あまりに衝撃的なため、市場関係者はこの一件を「佐藤ショック」と名付けたほど。日銀マンが公に向けて話をする場で、まさかの「黒田批判」を繰り広げた。その驚くべき「全文」をお届けしよう。
ついに内部分裂
日本銀行で前代未聞の「反乱」が勃発した。
6月2日、日銀幹部の佐藤健裕氏が北海道釧路市で開かれた金融経済懇談会で、黒田東彦総裁が進める一連の金融政策に対して、「痛烈批判」をぶち上げたのである。
佐藤氏は元モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストで、'12年から日銀政策委員会審議委員を務めている。審議委員は、日銀の最高意思決定機関である政策委員会で総裁、副総裁に次ぐポジション。そんな中枢の大幹部が異例の「内部批判」を繰り出したのだから、マーケットには激震が走った。
「この日の午後にはその発言の一部が市場に流れ、『日銀に分裂が起きた』と駆け巡った。海外ヘッジファンドは即座に動いて、為替市場では円が急騰。日経平均株価も400円近く暴落した」(外資系証券会社幹部)
市場では「佐藤ショック」としてすでに語り草となっており、いまだにその余波は収束しない。
佐藤発言はそれほどの爆弾だったわけだが、事なかれ主義の大新聞やテレビはその内容を一部しか報じようとしない。そこで本誌が、その「全文」を明らかにする。
佐藤発言がなにより衝撃的なのは、「ボス」にあたる黒田総裁の政策にこれでもかと批判を投げかけている点にある。
「『量的・質的金融緩和』の開始から3年余りが経過した。
私の理解では、この政策はあえて大胆な手法を採用することで人々の予想形成に訴えかける一種のショック療法で、当初2年程度の期間を念頭に置いていたことに示されるように、少なくとも私はあまり長く続けることを想定していなかった。
それゆえ'14年10月に『量的・質的金融緩和』を拡大し、さらに本年1月にマイナス金利の採用まで至ったことには複雑な思いである」
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