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【緊迫・南シナ海】
インドネシア、中国に対抗姿勢強める 「中立」から転換 経済水域保護へ特別班発足
【シンガポール=吉村英輝】インドネシア政府は23日までに、中国が軍事拠点化を進める南シナ海での自国の権益保護に向け、国連海洋法条約に精通した専門家による特別班を結成することを決めた。南シナ海での中国の領有権主張をめぐっては、フィリピンの提訴を受けた常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が近く、結論を出す見通し。「中立」を表明してきたインドネシアが法的措置に乗り出せば、中国には大きな逆風となりそうだ。
ジョコ大統領は23日、南シナ海南端のインドネシア領ナトゥナ諸島沖で海軍艦船を視察し、同行したルトノ外相など主要関係閣僚らと艦上で会議を開いた。
諸島沖合の排他的経済水域(EEZ)では17日、同国海軍が不法操業の中国漁船を拿捕(だほ)した。だが、中国外務省は19日、現場海域は「中国漁民の伝統的漁場」だと声明で非難した。異例の艦上会議は、「中国の主張を認めることはできず、大統領は事態を深刻に捉えている」(ルフット調整相)との意思表示だ。