ロマンの木曜日 2016年6月23日
 

あの「HG創英角ポップ体」の元となった直筆生原稿を見た

ぜんぶ手書きでかいた

創英企画さんでポップ体の開発が始まったきっかけはなんでしょう?
創英企画では、活字ゆらいの明朝やゴシック、あと毛筆系といった書体をずーっと開発してきたんです。でも、そうこうしているうちにいろんな方から「明朝やゴシックなんかはもういっぱいあるし、それだけじゃちっともおもしろい作品はできないし、みるひとにもあんまりアピールしないから、ポップ体みたいなのもあったらいいね」というはなしがあって、それで開発することになったんです。
それがいまから25年ぐらい前というわけですね。
そうです、当時はパソコンがまだほとんどなかったかわりに、ワープロ(文書作成専用のパソコン)がずいぶん普及していて250万台とか、それぐらいあったんですね。でも、使えるフォントは限られてたんです。
当時、ワープロがかなり普及してきていたものの、使えるフォントのバリエーションはそんなになく、明朝かゴシック、あとは毛筆書体がオプションでつく程度であった。

そこで、いままでになかった、ポップ体の新しい書体をつくることになった。梅原さんは人づてにデザイナーの水本さんを紹介してもらい、ポップ体の制作を依頼した。それが1990年ごろのはなしだ。

水本さんは、文字デザインのプロではあるものの、活字専門のデザイナーではなかったが、今までになかった文字をデザインするうえで、逆にうってつけだったのかもしれない。

創英ポップ体1の直筆生原稿をみせてもらう

きょうは、これをみていただこうとおもって、もってきたんです。
そういって、梅原さんは「創英ポップ体1」とかかれた、ぶあついファイルをひろげてみせてくれた。
創英ポップ体1
創英ポップ体1
ひろげると、手がきで書かれたポップ体の文字がずらりと並んでいる。
おぉー、直筆生原稿だ!
おぉー、直筆生原稿だ!
これって、もしかして、今使われているHG創英角ポップ体の文字のおおもとの原稿……ですか?
そうです。これが元になった原稿です。第一水準と第二水準※の文字、あわせて約7000文字ぐらいあります。
※第一水準、第二水準……JIS規格(日本工業規格)で決まっているパソコンなどで使える文字の種類のこと。
ひらがな
ひらがな
難しい漢字
難しい漢字
わー、これなんだか鳥肌たちますね!
いや、これはすごい。もしかしてこれって、ひらがな、カタカナ、漢字、すべて手がきじゃないですか?!
よく見ると、文字をなぞって色を塗ったあとがわかる
よく見ると、文字をなぞって色を塗ったあとがわかる
日本になん人いるかわからないけれど、HG創英角ポップ体ファンにはたまらない絵づらだ。しかも、水本恵子さんの直筆生原稿である。

これは興奮せざるをえない。


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