102歳男性自殺で遺族が東電を提訴
7月29日
11時39分
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原発事故の影響で全域が避難区域に指定された福島県飯舘村から離れることを受け入れられず自殺した102歳の男性の遺族が、「原発事故がなければ、ふるさとで天寿を全うできたはずだ」として、東京電力におよそ6000万円の賠償を求める訴えを起こしました。
福島地方裁判所に訴えを起こしたのは、4年前まで福島県飯舘村で暮らしていた、当時102歳の大久保文雄さんの遺族3人です。
4年前、原発事故から1か月後の4月11日、政府は飯舘村の全域を計画的避難区域に指定する方針を示しましたが、その翌日、村で最高齢だった大久保さんは自宅で自殺しました。
大久保さんは村を離れることを受け入れられなかったとみられ、遺族らは「原発事故がなければ、生きがいを感じていたふるさとの村で天寿を全うできたはずだ」として、東京電力におよそ6000万円の賠償を求めています。
大久保さんの息子の妻で40年近く一緒に暮らしていた美江子さん(62)は「102歳まで生きた人がみずから命を絶つことの重みや残された家族の苦しみを分かってほしい。法廷で思いを訴えたい」と話しています。
一方、東京電力は「訴えの内容や主張を詳しくうかがったうえで真摯(しんし)に対応してまいります」とコメントしています。
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