開くなどして避難の必要性を訴えた。20万人超を県内外へ逃がした。

 地上戦が激化すると、米軍に見つかったら投降するよう住民らに話した。45年6月23日に沖縄で組織的戦闘が終結した後、一緒に疎開を進めた島田叡知事と糸満市で消息を絶った。遺骨は見つかっておらず、命日は6月26日とされる。

 「郷土の偉人なのに、栃木県でほとんど知られていない」。菜の花街道代表で、退造の遠縁に当たる荒井俊典さん(78)は力を込める。約2年前から関係地を訪ねたり資料を集めたりしてきた。

 荒井さんは「大きな犠牲が出た沖縄で『なんとか生きてほしい』と奔走した退造の生きざまから、平和の大切さを感じてほしい」と話す。

 退造の母校、宇都宮市立清原南小は昨年から図書館にコーナーを設け、関連書籍やDVDを並べている。佐藤克一教頭は「功績を教育にも生かしたい」としている。

 栃木県のさくら市教育委員会は、子どもたちの平和学習にも役立てばと今月、市内で企画展を開催。7月3日までで、命日の6月26日には菜の花街道会員による記念講演もある。〔共同〕

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