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 千葉県野田市が65歳以上の高齢者名簿を本人の了解がないまま、野田署に提供していた問題で、市は22日、提供の見直しを検討すると発表した。市民が個人情報の利用停止を市長に求めた内容を審議していた市情報公開・個人情報保護審査会が同日、名簿提出を「公益上、特に必要があると認められない」との答申を出した。市は現状では提供が難しくなったとしている。

 市は2012年1月、野田署から交通事故や振り込め詐欺防止のために名簿提供を求められた。市個人情報保護条例では第三者への提供について「公益上、特に必要があると認めるとき」とあり、当時の審査会がこの規定に該当すると承認。同年から15年まで毎年1回、約3万5千~4万人の名簿を提供してきた。

 だが昨年、市民52人が市長に個人情報の利用停止請求をし、市長が請求を退けたため、13人が異議を申し立て、有識者や弁護士ら5人からなる審査会が昨年10月から審議していた。

 審査会は、名簿利用者は野田署であり、既に処分済みなどとして申し立てを却下したが、名簿提出は「公益上、特に必要」という規定に該当しないと判断を改めた。今後は条例に基づくと4万人の本人同意が必要になり、後は条例改正で対応するしかないという。

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