南シナ海 違法操業の中国人船長に罰金刑 インドネシア

中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張するなか、南シナ海のインドネシアの排他的経済水域で、違法に操業した罪などに問われている中国人の船長に対し、インドネシアの裁判所は、23日、日本円で1500万円余りの罰金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
判決を言い渡されたのは、中国人の48歳の船長です。
この船長は、ことし3月、南シナ海にあるインドネシアのナトゥナ諸島沖の排他的経済水域で、違法に操業した罪などに問われています。
西カリマンタン州ポンティアナックの裁判所は、23日の判決公判で、「船長は現場がインドネシアの排他的経済水域だと知りながら、大量の魚をとろうと底引き網を使って密漁した」などと指摘し、20億ルピア=日本円で1500万円余りの罰金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
インドネシアと中国の間に領有権問題はありませんが、中国が管轄権を主張している南シナ海のほぼ全域には、インドネシアのナトゥナ諸島沖の排他的経済水域も含まれています。
今月17日には、このナトゥナ諸島沖でインドネシア海軍が、違法操業の疑いがある中国漁船を警告射撃を行ったうえで拿捕(だほ)したことに対し、中国政府が「武力の乱用だ」などと強く抗議しており、今回の判決を受けて、中国側がさらに反発を強めることが予想されます。